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プライオメトリックスにおけるエネルギーの貯蔵とは(腱に蓄えられる弾性エネルギー(EE)はストレッチショートニングサイクル(SSC)現象を支えるきわめて重要なメカニズムである)
腱
腱は伸張することによりエネルギーを貯蔵し、反動によりエネルギーを解放する能力がある
腱は伸張することによりエネルギーを貯蔵し、反動によりエネルギーを解放する能力があるため、直列弾性要素(SEC)内のエネルギーの貯蔵にとってカギとなる重要な部位であると考えられています。
Kuboらは、腱に蓄えられる弾性エネルギー(EE)はストレッチショートニングサイクル(SSC)現象を支えるきわめて重要なメカニズムであると示唆しています。
これはLichtwark&Wilsonの考察とも一致しており、彼らは、腱の反動は移動運動中におけるパワー発揮の増大とエネルギー保存の両方の役割を担っていると指摘しています。
したがって、腱の弾性特性はパワーの出力と効率にとって極めて重要になります。
歩行、ジャンプ走行などのプライオメトリックス(人が移動運動を行なう際には、収縮要素(CC)、直列弾性要素(SEC)、並列弾性要素(PEC)の3つの要素が相互に作用して、効率的な運動が生じる)
筋と腱は連続構造であるため、両者は同じ力を受ける
腱とは対照的に、筋組織はエネルギーの貯蔵と回復において効率的とはいえませんが、筋と腱は連続構造であるため、両者は同じ力を受けます。
したがってこれらの組織間の貯蔵エネルギーの分布はその変形に依存しており、その変形は、さらにスティフネス(剛性)またはその逆の値であるコンプライアンス(伸展性)の関数になります。
簡単に言えば、より大きく伸展したどちらかの組織構造が最も多くのEEを貯蔵します。
例えば、受動的スティフネスは腱のスティフネスの100倍以下であるため、大多数の変形が並列弾性要素(PEC)のスティフネスは腱のスティフネスの100倍以下であるため、大多数の変形がPECで起こります。
逆に能動的な運動の間は、筋組織とその周辺のPECのスティフネスをはるかに上回るため、EEの貯蔵場所が逆転します。
引用・索引London Sport Institute Middlesex University London England University of Glamorgan Pontypridd Wales Unted Kingdom34-35 2014