MENU TEL

ホーム > Blog > 投球障害治療 > 野球肘:カーブと肘の受傷リスク(運動力学的にカーブが肘に加えるストレスは、直球を上回るものではない)

ブログ記事

野球肘:カーブと肘の受傷リスク(運動力学的にカーブが肘に加えるストレスは、直球を上回るものではない)

2015.01.12 | Category: 投球障害治療

投手のカーブと野球肘の受傷リスク

カーブ

カーブと肘の受傷リスクとは

1試合のカーブの投球数は若年投手における肘の障害発生メカニズムとして長年調査されています。

 

しかし、最近の研究で、カーブが肘に加えるストレスは、直球を上回るものではないとされています。

 

疫学調査にて、カーブの投球頻度とカーブの投球開始年齢の間に有意差は認められないとの結果も出ています。

 

整形外科的研究においては、健常な投手と既往歴のある投手を対象に、試合と練習におけるカーブの投球に関する三次元的バイオメカニクスにおける定量比較では、内側にかかる力のピーク値には20Nの差があり(速球は290N、カーブは270N)、肘伸展速度は平均2,400°/秒で差がないとの結果が出ています。

 

速球とカーブの肘にかかる平均圧縮力は、速球が790N、カーブが730Nと、ほとんど差がみられません。

 肘と球種によるトルクの関係

カーブは速球に比べて、肘内反トルク、肩内旋トルク、肘屈曲トルク、および圧縮力が小さいとされています。

 

さらに、減速の運動学的要素に関してこれまでに言及した変数はいずれも、若年者の投球腕の負荷を低減する上で望ましい投法は「カーブ」であることが示されました。

 

 カーブと肘の負担

カーブは、若年投手の外反ストレス、肩外旋トルク、肘の伸展速度、および肘の伸延を低減します。

 

その他の球種との比較において、頻繁にカーブを投げるほうが受傷リスクが高くなる可能性を示唆しているものは、両者のMER(最大外旋位)の比較と、MERにおける前腕の回外角度の比較になります。

 

速球における平均MERはプロネイティッドグリップで170~180°、カーブにおけるMERはスピネイティッドグリップで172~180°になります。

 

MERの角度が大きく、前腕が回外しているカーブにおいては、外反ストレスによる過負荷が増強する可能性があります。

 

スピネイティッドグリップは、肘内側の外反負荷(内反の寄与不足)に抵抗する円回内筋の力特性を低減する可能性があります。

 

投手コーチはMERの時点ではプロネイティッドグリップを維持し、加速からBR(ボールリリース)の尺屈までは前腕を中間位にするように指導したいと考えます。

 

MERにおけるプロネイティッドグリップは、肘内側に最も高い外反ストレスがかかることで知られる典型的な腕のポジションにおいて、内反負荷を高める可能性があります。

引用・索引National Strength and Conditioning Assciation Japan March 2014Volume Number 2 40-41



ページトップ