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スポーツ貧血と鉄欠乏性貧血

2013.05.21 | Category: トレーナー

貧血

スポーツ貧血

 

スポーツ選手が長期間トレーニングを行っていく際に、貧血に陥ることはまれな事ではありません。

 

平成11年度日本オリンピック委員会(JOC)強化指定選手検診の結果によると、血清鉄低値and/or貧血の頻度は男性選手11.9%(貧血4.7%)、女性選手17.8%(貧血5.4%)でした。

 

また、平成11年度国体選手のメディカルチェックの血液検査結果からは、貧血選手の割合を区分別にみると、男性選手(15.6~28.6%)、女性選手(0~35.2%)でした。
特に夏季には合宿が実施される事が多く、トレーニング量が過剰になることが多いです。

 

さらにトレーニング量に見合った栄養摂取がなく、過剰発汗による鉄などミネラル排出量の増大から、夏季に貧血に陥ることが多いです。

スポーツ選手と貧血

ヘモグロビン値の低下は酸素運搬機能の低下につながり、心肺持久性の低下を起こすことになります。

 

それゆえ貧血は、スポーツ選手では日常生活ばかりでなく競技能力に影響を及ぼします。

 

スポーツ選手の貧血の原因

一般の人と同じようにスポーツ選手の貧血も原因の多くは鉄欠乏になります。

 

鉄欠乏の原因として最も多く考えられているのは、食事からの鉄の摂取低下です。

 

選手はトレーニング中に大量発汗することが多く、鉄は汗中にも排出されるので、大量発汗も鉄需要を増大させる原因と考えられます。

 

また、スポーツを実施する多くの選手は発育・成長期の若年者が多く、骨格筋の形成の為にも多くの鉄分を必要とします。

 

それゆえに一般人では十分な鉄摂取量であっても、スポーツ選手では不十分な鉄摂取であることが多いと推測される。

 

スポーツ選手に特有な貧血として、溶血性貧血があります。

 

この貧血は、特に運動中に足底部を頻回にうちつけるような長距離走、バレーボール、バスケットボール、剣道などの選手に多く見られ、足底部へ反復する衝撃が加わると、足底部に存在している血管内の血液中の正常赤血球が破壊されます。

 

赤血球が破壊されると、ヘモグロビンが放出され、このヘモグロビンは血中に存在しているハプトグロビンと結合し、肝臓に運ばれ代謝されます。

 

また、放出されたヘモグロビンは尿中に排出されます(ヘモグロビン尿)。

 

このような状態で、骨髄の造血が亢進されなければ、貧血に陥り、オーバートレーニングに陥った選手では慢性障害として骨髄造血機能障害が存在している可能性もあります。

鉄欠乏性貧血

 

鉄欠乏性貧血の治療及び予防で重要なことは、選手にとって必要かつ十分な食事摂取を行うことです。

 

食事摂取内相で特に鉄、タンパク質及びビタミンCが重要です。

 

貧血の予防と治療のために必要な1日栄養所要量(鉄、タンパク質、ビタミンC)は一般人の約2倍の量に相当します。

 

タンパク質・・・2g/体重1kg以上

鉄分・・・25~30mg

ビタミンC・・・250mg:トレーニング開始5~7日及び競技前
200mg:試合後3~4日間
150mg:飽和状態に達した後のトレーニング期間

 

鉄の体内への吸収率は、肉、魚など動物性食品に多く含まれるヘム鉄で高く、野菜・乳卵製品に多く含まれる非ヘム鉄で低いと考えられています。

 

非ヘム鉄はビタミンCやMFP因子(肉・魚など)により吸収が高まります。

 

その為に、鉄欠乏性貧血の治療及び予防には、動物性食品、緑黄色野菜、柑橘類などの果物を十分に摂取することが必要になります。

 

スポーツ選手の溶血性貧血を治療および治療していく為にも、食事摂取内容は非常に重要で、女性選手の場合、ヘモグロビン値が正常であっても、潜在性鉄欠乏性貧血状態にあることがあります。

 

引用・索引アスレティックトレーナー教本


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