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若年野球選手における野球肘危険因子(オーバーユースと二次的骨化中心を考える)

2015.03.18 | Category: 投球障害治療

野球肘の危険因子と予防

若年選手と野球肘

若年選手における肘痛の発症率は、20~40%にのぼると報告されています。

 

一般に若年の肘痛はリトルリーグ肘(Little League Elbow:LLE)と称されます。

 

野球肘とピッチングメカニクス(若年野球投手の肘内側に加わる力は最大64.6Nに達し、肘外反ピークトルクは肩関節が最大外旋する直前に最大になる)

 

野球肘と基礎運動技能(ファンクショナルムーブメントスクリーンを理解することが投球障害予防につながる)

 

LLE

LLEは広範な臨床症状に用いられる総称で、特に上腕骨内側上顆(肘の内側)の障害や上腕骨小頭部の離断性骨軟骨炎(骨やその上を覆う軟骨が剥がれる症状)を指すことが多くなります。

 

この疾患にみられる特徴としてピッチング動作のコッキング期、アクセレーション期において肘に外反ストレスがかかることで生じる肘内側痛になります。

 

外反ストレスがかかると通常、肘内側に牽引力、肘後方に剪断力、そして肘外側に圧縮力が加わります。

 

屈筋を収縮させると痛みが生じ、肘の可動域が制限される場合もあります。

 

LLEの重症度は様々で、休息とリハビリテーションによって改善する場合もある一方、外科的介入を必要とするアスリートもいることを複数の研究が示しています。

 

野球肘とフィジカルコンディション(投球側肩甲上腕関節の内旋角制限(非投球側より25°)がある場合、肩肘疾患の危険因子となる)

LLEの危険因子

Brogdon&CrowらはLLEを引き起こす多くの危険因子を調査してきました。

 

そのうちのいくつかは、LLE発症の主要な危険因子は「オーバーユース」であると特定しています。

 

オーバーユース障害

十分な回復時間をとらずに高い生理学的ストレスを受け続けることで生じると思われる慢性障害を指して用いられます。

 

オーバーユースは通常、次の4つのステージに分けられます。

  1. 身体活動を行った後に、患部に痛みが生じる
  2. 活動中に痛みが生じるがパフォーマンスは制限されない
  3. 活動中に痛みが生じてパフォーマンスが制限される
  4. 休息時にも絶えず慢性的な痛みが生じる

若年投手と成長軟骨

若年の野球選手は成長軟骨を有するために、肘にオーバーユース障害を発症するリスクが高くなります。

 

若年選手の肘でオーバーユースを起こしやすい主要な部位は、上腕骨内側上顆および、上腕骨小頭と橈骨の接合部の関節面になります。

 

オーバーユースを引き起こす危険因子にはそのほか、ピッチングメカニクス、投球量、球種、およびフィジカルコンディションが挙げられます。

肘解剖

危険因子:発達と発育

オーバーユース障害の発症リスクは、筋骨格解剖学的な特性上、若年アスリートにおいてより深刻になります。

 

これは、おもに「成長軟骨」の存在によるもので、成長軟骨は成人の関節軟骨に比べてストレス耐が低くなります。

 

発育発達の途上において成長軟骨は骨端板、関節面の関節軟骨、および骨突起の3箇所にみられます。

 

骨端版は、骨幹端と骨端の間にある軟骨の円板で、すべての長骨には骨端が存在し、骨端は圧迫と牽引の2種類に分けれらます。

 

圧迫骨端

圧迫骨端は長骨の端部に存在し、隣接する関節から伝わる圧迫力を受けます。

 

牽引骨端

牽引骨端は骨突起とも呼ばれ、関節の一部ではなく、関節の形成や長軸方向への成長には寄与せず、主要な筋腱複合体の起始部または停止部として機能し、牽引力を受けます。

 

二次骨化中心

誕生から成人するまでの成熟過程において、上腕骨遠位部の骨端には4つの二次骨化中心が生じます。

 

そのうちの2つは骨端(小頭と滑車)のままですが、もう2つは骨突起(内側上顆と外側上顆)になります。

 

またそれらのうち3つ(小頭、滑車、外側上顆)はやがて1つの骨端を形成し、上腕骨遠位部の骨幹端と融合します。

 

内側上顆は、成長に伴ってこの複合体から徐々に分離し、独立した骨突起となります。

 

二次骨化中心はそのほか、橈骨頭と尺骨の肘頭にも存在し、これら肘の骨化中心は記憶しやすいようにまとめてCRMTOL(小頭CapitellumのC、橈骨RadiusのR、内側上顆MedialepicondyeのM、滑車TrochleaのT、肘頭OlecranonのO、外側上顆Lateral epicondyleのL)と呼ばれます。

 骨化中心癒合年齢(歳)
C小頭14.5
R橈骨16
M内側上顆17
T滑車13
O肘頭16
L外側上顆15

引用・索引 NSCA JAPAN Volume19 Number3 12-13


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