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痛覚神経終末部に発現するHCN2遺伝子(この遺伝子を除去するか、薬理学的に遮断することにより、正常な急性痛に影響を及ぼすことなく、神経因性疼痛を消失させる)

2015.07.15 | Category: ヘルスケア

慢性痛と急性痛

痛みの抑制

慢性痛に関わる遺伝子

研究により慢性痛の原因となる遺伝子を特定するに至り、これが持続性の背部痛を治療するための薬に結びつく可能性がある、と研究者らは述べています。

 

ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の研究者らが、HCN2遺伝子をマウスの痛覚神経(痛みを感じる神経)から除去したことを、サイエンス(科学誌)で報告しています。

 

しかし、HCN2遺伝子を除去すると慢性痛が止まったが、急性痛への影響はありませんでした。

 

英国では7人に約1人が、関節炎や頭痛などを含む慢性痛に罹患していると言い、今回の結果は、慢性痛を制御するHCN2遺伝子が産生するタンパク質を遮断するための新薬開発への可能性を広げるものである、と同研究者らは述べています。

 

痛覚神経終末部に発現するHCN2遺伝子は、何年も前から知られていますが、痛みを制御する役割については解明されていませんでした。

 

本研究では、同研究者らが痛覚神経からHCN2遺伝子を除去し、続いて、細胞培養でこれらの神経に電気刺激を用いて、HCN2を除去することにより、どのように変化するのかを判定するための試験を実施され、次に、マウスのHCN2遺伝子を欠失させ、この遺伝学的に改変したマウスを検討しました。

 

研究者らは、マウスが異なるタイプの疼痛性刺激を回避する速さを測定することによって、HCN2遺伝子の欠失により神経因性疼痛が消えることを結論づけました。

 

ただし、HCN2の欠失が、通常の急性痛、例えば突然自分の舌を噛んだときなどに生じる痛みには影響しないことを、同研究者らは明らかにした。

 

急性外傷受傷後の適切な処置RICE(皮膚温が10~15℃まで下がると、代謝は低下し、神経伝達が抑制されるために局所的な麻酔効果も期待でき、弾性ラップによる圧迫が皮膚温や深部温をより効果的に低下させる)

「絶え間ない痛み」

慢性痛は主に2種類に分けられ、熱傷または関節炎などの持続性の神経損傷によって神経終末部が極めて敏感になり、痛みの感覚が増す場合、これを炎症痛といいます。

 

神経の損傷により継続的な痛みが生じる場合、これを神経因性疼痛といい、研究によると、この種の慢性痛は、終生続くことが多いが、意外にも発生頻度は高く、現在の薬剤による治療では十分でないといわれています。

 

さらに、慢性痛は、糖尿病や帯状疱疹の患者や、癌化学療法の直後に多くみられ、その他にも、腰の痛みや、その他の慢性疼痛の疾患でもよくみられます。

 

痛みは自由神経終末によって受容され、その伝導にはAδおよび、C線維の2種類の感覚神経が関与する

 

本研究の主著者でケンブリッジ大学薬理学部長ピーター・マクノートン(PeterMcNaughton)教授は、今こうした患者に治療への希望がみえるとしており、「神経因性疼痛に苦しむ患者では、有効な薬がないため、痛みが中断することはほとんどないか、全くないことが多い。今回の研究は、HCN2を遮断することによって慢性痛を治療する新薬の開発に向かう基盤となる」と見解を示しています。

 

同氏は「多くの遺伝子が、痛覚に重要な役割を担っているが、たいていの場合、これらの遺伝子を阻害すると、あらゆる痛みや感覚が、あっさり消える」と補足し、さらに「HCN2遺伝子に関する研究で大変興味深いのは、この遺伝子を除去するか、薬理学的に遮断することにより、正常な急性痛に影響を及ぼすことなく、神経因性疼痛を消せることにある。正常な痛覚は、偶発的な損傷を回避するのに不可欠であるため、今回の研究は臨床的に非常に役立つ可能性がある」と発言しています。

 

カフェイン摂取による筋肉痛・炎症を抑制し回復を促す(筋肉の最大収縮における疼痛を有意に軽減、炎症時に分泌されるアデノシンをカフェインがブロックすることで疼痛が軽減される)

 

ソース(記事原文):BBCヘルス BBCヘルス(2011年9月9日)


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