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身体活動を行うための生体エネルギー機構(ATP)

2013.07.18 | Category: トレーニング

生体エネルギー機構

エネルギー供給

人の身体が、身体活動を行う(運動)には化学的エネルギーから機械的エネルギーへの変換が必要です。

 

生体エネルギーの流れ

生体エネルギーの流れは、第一に食物(化学エネルギーを含む炭水化物〘糖質〙、タンパク質、脂質の分子)を生体で使用可能なエネルギーに変換する事です。
これらの分子の化学結合の分解により身体活動に必要なエネルギーが放出されます。

 

a)異化作用

・炭水化物がグルコースに分解されるような、大きな分子から小さな分子への分解の過程でエネルギーが放出される過程。

 

b)同化作用

・小さい分子から大きな分子を合成する過程では、異化作用で放出されたエネルギーをしようします。この工程を同化といいます。

例)アミノ酸からタンパク質の合成があります。

人の身体は同化作用、異化作用のバランスによって一定に保たれ、これを「代謝」といいます。

 

アデノシン三リン酸の構成

 

異化作用で得られたエネルギーは中間分子であるアデノシン三リン酸(ATP)を介して同化作用で使われ、十分なATPの供給無しには、筋活動と筋の成長はありえません。

 

ATPは窒素を含む核酸であるアデニンと5単糖であるリボース(アデニンとリボースが結合するとアデノシンとなる)と3つのリン酸基から成り立ちます。

 

1つのリン酸基の除去によってアデノシン二リン酸(ADP)となり、2つ目のリン酸基の除去によりアデノシン一リン酸となります。

 

ATPは2つのリン酸基に多量のエネルギーが蓄えわれるので、、高エネルギー分子と呼ばれ、これらの化学結合の分解は体内の様々な反応の為のエネルギーとなります。
筋細胞は限られた量のATPしか蓄えられないので、筋活動を継続するには、常にATPの供給が必要となり、このATPの産生する過程は筋細胞内で起こります。

トレーニングのプログラムデザインを作成する際には運動がどのようにしてATPの利用と再合成に影響をあたえるかを基本的に理解することが重要になります。

ATPともう一つの高エネルギーリン酸化合物質であるCP(クレアチンリン酸)の分解速度

 

ATP,PCr→ADP,Cr 生成速度(モル/分)4.4 利用量(モル)0.67
筋グリコーゲン→乳酸 生成速度(モル/分)2.35 利用量(モル)1.6
筋グリコーゲン→CO2 生成速度(モル/分)0.85~1.14 利用量(モル)84
筋グリコーゲン→CO2 生成速度(モル/分)0.37 利用量(モル)19
脂肪酸→CO2 生成速度(モル/分)0.40 利用量(モル)4,000

(体重70kg、筋量28kgでの総利用量)

 

この反応速度を比較してみると、非乳酸性の無酸素過程によるエネルギー生産が最も素早く、骨格筋のグリコーゲンを基質とする乳酸性の無酸素過程によるエネルギー産生が、その1/2のスピードで進むことを示しています。
そして、骨格筋や肝臓中のグリコーゲン、あるいは脂肪酸を基質とした反応は非乳酸性のエネルギー生産速度の約1/10であることがわかります。

 

一方、エネルギー源物質である各々の基質を利用したエネルギー生産量はATP換算量で、ATP-CP系からは合わせても0.67モルしかないので全力疾走で10秒程度のエネルギー量にしかなりません。
また骨格筋、肝臓を合わせたグリコーゲンを基質とした場合には100モル程度であり、グリコーゲンだけではそれを150モル必要とするフルマラソンを完走することはできません。

 

しかし酸素の供給が十分な条件で脂肪酸(脂質)が基質となると、マラソンを20数回も走りきることができます。

 

引用・索引NSCA-CPT教本

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