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肘関節内側の動的安定性(投球中の外反トルクはaUCLの損傷の発生点のほぼ2倍を上回り、肘の機能的な関節可動域をコントロールする共働筋によって影響を受ける)

2015.10.08 | Category: 投球障害治療

肘関節内側の動的安定性とは

青少年の肘内側傷害予防

青少年と肘内側痛

アマチュア野球の参加により、一般的にリトルリーグ肘(野球肘)といわれる肘関節内側損傷の危険にさらされている青少年は約200万人に上るとされています。

 

リトルリーグ肘になりやすい原因として、不適切な投球メカニクス、骨の可塑性、靭帯の弛緩性、骨端軟骨の未成熟、身体組成、そして筋力低下などが指摘されています。

 

野球肘:上腕骨内側上顆炎のリハビリテーション(回外と回内、およびニュートラルな肢位での肘関節屈筋群の十分な強化を含めなければならない)

外反ストレスと肘内側

現在、指導法が改善され、スポーツバイオメカニクスが進歩したにもかかわらず、肘関節内側損傷は投手の間で依然増加を続けており、外反ストレス(肘関節内側の軟部組織に働く張力)は肘関節内側損傷が起こる主要なメカニクスになります。

 

少年野球選手の受傷しやすさは、外反ストレスに対する軟部組織の抵抗力と上腕骨内側上顆の骨形成の成熟度により異なります。

 

肘の傷害からの回復には、平均3ヶ月のリハビリテーションが必要であり、その間のスポーツへの参加は禁止されており、成人のUCL(内側側副靭帯)を断裂した場合、回復には1年必要になります。

 

成人は骨端軟骨の炎症や動揺よりもむしろ靭帯の損傷が起こりやすいために、外反ストレスに対する反応が異なります。

 

外反ストレスに対するUCLおよび肘関節内側の筋組織の反応を検証した死体研究では、UCLは主要な静的スタビライザーであるとされ、90°に肘関節を屈曲した際にかかる外反負荷の50%に耐えることができます。

 

特にUCLの前部(aUCL)はオーバーヘッドの投球中に最も大きな抗張力を提供します。

 

したがって、aUCLの損傷は反復的な投球動作に関連して起こると推測され、靭帯の再建には、トミー・ジョン手術(内側側副靭帯再建術)が一般的な方法になります。

 

上腕骨内側上顆炎:野球肘のリハビリテーション(伸張性エクササイズを導入することで、インスリン様成長因子を増加させ、細胞増殖と基質の再造形を促進するメカノトランスダクション(機械的な負荷を細胞の反応に転換するプロセス)の効果がある)

 

肘の動的安定性

投球中の外反トルクはaUCLの損傷の発生点のほぼ2倍を上回り、肘の機能的な関節可動域をコントロールする共働筋によって影響を受けるということが示唆されています。

 

「動的安定性」という用語が使われますが、肘関節内側にまたがる筋(屈筋-回内筋)は、相当大きな動的抑止力を提供していると考えられています。

 

これらの筋の収縮活動は内反モーメントを生み出すことにより外反力に対する抵抗として働き、理論上、肘内側を圧縮することによって、UCLを引張過負荷から保護し、同時に肘外側を大きな圧縮力からも守っています。

 

しかし、不適切な投球メカニクス、関節の不安定性、コンディション、オーバーユースによる筋疲労などのために動的安定性が不十分になると、投手が傷害を負う危険性が高まります。

 

野球肘とファンクショナルムーブメントスクリーン:FMS(肘に影響を与える可能性として、近位から遠位へのコーディネーションの低下、股関節のROM制限/筋力低下、体幹の筋力低下、肩の柔軟性低下が挙げられる)

引用・索引Aguinaldo A,Chambers H.Correlation of throwing mechanics with elbow valgus load in adult baseball pitchers.Am J sports Med37:2043,2009.


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