MENU TEL

ホーム > Blog > トレーナー > 糖尿病を有するアスリートに対する栄養指針(有酸素性トレーニングに先立ちレジスタンストレーニングを実施することで、運動による血糖低下を抑制、運動誘発性の低血糖症状はほとんど引き起こされない)

ブログ記事

糖尿病を有するアスリートに対する栄養指針(有酸素性トレーニングに先立ちレジスタンストレーニングを実施することで、運動による血糖低下を抑制、運動誘発性の低血糖症状はほとんど引き起こされない)

2015.06.29 | Category: トレーナー

糖尿病を有するアスリートに対する栄養

糖尿病を有するアスリート

糖尿病とアスリート

1型糖尿病を有するアスリートに対する栄養指導は指導者とアスリート双方の努力が必要となります。

 

運動に関連した低血糖および高血糖の諸症状は、運動直後もしくは、運動後15時間が経過してからも生じる可能性があります。

 

1型糖尿病について、運動にかかわる危険性を最小限に抑えるための最も効果的な方策を認識、理解することが指導者とアスリートは重要になります。

 

糖尿病を患っている男性肥満患者のテストステロン値が通常より低い割合は50%になる

 

睡眠と脳(睡眠不足は交感神経活動の亢進とともに血糖調整機能の低下、食欲抑制作用レプチンの分泌量が低下)

レジスタンストレーニングvs有酸素性トレーニング

低血糖になるという恐怖心から、アスリートは運動強度を上限まで上げるのを抑えてしまうかもしれませんが、最近の研究において、運動時にはどの程度、そしていつ低血糖が生じるのか、またその影響について検討されています。

 

オワタ大学の人間環境生理学研究部により、1型糖尿病患者におけるレジスタンストレーニングおよび有酸素性トレーニングによる影響について研究が行われ、この結果、レジスタンストレーニングでは血糖が緩やかな減少を示したのに対し、有酸素性トレーニングでは急激な血糖の減少が引き起こされました。

 

また、回復期においてはレジスタンストレーニング群は血糖レベルを維持したのに対し、有酸素性トレーニング群においては血糖値の上昇がみられました、。

 

同研究者らの類似研究によれば、有酸素性トレーニングに先立ってレジスタンストレーニングを実施することで、運動による血糖低下を抑制し、運動誘発性の低血糖症状はほとんど引き起こされず、また、糖質補給の必要性も少なかったと報告しています。

 

さらに研究者らは、有酸素性トレーニングに先立って高強度のレジスタンストレーニングを実施したところ、運動時の低血糖症状への影響を減じただけではなく、グルコースを補給した場合以上に運動後12時間以上にわたって血糖レベルが高くなったことにより、低血糖の重症度を軽減し、持続時間も減少させたと報告しています。

 

骨格筋低周波電気刺激法:EMSによる運動療法の可能性(電気刺激は低い運動強度で解糖系エネルギー利用の高い速筋線維の動員を可能にし、筋エネルギー消費、グリコーゲン代謝、糖代謝を活性化できる有用な手段である)

 

多量栄養素の必要性

最近の研究では、運動に必要なエネルギー量は、実施する運動強度、持続時間、種類によって決定されるべきである、とされています。

 

運動中の糖質(CHO)摂取により血糖値は維持され、アスリートのパフォーマンスが改善されています。

 

最近のレビューによると、1~3時間程度続くエクササイズにおいては、1時間あたり30~60gの糖質摂取が、30~60分におよぶ高強度エクササイズに対して有益な効果をもたらすとしています。

 

3時間以上継続する持久性運動の場合、血糖値を高いレベルで維持するためにグルコースとフルクトースを組み合わせたエネルギー源が必要とするとされています。

 

最近の研究では、運動中、もし血糖値が7mmol/lを下回った場合、15~30gの糖質を含む補食が必要と示唆しています。

 

筋グリコーゲンと肝グリコーゲン(「肝グリコーゲンが無くなる=血糖値が下がる」「筋グリコーゲンが無くなる=動けない」)

 

糖尿病と糖質ローディング

1型糖尿病を有するアスリートに対する糖質ローディングの有益性についてはより多くの研究が必要ですが、最近の研究によれば、高血糖症状を避けることが難しい点やインスリン必要量の増大を理由として、糖尿病のアスリートに対して糖質ローディングを行うべきではないとしています。

 

それよりも、このようなアスリートは筋グリコーゲン量を維持するために1日に少なくとも体重(kg)あたり7gの糖質源を摂取すべきとされています。

 

また、体内の適切な糖質処理を促すために、糖尿病を有するアスリートに対するインスリン注射のタイミングを知って置くことも重要になります。

 

これまでの推奨事項として、インスリンは運動前2時間以内には投与すべきではないとされていましたが、最近の研究においては、75%少ない即効性のインスリン投与と組み合わせることにより、有酸素性エクササイズ中に血糖値を維持することが示唆されています。

 

糖と脂肪の特徴から運動時の利用のされ方を考える(運動強度が高いほど糖質の利用が高まる)

 

運動と血糖値レベル

一般的なアスリートに対しては、脂質や繊維の少ない、糖質の多い、そして中程度の量のタンパク質が含まれる補食や食事が推奨されていますが、最近の研究では、低GI値の糖質を含む補食を運動30分前に摂取することが高血糖を予防する上で効果的であると示唆されています。

 

また、運動前に10mmol/l以上の高血糖レベルの場合、正常血糖での運動時に比べ、主要なエネルギー供給系が糖質の酸化に移行されることにつながるため、パフォーマンスへ悪影響を及ぼす可能性があるとされています。

 

総合的にみると、低血糖症状を抑えてエクササイズ中に最大のパフォーマンスを発揮するために、運動前、中、後に低または高糖質の補食を摂取しつつ、レジスタンストレーニングと有酸素性トレーニングを組み合わて実施することは、研究が有益性を支持しているといえます。

 

運動と糖質(アスリートの1日の推奨糖質摂取量は、体重1kg当たり8~10g、またエネルギーの60%以上とされる)

 

有酸素性トレーニングが動脈硬化に有効な一つの要因(血管収縮物質:エンドリセン)

 

健康の生理学的指標にサーキットトレーニングがもたらす効果(週3日50~60%1RM強度で10週間行う事でHDL値上昇、グルコース処理能力も改善する)

 

肝臓疾患による死亡が糖尿病患者に多い(糖尿病でない人に比べて、肝疾患による死亡率が70%高い)

 

レジスタンスサーキットトレーニングの身体の適応(運動中における身体の最大酸素摂取量の上昇、疲労困憊に至るまでの時間の遅延、安静時血圧の低下、筋力の向上、血中コレステロール濃度と血中ホルモン濃度の変化が起こる)

引用・索引 Chimen M Kennedy A Nirantharakumar K Pang TT.Andrews R & Narendran P What are the health benefits of physical activity in type 1 Diabetes mellitus?A literature review Diabetologia 55:542-551.2012

ページトップ