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運動時の免疫系の変化(オーバートレーニング時には一過性の免疫応答の抑制状態が続く)

2014.12.12 | Category: トレーナー

運動時の免疫系の変化

アジリティ

 

運動と疲労

運動時には様々な免疫系の変化が見られ、比較的長い時間あるいはきつい運動を行うと、血中の好中球やNK細胞の増加、血中リンパ球の減少、血中IL-6(インターロイキン:リンパ球が分泌する因子)の増加、唾液中のIgA(免疫グロブリン)の減少などがみられます。

 

これらの増減は運動にともなうアドレナリンや副腎皮質ホルモンなどの内分泌系や交感神経などの自律神経活動の結果おこりますが、観察されている変化そのものは防御反応としての免疫応答の改善や決定的なダメージには結びつきません。

 

免疫機能

IgAと風邪

 

唾液IgAの減少と風邪のひきやすさは関連されています。

 

しかし、IgA欠損症でもひきやすいということはないという場合が多く、IgAは直接ウイルスの侵入とは関連がないという可能性もあります。

 

唾液中のIgAがスポーツ選手と関連するのは、IgAが自律神経の状態を反映するためと考えられています。

 

 

 

血中の細胞の増減も多くの場合、体内分泌の変化による一過性の変化になります。

 

血中で増加しているということは免疫応答の場である脾臓やリンパ節や各臓器ではむしろ減少している可能性もあります。

 

長期にわたれば、免疫応答にとって不利な可能性もありますが、短期間であれば通常数日かかる免疫応答に大きな影響はないとされています。

 

IL-6

 

IL-6は造血因子ヘマトポイエチンとして発見され、その後炎症反応の誘導には欠かせないサイトカイン(免疫担当細胞が分泌する細胞間伝達物質)であることが明らかになっています。

 

最近、骨格筋は収縮するだけではなくIL-6を産生することがわかり、筋肉で分泌されるIL-6のことをマイオカインと呼んでいます。

 

※ただし、このIL-6は炎症反応を起こすものではなく、糖やグリコーゲンの代謝との関連が指摘されています。

 

オーバートレーニングと免疫

 

一回の運動時に見られる変化は、免疫応答の結果起きる変化ではなく自律神経・内分泌系の変化と関連するものが多くなります。

 

長時間の運動や、一過性のきつい運動(高強度の運動)時に分泌されるアドレナリンなどのカテコールアミンは、自然免疫、適応免疫いずれの免疫応答をも一時的に抑制し、遅延させます。

 

※これは、運動時に炎症が起きた場合、炎症による発赤・腫脹・発熱などのために運動機能が低下するのを防ぐためと考えられています。

 

オーバートレーニングのような慢性疲労状態は交感神経活動の持続的な亢進が起こり、消耗から回復のための副交感神経系が抑制された状態になります。

 

オーバートレーニング時には一過性の運動に伴う免疫応答の抑制状態が続くことになり、感染症に対する防御機能が低下したり炎症の制御がうまくいかなくなり(免疫失調)、長期化したりする可能性が指摘されています。

 

女性アスリートとウェイトコントロール(オーバートレーニングなどのストレスが大脳辺縁系-視床下部を介して、女性の内分泌に影響を及ぼし過食や拒食を生じる)

 

高強度トレーニングと免疫系(糖質には、高強度の持久系エクササイズに応答して起こる免疫細胞とサイトカインの乱れを制御する働きがある)

引用・索引 スポーツ・運動生理学概説


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