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野球肘とピッチングメカニクス(若年野球投手の肘内側に加わる力は最大64.6Nに達し、肘外反ピークトルクは肩関節が最大外旋する直前に最大になる)

2015.04.09 | Category: 投球障害治療

ピッチングメカニクス

ピッチングメカニクス

野球肘(リトルリーグ肘:LLE)とピッチングメカニクスの関係

LLEの主因の一つは、ピッチング/スローイングのメカニクスになります。

 

若年野球選手にピッチング/スローイングメカニクスを指導、理解することは多くの研究が支持しています。

 

野球肘と基礎運動技能(ファンクショナルムーブメントスクリーンを理解することが投球障害予防につながる)

野球ピッチング動作のメカニクスの種類

野球のピッチング動作のメカニクスは、分析と理解のための便宜上6つの期に分けられます。

 

この6つの期とは「ワインドアップ期」「ストライド期」「コッキング期」「アクセレーション(加速)期」「アクセレーション(減速)期」「フォロースルー期」になります。

 

野球治療における野球競技の大きな特徴

 

ワインドアップ期

動作開始から手がグラブを離れるまでを指します。

 

野球のピッチング動作で最も長い期にあたり、この間に軸足でバランスをとりながら踏み出し足を挙上させなければなりません。

 

ストライド期

手がグラブを離れて踏み出し足が地面に接するまでを指します。

 

ストライド期には引き続き軸足でバランスを維持しながら股関節と上半身を前方へ回旋させ、腕を投球位置まで挙上します。

 

コッキング期

踏み出し足が接地してから肩関節が最大外旋するまでを指します。

 

この期には、肘内側に大きな牽引力と肘外側に圧縮力が加わります。

 

若年野球投手の肘内側に加わる力は最大64.6Nに達し、肘外反ピークトルクは肩関節が最大外旋する直前に生じます。

 

アクセレーション(加速)期

加速期は、肩関節が最大外旋してからボールが手を離れるまでを指します。

 

肘の伸展速度はピーク時で約3346°/秒に達し、肩の内旋速度は9000°/秒を超えます。

 

肘関節の屈筋/回内筋群はこの期に内反トルクを発生させ、肘外反トルクに抵抗します。

 

アクセレーション(減速)期

減速期は、ボールが手を離れてから肩関節が最大内旋可動域(ROM)に達するまでを指します。

 

若年者のピッチング動作において最も短い期になります。

 

肘にかかる圧縮力は若年者の野球のピッチング動作においてこの期にピークに達し、その大部分は肘外側に集中します。

 

フォロースルー期

野球のピッチング動作の最後の期にあたり、投手がバランスのとれた守備姿勢を取るまでを指します。

 

若年野球選手において重要なワインドアップ期とストライド期

ピッチングの6つの期のうち、若年者の野球において最も重要なのはワインドアップ期とストライド期であるとされています。

 

ピッチング動作の早い段階における身体の動きと姿勢は、その後のピッチングメカニクスに影響を及ぼすためです。

 

野球肘と投球量(9~12歳の選手では1試合の投球数が75球を超えると肘痛の有病率が35%上昇する)

 

若年投手のピッチングメカニクスの重要な特徴

Davisらは、ピッチングのワインドアップ期とストライド期における5つの重要な特徴を明らかにしています。

 

重要な特徴とは、動作目的、動作の効率または経済性、および障害予防を達成する上で最も大きな役割を果たす特徴のことになります。

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股関節を先行させる

第一の重要な特徴に挙がっているのは、股関節を先行させることになります。

 

股関節(右投げ投手の場合は左股関節の外側)を常に目標の方向へ向けるようにすると、ピッチングのワインドアップ期における骨盤と体幹の移動、および体重移動が促進されます。

 

体幹と骨盤の移動は、ピッチングの加速期における腕のスピードに大きな影響を及ぼします。

 

手をボールの真上におく

第二の重要な特徴は、ストライド期にボールをグラブから出すときに手をボールの真上に置くことになります。

 

手をボールの真上に置くことで前腕の回内と肩関節の内旋が促進されます。

 

前腕と肩関節が早い段階でこの位置にあると、その後のピッチング動作において肩関節の適切な外転と外旋が促進されます。

 

腕を投球位置まで挙上する

第三に重要な特徴は、腕を投球位置まで挙上することになり。

 

体幹を大きく回旋させる前に、肘が肩と同じか少し上の高さに置かれます。

 

腕を適切に挙上することで、ピッチングのコッキング期と加速期に上肢にかかるストレスが軽減されます。

 

ストライド期の終わりの地面に置く足の位置

第四の重要な特徴は、ストライド期の終わりに地面に置く足の向きになります。

 

右投げ投手の場合、足は目標に対して真っ直ぐ、またはやや右向きになるように接地しなければなりません。

 

それによって身体が適切な位置に置かれ、加速期における股関節と体幹の回旋を最適化することが可能になります。

 

前方を閉じる

第五の重要な特徴は、前肩を閉じることになります。

 

前肩が閉じた位置にあると、ストライド期に両肩と両腕が目標に対して一直線に並んだ状態が維持されます。

 

これにより「身体が開く」と表現されるエラーを防ぐことができます。

 

野球肘の危険因子:オーバーユース(骨格的に未成熟なアスリートは、成長軟骨を有するためにオーバーユースを起こしやすくなる)

 

身体が開くとは

加速期に投手の体幹がホームプレートのほうを向いていることを指します。

 

若年投手が上記5つ重要な特徴を適切に実行することは、投球腕にかかるストレスの軽減とピッチング効率の改善をもたらし、ひいては、LLEの発症リスクが低下する可能性があります。

 

野球肘と球種(変化球は速球に比べてより大きな前腕の回外と手首の動きを必要とする)

 

野球肘とファンクショナルムーブメントスクリーン:FMS(肘に影響を与える可能性として、近位から遠位へのコーディネーションの低下、股関節のROM制限/筋力低下、体幹の筋力低下、肩の柔軟性低下が挙げられる)

 

野球肘とピッチングメカニクスの評価(ピッチングの加速期において肘が肩の高さに届かない不適切な位置の場合、肘内側にかかる外反ストレスは増大する)

引用・索引 NSCA JAPAN Volume19 Number3 pages-15-16


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