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高強度運動時のアシドーシスの原因(筋内乳酸の蓄積は、ミトコンドリアが適切な割合でATPを供給できなくなるタイミング)

2015.04.16 | Category: トレーナー

筋肉が焼けるような感覚は乳酸の蓄積なのか?

アシドーシスと乳酸

高強度トレーニング時の疲労とアシドーシス

運動中の血中乳酸の蓄積は、水素イオンの発生を伴う代謝副産物とみなされてきました。

 

しかし、速い解糖系によって生み出される乳酸の一部は、タイプⅠ筋線維内で酸化されます。

 

したがって、乳酸産生に関しては、水素イオンは蓄積される以上に除去されており、筋のphを低下させるよりも上昇させるという見方が現在は一般的になっています。

 

言い換えると、高強度運動時の疲労に伴うアシドーシス、すなわち「筋肉が焼けるような感覚」は乳酸の生成とは無関係になります。

ATPの加水分解

高強度運動中にphを低下させる可能性が高いメカニズムとして、ATPの加水分解が考えられています。

 

反応式は以下のとおりになります。

 

H2O+ATP→H++ADP+Pi+E

 

水(H2O)を加えることによってATPが分解され、水素イオンの蓄積に伴ってphが低下します。

 

反応式中のADPはアデノシン二リン酸、Piは無機リン酸塩、Eはエネルギーを表します。

 

乳酸は有酸素性機構のための糖の中間体

乳酸は代謝産物というよりも、速い解糖系(2ATPを産生)によって生み出された、有酸素性機構のための糖の中間体とみなすほうが適切になります。

 

これがモノカルボン酸輸送担体(MCT)によってミトコンドリアに入り、クレブス回路(36ATPを産生)で酸化されます。

 

実際、持久系アスリートはMCT受容体と酸化酵素を多く有しているために、VO2maxに対する比率(%VO2max)が高まっても乳酸を産生することができます。

 

したがって、乳酸性作業閾値を、筋に供給される酸素量が多いか少ないかに基づいて予測することはできませんが、筋内乳酸の蓄積は、ミトコンドリアが適切な割合でATPを供給できなくなるタイミングに基づいて予測され、運動開始後2~3分以内にVO2が定常値に達するとされています。

 

酸素摂取緩成分

運動強度が乳酸性作業閾値や換気性作業閾値を超える場合、VO2は酸素摂取緩成分(Slow Components of VO2)と呼ばれる継続的増加を示します。

 

VO2緩成分は運動開始後1.5~3分で発現し、主にタイプⅡ筋線維の動員に伴う追加の酸素コストを表しています。

 

高強度パワー運動はVO2緩成分の劇的な増加(追加酸素量1㍑など)を引き起こし、生体エネルギー機構のモデルでは「無酸素性」とみなされている部分の運動に、遅い解糖が予想された以上に貢献していることが示されています。

 

激しい運動ではVO2緩成分が増加することを考慮すると、例えば、800mの全力疾走(約2分間)に要する総エネルギーの約60~70%を有酸素性代謝が担っている可能性があります。

 

筋肉内の酸性化は疲労にどれだけ影響するか?(筋肉内のph{乳酸、水素分子}と筋張力低下の関係)

 

スピード&パワー系アスリートアップヒルトレーニング(酸素摂取量と乳酸濃度が上昇、さらに身体を推進させる股関節と脚部の筋組織の活性化が向上する)

引用・索引 NSCA JAPAN Volume20 Number3 page56


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