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前十字靭帯における神経筋的側面の考察(膝関節の屈曲角が0~45°で大腿四頭筋が強く収縮し、ハムストリングスの収縮がその強さに見合わないとき、前向きの力が発生しACLにかなりの負担がかかる)

2016.06.14 | Category: 前十字靭帯損傷

神経筋的側面の考察

神経筋的側面における大腿四頭筋とハムストリングスの筋力の差異

大腿四頭筋の筋力とハムストリングスの筋力

膝関節の安定は受動的にも能動的にも生じます。

 

骨、半月板、靭帯、そして関節包は、膝関節を受動的に安定させるシステムを構成しています。

 

例えば、ACL(前十字靭帯)は、主として前後方向がの移動、内反・外反モーション、内旋・外旋モーションを調節することによって膝関節を安定させています。

 

前十字靭帯損傷と股関節の動き(股関節の内転角の増大、股関節の屈曲角の減少、そして内旋角もACL損傷リスクを高める可能性のある動きになる)

能動的に安定させるシステム

能動的に安定させるシステムを構成しているのは筋の収縮であり、これは主として随意的な筋活動によって発生します。

 

膝関節の安定は、この2つのシステムのバランスに依存していますが、女子アスリートの場合は、大腿四頭筋とハムストリングスの筋力の差異がACLへの負担増大のリスクを高めます。

 

膝関節が伸展すると膝に前向きの力がかかりますが、ACLはこの力の調節を担っており、膝関節を安定させて前方への変位を抑止します。

 

膝関節を受動的に安定させるシステムに加えて、この前方への動きに対する拮抗筋としてハムストリングスが機能します。

 

すなわちハムストリングスが収縮して膝関節を後方へ引っ張ることによって、膝関節の屈曲角が0°(完全伸展)~45°で大腿四頭筋が強く収縮して、ハムストリングスの収縮がその強さに見合わないとき、前向きの力が発生してACLにかなりの負担がかかり、その結果ACLを損傷する可能性があります。

 

膝のアライメントとACL閾値の評価(前十字靭帯損傷閾値はニュートラルなアライメントにおいて最も高く、自重の5.1倍になり、アライメントが外反または内反になると、ACL損傷閾値はそれぞれ自重の2.2倍と2.1倍に低下した)

ACL損傷とハムストリングスに対する大腿四頭筋の優位性

女子バスケットボール選手とサッカー選手に対してプレシーズンに動的筋力の測定を行ったところ、その後ACLを損傷した選手は、男子と比べてハムストリングスの筋力は低下していましたが、大腿四頭筋の筋力は低下していませんでした。

 

つまり、大腿四頭筋の筋力は男子選手の状態と変わらず、一方、ハムストリングスの筋力は低下していたために、ハムストリングスよりも大腿四頭筋の筋力が高くなっていました。

 

この不均衡が、ハムストリングスに対する大腿四頭筋の優位を招いてACLに負荷を与え、それがACL損傷の一因になったと考えられます。

 

なぜならば、ACLを受傷しなかった選手は、男子と比較して大腿四頭筋の筋力が低下しており、ハムストリングスの筋力は低下していなかったからです。

 

したがって、大腿四頭筋とハムストリングスの両方に負荷をかけて、筋力を向上させるようなトレーニングプログラムを実施することが重要になります。

 

前十字靭帯損傷と外反モーション(ACLを受傷した選手は、プレシーズンのスクリーニングにおいて着地の初期接地における膝関節の外転角度が大きく、着地中の最大変位も大きかった

 

引用・索引Asci A and Acikada C.Power production among different sports with similar maximum strength.J Strength Cond Res21:10-16.2006


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