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野球肘:上腕骨内側上顆炎のリハビリテーション(回外と回内、およびニュートラルな肢位での肘関節屈筋群の十分な強化を含めなければならない)

2015.06.17 | Category: 投球障害治療

上腕骨内側上顆炎のリハビリテーション

上腕骨内側上顆炎のリハビリテーション

内側上顆炎とスポーツ競技

内側上顆炎はアスリートによくみられ、「野球肘」「ゴルフ肘」また成長期が関与していると「リトルリーグエルボー」と言い換えられます。

 

上顆炎に関しては、テニスのバックハンドストロークのように、前腕伸筋群のオーバーユースにより起こる外側上顆炎(Lateral Epicondylitis)がより多くみられることから、「テニス肘」の用語が生まれました。

 

内側上顆炎は、外側上顆炎ほど発症頻度は高くはありませんが、全体の10~20%の割合で報告されています。

 

野球肘とファンクショナルムーブメントスクリーン:FMS(肘に影響を与える可能性として、近位から遠位へのコーディネーションの低下、股関節のROM制限/筋力低下、体幹の筋力低下、肩の柔軟性低下が挙げられる)

病態とメカニクス

肘関節の内側は、投球後半のコッキングや初期加速動作、テニス/ラケットボールのサーブやフォアハンドストロークなどの外反力(前腕が正中線から外側へ曲げられた際に肘関節にかかるストレス)によって負傷しやすくなります。

 

これらの競技動作は大きな角速度と伸張負荷を生じさせ、肘関節の内側構造に張力が働きます

 

発揮された張力は関節腔を広げ、最終的には結合組織(骨格、靭帯、腱と筋)の構造的な変化、神経損傷、内側の関節における弛緩性の増大、さらに内側の関節の疼痛をもたらします。

 

野球肘とフィジカルコンディション(投球側肩甲上腕関節の内旋角制限(非投球側より25°)がある場合、肩肘疾患の危険因子となる)

 

上腕筋と円回内筋

肘関節の屈曲/回内に関わる筋群には、円回内筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、長指屈筋、長掌筋などがあり、これらの筋群は内側上顆に起始し、スポーツにおける手関節の屈曲、反復活動やオーバーユースなどにより、この部分の炎症が起こります。

 

さらに、上腕筋と円回内筋は、肘関節の主要な安定筋であり、これらの筋組織の脆弱性、疲労が傷害につながる可能性もあります。

 

野球肘の危険因子:オーバーユース(骨格的に未成熟なアスリートは、成長軟骨を有するためにオーバーユースを起こしやすくなる)

 

診断

内側上顆炎の特徴は、内側上顆および内側上顆から約1cm遠位前部にある、屈筋/円回内筋の腱に由来する疼痛と圧痛になります。

 

肘関節を伸展した状態で、手関節と手指も併せて伸展した場合、負荷をかけた手関節を屈曲および回内させた場合、また肘関節を25~30°屈曲させている間に外反ストレスをかけた場合に疼痛が増し、重症になると、腫脹と出血班がみられる場合もあります。

 

疼痛だけの場合は、上肢の神経血管構造は正常であり、当初は、活動時の関節可動域に変化はあらわれない可能性もありますが、時間が経つと、屈曲拘縮が起こり、肘関節の運動が制限されます

 

野球肘と基礎運動技能(ファンクショナルムーブメントスクリーンを理解することが投球障害予防につながる)

 

投動作をするアスリートは、長期にわたる反復運動により、肘関節の屈曲拘縮が起こり、そのため約5°の伸展不足をもたらすことも知られており、この症状はプロ野球の投手のほぼ50%に認められます。

 

内側上顆痛のあるアスリートを指導する場合には、内側側副靭帯の不安定性や円回内筋症候群および内側神経エントラップメントなど、ほかの症状も考慮することも重要になります。

 

さらに、内側上顆炎の予防およびリハビリテーションプログラムを適切に作成するためには、回外と回内、およびニュートラルな肢位での肘関節屈筋群の十分な強化を含めなければなりません。

 

野球肘とピッチングメカニクスの評価(ピッチングの加速期において肘が肩の高さに届かない不適切な位置の場合、肘内側にかかる外反ストレスは増大する)

 

上腕骨内側上顆炎:野球肘のリハビリテーション(伸張性エクササイズを導入することで、インスリン様成長因子を増加させ、細胞増殖と基質の再造形を促進するメカノトランスダクション(機械的な負荷を細胞の反応に転換するプロセス)の効果がある)

引用・索引 Strength & Conditioning Journal Volumes33 Number2 pages84-91


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