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野球肘:投球動作のレイトコッキング期(投球側の肩における外旋トルクの増大は、肘内側の傷害度の上昇と高い相関関係)

2015.01.11 | Category: 投球障害治療

投球動作時の最大外旋位における懸念事項(野球肘リスク)

投球動作最大外旋位

MER(最大外旋位)

投球動作において最もストレスのかかる大きな要素は、投球側の手を加速させることにより、肩が最大外旋位(MER)をとる際に生じます。

 

投球側の肩における外旋トルクの増大は、肘内側の傷害度の上昇と高い相関関係にあることが指摘されています。

 

MERにおける外反ストレスの負荷はまた、身体セグメントの非対称性のほか、疲労に関連した要素、例えば肩の外旋速度の変化、脊柱の投球腕側への側屈、肩の外転の減少、水平外転速度の増加、最大水平外転位における手関節の回外、およびMERにおける肘の伸展の増大などによって、さらに悪化します。

 

野球肘とファンクショナルムーブメントスクリーン:FMS(肘に影響を与える可能性として、近位から遠位へのコーディネーションの低下、股関節のROM制限/筋力低下、体幹の筋力低下、肩の柔軟性低下が挙げられる)

レイトコッキング期

一連の投球動作のうち、MERは投球側の手がレイトコッキング期に生じます。

 

MERにおいては、ローテーターカフの内旋筋、ならびに内旋筋群とその結合組織に伸張性負荷が加わることにより、弾性位置エネルギーが生成されます。

 

※予備伸張(すなわち短縮性筋活動に移行する伸張は「伸張-短縮サイクル」として知られ、上腕骨の力強い内旋を引き起こす)として知られ、上腕骨の力強い内旋を引き起こします。

 

MERからの投球腕の加速は、肩関節の内旋モーメントによって生み出され、それは大胸筋、広背筋、肩甲下筋、および大円筋による筋の協調的な相互作用により生み出されます。

 

力の立ち上がり速度(RFD)は、最大限の伸張-短縮サイクルを発揮することで上昇しますが、これは、組織弾性の向上と伸張反射(筋の固有受容応答)が組み合わさって、投球腕の加速度を最大限に高めるためにおこります。

 

※球速の遅い投手と比較すると、球速の速い投手は、予備伸張を強めるMERの可動域が広いことが明らかになっています。

 

肘内側に隠れた危険

肘内側における隠れた危険は、伸張-短縮サイクルにおいて、肩の外旋トルクと内旋トルク間の最適化が不十分な場合に生じます。

 

上腕骨軸における「半捻転」作用は、加速時における上腕骨近位端方向への内旋と、それと同時に生じる上腕骨遠位端の外旋との間に、重要な関係が存在することを示しています。

 

上腕骨軸の半捻転は、肘の外反負荷を著しく増大させます。

 

具体的には、前腕と手の外旋が肩の内旋と非同期的に組み合わさることにより、関節中心と回旋軸が内前方へ移動し、前腕と手のセグメントの外旋速度が増加します。

 

外旋速度が増加すると、前腕/セグメントの慣性(加速度や速度の変化への抵抗)が強まり、そのため、より大きな内反(外反への抵抗)トルクが発揮されなければなりません。

 

外反ストレスの負荷が増大し、内反トルクをもたらす機構(軟部組織からなる制御機構)の制御能力が低下することにより、肘関節内側の引張損傷および外側の圧迫損傷発生リスクは高まります。

 

半捻転による障害メカニズム

上腕骨の半捻転による障害メカニズムは、肩の内旋動作(伸張および短縮)を生み出す解剖学的構造と、肘の内反トルクを生み出す筋群の両方において、引張力を維持することの重要性を示しています。

 

疲労や微細損傷により、内反と肩の内旋トルクが低下すると、UCLにおける引張負荷が増大し、同様に、外反ストレスの最適な制御ができなくなると、腕撓関節における圧縮力の増大も生じます。

 

投球の繰り返しによるストレスの管理と、併せて投球に特異的なレジスタンストレーニングを行うことで、神経筋系の疲労を緩和し、組織修復への障害を低減することができます。

 

効果的な動的、静的安定化により、肘関節内側を開く外反トルクに抵抗することが、究極的には、屈曲回内筋群、UCLの急性および慢性断裂、および軟骨と軟骨下骨の変性の程度と頻度を低減することにつながります。

 

野球のジュニア選手の投球動作(投球動作を高いレベルへ導く要因として、体幹や下肢の強さが求められるが、下肢の筋量は遅れて増加する傾向がある)

引用・索引 National Strength and Conditioning Assciation Japan March 2014Volume Number 2 41-43


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