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ブログ記事

伸張性エクササイズと至適筋長の変化(ハムストリングの傷害は片側性の多関節運動中に発生する為、膝関節の伸張性の伸展だけではなく、股関節の伸張性の屈曲も含むエクササイズを考案する必要がある)

2015.06.13 | Category: アスレティックリハビリテーション

伸張性エクササイズと至適筋長の変化

ノルディックハムストリング

 

筋肉とピーク張力

すべての筋肉にはピーク張力を発揮するための至適筋長があり、至適筋長を超えて伸張され続けると、筋の張力レベルは低下します。

 

長さ-張力曲線の下降部分は、筋挫傷(肉離れ)が発生する脆弱な領域であると考えられ、また一般的に、通常よりも短い筋長でピーク張力を発揮するアスリートは、肉離れを起こす可能性が高いと信じられています。

 

ハムストリング損傷の解剖生理学(損傷後は至適筋長が減少し、ピークトルクが非損傷脚よりも大きな膝関節屈曲角で発生する)

Brockettらの研究

Brockettらは、この考えを検証するために、ハムストリングに既往歴のあるアスリートの至適筋長を測定(片方の脚を実験脚(ハムストリングの既往歴あり)、もう片方の脚を対照脚(ハムストリングの既往歴なし)しました。

 

受傷脚は非受傷脚よりも12.7°小さな角度でピーク張力を発揮(つまり至適筋長が短い)、また、ハムストリングの伸張性筋力と短縮性筋力の差は、両脚間で違いはなかったことも報告されています。

 

研究者らは、ピーク張力を発揮する至適筋長は、筋力差以上に肉離れのリスク因子であると結論づけています。

 

ハムストリング損傷のリスク因子(ハムストリング挫傷はランニング中に発生し、一般に走行サイクルの遊脚末期に発生する)

 

伸張性エクササイズと至適筋長

伸張性エクササイズは、張力を発揮する至適筋長を一貫して増加させることを示す唯一のトレーニング様式になります。

 

肘関節屈筋、足関節屈筋、膝関節屈筋、膝関節伸筋で至適筋長の変化が発生することが示されており、変化の大きさは3つの変数(伸張性エクササイズの負荷、伸張性エクササイズの量、伸張性活動中の筋長)に依存します。

 

伸張性エクササイズ後の至適筋長の変化は3.9°~18°にわたります。

 

ハムストリング損傷と神経筋トレーニングの重要性(固有受容器および腰椎-骨盤の神経筋制御強化が障害を予防・減少させる)

 

ハムストリング損傷発生率を低下させる伸張性エクササイズ

近年、至適筋長を変化させ、ハムストリングの傷害発生率を低下させる目的での伸張性エクササイズの実施に関心が集まっています。

 

至適筋長を伸ばすためのガイドラインとして、

  1. 伸張性活動は長い筋長で行われるべき
  2. 筋収縮は中~高負荷で行われるべき

長い筋長と高負荷または高量の組み合わせは一時的に最大の筋長の変化をもたらし、筋長の変化は4週間にわたって維持することが可能になります。

 

長期的にハムストリング傷害発生率を低下させるにはノルディックハムストリングが最適であるとされています。

 

しかし、ノルディックハムストリングは両側性の単関節運動であり(ハムストリングの傷害は片側性の多関節運動中に発生する)、エクササイズの立案は、より機能的なアプローチを必要としており、膝関節の伸張性の伸展だけではなく、股関節の伸張性の屈曲も含むようなエクササイズをする必要があります。

 

ハムストリング損傷のリハビリテーション(股関節伸展と対側のハムストリング伸張との間に両側性の連結が確認されている為、腰椎-骨盤域における筋の神経筋制御を狙うエクササイズが再発予防に有効)

 

アップヒルトレーニングをすることでハムストリング損傷率を低下させる(アップヒルランニングでは、大腿四頭筋の高い活性化が引き起こり相反抑制によりハムストリングが弛緩する)

 

伸張-短縮サイクル:SSC(伸張反射による短縮性筋活動が生む収縮力が増強され、この反射は運動神経の興奮レベルと動作の振幅の小ささに影響する)

 

スピード&パワー系アスリートアップヒルトレーニング(酸素摂取量と乳酸濃度が上昇、さらに身体を推進させる股関節と脚部の筋組織の活性化が向上する)

 

運動誘発性筋痙攣とは(疲労の結果、神経の興奮により閾値周波数に到達、活動中の筋からのフィードバックメカニズムに異常が生じる)

 

運動誘発性筋痙攣の骨格筋の弛緩に関する生理学(ゴルジ腱器官(GTO)からの求心性フィードバックに機能的な異常が生じると、運動ニューロンの活性化が増大する)

引用・索引 Brockett E Morgan D.Proske U.Predicting hamstring strain injury in elite athletes Med Sci Sports Exerc 36:379-387.2004


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