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線維筋痛症と有酸素性エクササイズ(中枢神経系の処理障害であり、上行性または下行性の神経経路の操作に異常が発生し、痛覚の増幅が生じている)

2015.09.17 | Category: アスレティックリハビリテーション

線維筋痛症

線維筋痛症とは

線維筋痛症の背景

線維筋痛症は、関節、筋、腱、軟部組織など全身の様々な構造を犯す慢性疾患になり、米国においては2005年時点で500万人と推定されており、35~60歳の女性に好発し、複数の慢性的な症状を伴うことが判明しています。

 

線維筋痛症の病態生理学と関連症状に対する理解はこの20年間で深まりつつあり、従来、線維筋痛症は、広範囲にわたる筋の痛みと、それに付随する不安やうつなどの心理学的因子を伴うリウマチに似た疾患として分類されてきました。

 

しかし、最近の仮説では、線維筋痛症は中枢神経系の神経化学物質のアンバランスによって引き起こされ、そのアンバランスが疼痛知覚の高まりを伴うと考えられています。

 

すなわち、線維筋痛症は中枢神経系の処理障害であり、上行性または下行性の神経経路の操作に異常が発生し、それによって痛覚の増幅が生じているとされています。

 

そのために、刺激に対する感受性の高まり、つまり異痛症と、疼痛性刺激に対する反応の高まり、すなわち痛覚過敏症が発生すると考えられています。

 

運動誘発性筋痙攣の歴史的考察(最大限まで短縮した筋の等尺性収縮により、筋膜が伸張し、活動中の筋への血流が完全に止まることにより痛み受容器と化学受容器から中枢神経系(CNS)に求心性シグナルが伝わる)

有酸素性エクササイズと線維筋痛症

これまでの研究によると、有酸素性エクササイズには線維筋痛症の症状を軽減する効果があるとみられます。

 

Gowans&deHueckらは、29名(平均年齢45.8±1.6歳)を対象として23週間の有酸素性プログラム(週に3回各30分)を監督下で開始し、6ヶ月後と12ヶ月後の時点で身体機能と気分に対する効果を評価(6分間歩行テスト、BeckDepressionInventory:ベック式うつ評価尺度、State-Trait Anxiety Inventory:特性不安評価尺度、患者による総合的評価スコア、Arthritis Self-Efficacy Scale:リウマチ患者の自己効力感尺度、Fibromyalgia Impact Questionnaire:線維筋痛症質問票、圧痛点の数、運動順守土)した結果、6ヶ月後ならびに12ヶ月後において、有酸素性エクササイズは圧痛点を除くすべての数値の改善と関係していました。

 

したがって、従来から行われている有酸素性エクササイズの効果は最大1年間継続する可能性があります。

 

最近あらたに人気が出ているエクササイズはノルディックウォーキングになり、ノルディックウォーキングはポールを利用する歩行であり、ポールを使用することによって上肢が歩行に組み込まれるとともに、ポールなしの歩行よりも速く歩くことができます。

 

実際、中~高強度のノルディックウォーキングを15週間(週に2回20分)実施したところ、線維筋痛症の女性患者群で機能的能力が向上しました。

 

Hauserらは、有酸素性エクササイズのガイドラインを示しており、推奨基準は下記の通りになります。

  1. 陸上エクササイズまた水中エクササイズからなる
  2. 1回20~30分間
  3. 軽~中強度のエクササイズ
  4. 少なくとも4週間にわたり、週に2~3回実施

 

線維筋痛症のクライアントのために個別化されたプログラムをデザインする際は、この推奨基準を出発点とすると良いとされています。

 

有酸素性機構が活発に働けば働くほど筋疲労の原因となる水素イオンの分解効率を上げる(短距離の選手であっても有酸素性能力を高めておく必要性がここにある)

引用・索引Adsuar JC Del Pozo-Cruz B Parraca JA Olivares PR Gusi N Whole Body vibration improves the single-Stance static barance in woman with fibromyalgia Arandomized controlled trial J Sports Med Phys Fitness52:85-91,2012


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