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野球の投手がシーズン中になぜ泳いではいけないと言われるか?(筋肉の収縮様式:初動負荷と終動負荷)

2014.09.27 | Category: 投球障害治療

投手のトレーニングには水泳は不向きなのか?

水泳と野球

野球の投手は肩を冷やすので泳いではいけないと、昔からよく言われます。

 

「肩を冷やす」という表現は抽象的ですが、要するに投球動作に重要な肩や肘の関節が冷えるとその周辺部の筋肉の血行が悪くなり、柔軟性を損なってフォームを崩す恐れがあることを指摘しているのだと思います。

 

決してナンセンスな理屈ではなく、特に投球フォームの維持が大切なシーズン中に泳ぐことを控える説明としては、それなりに説得力があるものです。

 

野球におけるチームの期分けトレーニングプログラム(競技シーズンと期分け)

筋肉の収縮様式

シーズン中に水泳を控える理由は、別のところにもあり、それは、筋肉の収縮の仕方にあります。

 

水泳の動作は筋肉の収縮様式が投球動作と異なることが理由になります。

 

投球動作では、肩関節の周囲の筋肉が動作の初めに大きな力を発揮し、その力を腕、手、ボールへと伝えていき、ボールをリリースしたあと、腕のフォロースルーとともに力は次第に減っていきます。

 

つまり動作の最初に力がかかり、次第に減力する動きになり、こうした負荷のかかり方を「初動負荷」といいます。

 

これに対して水泳のプル(手で水をかく)動作は、水をキャッチしてから徐々に筋出力が大きくなり、動作の中盤から終盤にピークとなり、このような筋力発揮の仕方(終動負荷)は野球の投球動作の中ではありません。

 

使う筋肉が同じであっても、筋肉の収縮様式が異なればトレーニングとしては不向きとなり、したがって、水泳は投球動作のトレーニングとして不適切になります。

 

※ただし、これは正しいフォームの維持があるいは微妙な調整が必要なシーズン中の話で、筋肉に対して多様な負荷を与えてリラックスを図るシーズンオフや、怪我からのリハビリ期に行う筋力回復の手段として水泳を行う場合は別問題です。

 

特異性の原則

トレーニングの原則の1つに「特異性の原則」があります。

 

これは、専門とするスポーツ種目の動作の特異性を十分に考慮してトレーニングをするということですが、特異性には①動作様式、②動作速度、③動作時間などの要素があります。

 

スポーツ選手がトレーニング方法を選択する際には、これらの要素をできるだけ専門種目の基本動作に近づけることを念頭に置かなくてはなりません。

 

野球選手におけるオフシーズンからプレシーズンへのトレーニング(筋力と爆発力をともに訓練するエクササイズを組込まなければならない)

 

トレーニング内容と食事(オフシーズンとインシーズンでのタンパク質、炭水化物の摂取量の違い)

 

オフシーズンは回復かそれとも準備か?(プレシーズンへ向け、筋サイズや筋力の低下、筋の動員パターンにおける神経系の低下を防ぐトレーニングが重要になる)

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

 

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