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運動のためのエネルギー量(全身の酸素摂取量をエネルギー消費量として評価する)

2014.11.12 | Category: トレーナー,ブログ

1.運動とエネルギー

 

人は座位安静時、体重1kg当たり毎分おそよ3.5mlの酸素を摂取しています。

 

運動時には、主体となる骨格筋に加え、呼吸筋、心筋、脳など、活動に関与するすべての組織や器官のエネルギー消費が安静時の数倍から数十倍に増加します。

 

しかし、各組織や器官別にエネルギー消費量を測定することは困難なため、運動中や運動後の呼気ガス濃度と換気量を測定することで、全身の酸素摂取量をエネルギー消費量として評価する場合が多くなります。

 

2.酸素借と酸素負債

 

運動を開始すると酸素摂取量が増加しますが、運動開始初期には酸素必要量と酸素供給量との間に差が生じてきます。

 

 

この運動初期の酸素摂取の不足分を「酸素借」といいます。

 

この酸素借は、運動終了後に返済することになり、運動終了後徐々に安静レベルまで戻るまでの酸素摂取量の総和を酸素負債といい、借りた酸素量を運動後に負債として返済します。

 

一昔前までは、酸素借は酸素負債に等しいと考えられていましたが、実際に測定すると、特に高強度の運動では酸素負債が酸素借を大きく上回ることが明らかとなっており、その理由として、クレアチンリン酸の再補充やグリコーゲンの再合成に利用されるほか、運動による体温の上昇、カテコールアミンや甲状腺ホルモンの増加による脂肪酸燃焼亢進などが考えられています。

 

したがって、酸素借=酸素負債という概念では説明できない事が観察されるようになり、酸素負債という用語とは別に、運動後に持続する酸素摂取量の高値を「EPOC(excess post-exercise oxygen consumption)」と表すようになりました。

 

 

3.酸素需要量

 

酸素需要量は、酸素借+酸素摂取量で表されます。

 

運動を開始すると酸素摂取量は増加し、最大下の運動強度では、3~4分経過すると一定となりこれを「定常状態」といいます。

 

定常状態が出現する運動では、運動に必要な酸素量と実際に摂取される酸素量が等しくなり、したがって、酸素需要量は、運動初期の酸素借と運動中に摂取した酸素摂取量の測定になります。

 

一方、最大下の運動でも最大に近い強度、あるいは最大以上の強度では、酸素の供給が不足し定常状態が出現しないため、運動に必要な酸素量を評価できません。

 

このような場合は、最大下の運動時では運動強度に比例して酸素摂取量が増加という関係を一次回帰式に示し、定常状態が得られない強度の運動でも外挿法にて酸素需要量の推定を行い、この推定法は運動強度が変化しても機械的な効率は等しいという前提にたっています。

引用・索引 スポーツ・運動生理学概説

 

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