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野球治療:疲労の管理(プロの先発投手の登板スケジュールは、投手の神経系、筋系、免疫系、および代謝状態に加えられる生理学的ストレスからの回復を図るために、5日間の競技休息をとる事を前提に組まれている)

2015.01.13 | Category: 投球障害治療

疲労と回復

野球疲労

疲労の管理

S&Cおよび投球プログラムの作成において、疲労の管理が非常に重要になります。

 

投球練習の前に投手を疲労させると、身体と四肢の加速と減速能力における機械的効率に影響を及ぼします。

 

プロ野球では先発投手が4人~5人へ変化したことから、疲労管理が重要となっています。

 

野球におけるチームの期分けトレーニングプログラム(競技シーズンと期分け)

プロ野球投手の登板スケジュール

プロの先発投手の登板スケジュールは、投手の神経系、筋系、免疫系、および代謝状態に加えられる生理学的ストレスからの回復を図るために、5日間の競技休息を摂る事を前提に組まれています。

 

化学的な裏付けはありませんが、投球練習とトレーニングセッションを同じ24時間内の別々の時間に行う場合(プロ野球やサマーリーグ野球でこのようなことが起こる)、トレーニングと投球練習との間に最低6時間の休息を設けて、短期的なエネルギー回復(クレアチンリン酸の補充と乳酸除去)を図ることが推奨されています。

 

夜の試合のために、投手は午前中と午後早い時間にトレーニングを行う必要があります。

 

実戦の前にトレーニングを行うと、試合前の疲労を引き起こしかねなく、そのため、トレーニングステータス、漸進の程度、トレーニングの波状、選手の回復力を理解することが、投球パフォーマンスの強化につながります。

 

大学野球選手のトレーニング(複合ピリオダイゼーションを利用し筋サイズ、筋力、パワーを向上させる)

 

若年投手の調査データ

若年投手の仕事量と生理学的状態を対象とした調査データは、それらが肩と肘の受傷リスクに関連していることを示しています。

 

疫学的証拠もこの見解を裏付けており、1シーズンにおける1試合の平均投球数が80球を超える若年投手は、手術を受ける確率が約4倍になることが明らかになっています。

 

投球を1年に8ヶ月以上行うと回答した投手では、外科的介入を必要とする確率が約5倍にのぼります。

 

自身の身体状態について、投球時に「ときおり疲労している」と評した投手では、手術を経験する確率が4倍にのぼり、また、常に疲労した状態で投球している投手では、侵襲的手術の必要な障害の発生リスクが36倍にのぼりました。

 

投球量による分類では、シーズンあたりの投球数が300球以下(投球腕のトレーニング不足)の投手と、600球以上(投球腕のオーバートレーニング)の投手は、いずれも上肢に重い障害を発症する確率が高くなりました。

 

安定化機構

筋肉は、複数の関節角度に対して高い引張力およびトルクを発生させる動的安定化機構になります。

 

さらに、筋肉は高い速度、セグメントの回旋、および平行移動に反応します。

 

動的安定化機構は、応力反応性が低く、引張力も小さい組織からなる静的安定化機構を補助します。

 

※静的安定化機構を構成する組織は、主に結合組織(靭帯、関節包、骨、および軟骨)。

 

静的安定化機構は、投球において生じる高速負荷の処理能力が低いため、肩と肘の筋群があらかじめ疲労していると静的安定化機構の受傷リスクは増大します。

 

基本的には、動的筋疲労、すなわち微細損傷は、関節伸延、関節モーメント、および関節力に抵抗し、これらを制御する能力を低下させます。

 

例えば、肘の内反モーメントを発生させる筋群が疲労していると場合、関節構造の完全性を維持するためには、主要な静的安定化機構であるUCL(尺側側副靭帯)がより大きな内反トルクを生み出さなければなりません。

 

投球腕の主要な動的安定化機構を構成する筋および、筋群は、ローテーターカフ、手関節屈筋群、円回内筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、肩甲骨安定筋群、三角筋、胸筋、広背筋、手関節伸筋、および肘筋になります。

 

 肘と外反トルク

成人の投球動作における研究では、UCLは肘関節を90°屈曲させたときに前腕にかかる外反トルクの約54%に耐えられることが示されています。

 

また、外反トルクの運動力学的評価において平均外反モーメントは55~70Nmと報告されています。

 

投球中の外反モーメントの運動力学評価がUCLのみで制御可能なレベルの2倍以上に達することから、この外反トルクの数値は、筋による効率的補助の重要性を立証するものになります。

 

既存のバイオメカニクス的研究から、屈曲回内筋群の筋力を年間を通じて維持し、内反トルクを加えることによる肘内側の圧縮力を高めることが重要であると考えられます。

 

繰り返される外反ストレスと、肘内側の動的安定化機構における非効率性はUCLの関与を増大させます。

 

オーバーユースは慢性的な内側上顆障害とリモデリング能力の低下を引き起こし、それらはいずれもUCLを引張破損に対して極めて減弱にします。

 

野球のスイング中のパワーは体幹の筋群の大きな筋活動を維持するため、股関節から発揮する下肢のエクササイズを強調させる必要がある

 

野球選手におけるオフシーズンからプレシーズンへのトレーニング(筋力と爆発力をともに訓練するエクササイズを組込まなければならない)

 

トレーニング内容と食事(オフシーズンとインシーズンでのタンパク質、炭水化物の摂取量の違い)

 

オフシーズンは回復かそれとも準備か?(プレシーズンへ向け、筋サイズや筋力の低下、筋の動員パターンにおける神経系の低下を防ぐトレーニングが重要になる)

引用・索引 National Strength and Conditioning Assciation Japan May 2013Volume 20Number 4 59-60

 


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