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野球治療・野球肘に関連づけられる力学的欠陥(成人の場合、投球側の肘は平均64Nm の外反トルク(肘内側を開く回旋力)に耐えなければならない)

2015.01.10 | Category: 投球障害治療

投球動作のバイオメカニクスと野球肘

肘内側障害

投球動作のバイオメカニクス理解の重要性

肘内側の慢性障害の場合、メカニクスを調節するためには、投球動作のバイオメカニクスについてより深く、理解する必要があります。

 

投球パフォーマンスと受傷リスクを管理するためには、下半身の踏み込みによる最適なエネルギー産生と支持、上半身の機械的動作のタイミング、および関節力の効率的伝達に最適な関節位置について理解することが重要になります。

 

外反モーメントは、遠心力の組み合わせ効果によって生じることが研究によって示唆されています(この場合の遠心力とは、前腕を肘関節の中心から外側方向へ回転しながら遠ざけようとする見かけ上の力)。

 

肘関節に作用する遠心力は、骨盤、体幹、および肩関節の高速外旋がもたらす回転エネルギーによって生じると考えられています。

 

一連の投球動作中、上腕の安定化機構は、常に前腕に力を加えて前腕の平行移動と関節の伸延(関節面同士が離れること)に抵抗してます。

 

関節反力は、内側方向が240~360N(前腕の外側への平行移動に抵抗)、前方が240N(前腕の後方への平行移動に抵抗)、そして圧縮力が1,000N(肘関節の伸延に抵抗)と測定されています。

運動力学的特性

運動力学的特性は、発達年齢、体重、身長、および球種によって変化します。

 

直感的には、速球はチェンジアップよりも発揮される力が大きく、このことは、組織応力を軽減するために、球速と並行してチェンジアップを指導することの重要性を示しています。

 

運動力学の定量化研究では、成人の場合、投球側の肘は平均64Nm の外反トルク(肘内側を開く回旋力)に耐えなければならないのに対し、若年投手が抵抗しなければならない外反負荷(内反モーメントによって表される)は28Nmであるとの結果が出ています。

 

成人において外反ストレスの量が増大するのは、筋量がより大きい分、解剖学的セグメントの加速度が増大することが大きな要因とされています。

 

それに加えて、より大きな形態的質量と筋量、より長いモーメントアーム長、および質量慣性モーメントが組み合わさると、最大の外反トルクが発揮されます。

 

このことは、大柄で長身投手における内反トルク出力の発揮(肘内側を引張する力への抵抗)により注意を払う必要がある可能性を示しています。

 

成人選手と若年選手

成人(主に16歳以上)の場合、UCLの各構成要素は、骨付着部に比べて引張応力に耐える能力が低くなります。

 

一方、若年選手の場合、先述したように、骨、腱、および靭帯組織の強度に逆の関係が存在します。

 

若年選手の肘内側の骨端症と成長軟骨板骨折は、靭帯と腱の強度が骨を上回っていることから生じるものになります。

 

引用・索引 National Strength and Conditioning Assciation Japan March 2014Volume Number 2 40-41


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