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外反ストレスの影響と肩関節の外旋トルク(上腕内旋筋群の伸張性トレーニングは理論的には、肩関節の最大外旋、最大内旋モーメントの短縮性負荷を軽減し、手の最高速度を生み出す)

2015.10.19 | Category: 投球障害治療

外反ストレスの影響と肩関節の外旋トルク

投球の三次元メカニズム

投球腕の三次元動作分析から推定すると、肩関節内旋の角速度は7000°/秒で、肘関節伸展の角速度は3000°/秒になります。

 

投球腕を加速するために必要とされるコーディネーションのとれた筋活動は、最初に、蓄えられた弾性エネルギーが肩関節内旋筋から放出されることから始まります。

 

肘関節伸展筋群の短縮性筋活動がこれに続き、それらの同期した活動が投球のクリティカルインスタント間に手の速度を最大化します。

 

MIR-M(肩関節の最大内旋モーメント)は、ホームに向かって上腕を軸回転させる結果生じる回転力であり、肩甲下筋、大円筋、大胸筋、広背筋、三角筋前部によって生じます。

 

肩関節最大外旋と肘の傷害との関連(関節包靭帯の伸張とそれに続く関節の弛緩により肩関節内旋速度が速くなり、ボールのリリース速度は速くなるが、肘にとっては有害になる)

クリティカルインスタントのメカニズム

クリティカルインスタント(コッキング期後半からフォロースルーまでの決定的瞬間)において、肩関節は最大150~180°に達する受動的な外旋を行い、同時に85~105°の肘関節の屈曲が起こります。

 

その後、ボールリリースの時点で、投球腕の肩関節はホームプレートに向かって105~115°外旋し、肘関節は20~38°屈曲します。

 

この間、肘関節は内反トルクから外反トルクに移行、すなわち、肩関節のMER(肩関節の最大外旋)から始まり(外反ストレスが最も大きい)最大内旋(内反ストレスの増加)までの間に、内側と外側の肘関節部にそれぞれ圧力がかかります。

 

クリティカルインスタントの直前において(踏み出し足の接地からMERまで)、肘関節には外反ストレスがかかり、投手が受傷しやすくなることが知られています。

 

クリティカルインスタントでは、前腕が上腕より遅れるために、上腕骨の軸は捻転(近位と遠位の反転)しなければならず、MERでは遅れた前腕の慣性特性に抵抗して、内反モーメントにより前腕がホームプレートに向けて加速されます。

 

クリティカルインスタントより前に起こる外反ストレス傷害は、より高いMER-Mと正の相関関係があります。

 

野球肘とファンクショナルムーブメントスクリーン:FMS(肘に影響を与える可能性として、近位から遠位へのコーディネーションの低下、股関節のROM制限/筋力低下、体幹の筋力低下、肩の柔軟性低下が挙げられる)

 

上腕回旋筋と肩関節包の重要性

上腕回旋筋の伸張性負荷と肩関節包の受動的伸展が、腕のコッキング期後半から加速期までのMER-M、肩関節の回転速度、およぼ軌道(関節位置)をコントロールします。

 

上腕内旋筋群の伸張性トレーニングにより組織の弾性が増大する可能性があり、それは、理論的には、投球努力を軽減し、MIR-MとMER-Mの短縮性の努力をどちらも軽減し、同時に、手の最高速度を生み出す可能性があります。

 

伸張性トレーニングを行う前の適切なウォームアップは、神経筋反応を改善し、組織の粘性を低下させ、関節包-靭帯単位と筋腱複合体が引張応力に順化するために、適切なテクニックを確実に用いるためになります。

 

トレーニングのエクササイズに備え、肩関節を75~80°外転させることにより、肩関節安定筋の筋力と肩甲上腕のコーディネーションが改善され、同時に肩峰下インピンジメント症候群のリスクが低下します。

 

投球のキネティックチェーンと投球速度(ボールリリースにおける手の最高速度は、肩関節の最大外旋と肩関節の最大外旋モーメント、ピーク肘関節伸展速度の大きさと相関関係がある)

引用・索引Aguinaldo A,Chambers H.Correlation of throwing mechanics with elbow valgus load in adult baseball pitchers.Am J sports Med37:2043,2009.


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