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2013 12月の記事一覧

サッカー治療におけるアスレティックリハビリテーションの流れ・ボールを蹴るまで

2013.12.29 | Category: サッカー治療

サッカー治療におけるアスレティックリハビリテーションの流れ

サッカーアスレティックリハビリテーション

ウェイトトレーニング

ウェイトトレーニングはグラウンドでのリハビリテーションではありませんが、グラウンドでの動きづくりのベースとなる重要な項目です。

 

リハビリ期間全般を通じて患部以外の部位、特に体幹(肩、股関節、周囲筋の背面、腹筋群、起立筋群)を中心とした初動負荷理論(「初動負荷」とは「実際の運動に近い、自然な負荷(の与え方)」を意味し、運動の発動時に負荷のピークが存在することである。)を応用して関節可動域の増加、筋力アップを目的に行います。

サッカーに対してより特異性の高いアジリティテスト(足の支持を複数回切り替えて、ボールをドリブルしながら方向転換を行い、障害物を乗り越え、複数回方向転換を行なうアジリティテストはスキル要素が含まれているために、純粋なアジリティテストとしての妥当性はやや低いと考えられる)

基本種目例

上半身

ラットプルダウン、プルオーバー、ベンチプレス、ベントオーバーローイング、バックプレス、腹筋トレーニング、背筋トレーニング

下半身

インナー、バックスイング、レッグプレス、レッグカール、スクワット、レッグランジ

直線での動き

この段階より実際にグラウンドを利用したリハビリに入り、同時に復帰までのリコンディショニングもスタートします。

ウォーキング

ウォーキングはすべての動きのベースであり、意識して修正しやすい動作なのでとても重要になります。

 

股関節の柔軟性を追求しながら実際の歩き方の矯正を行い、背部のアーチをしっかりと作り、同時に腹筋も軽く緊張させ、軸をぶらさないように片方の肩甲骨周囲筋主導で体幹を後方に引くようにして、そのねじれを利用し同側の骨盤を前に出し、下肢はそれに引かれるように少し遅れ気味に自然に前に出るようにして、膝は伸ばした状態で踵から着地します。

 

着地したあとは背筋-臀筋-ハムストリングスを動員しできるだけ長く踵で地面を掴みながら後方に押しやり骨盤を前に押し出すようにし、体重は踵から拇指球、拇指にかけて滑らかに通過するようにし、この時、上肢と下肢は意識して振ろうとか、前に出そうかとする必要はありません。

 

上肢は肩関節に、そして下肢は股関節にただぶら下がり、軸をぶらさず自由に、そして自然に肩甲骨や骨盤に引かれて前後に出るようにします。

 

トレーナーは歩いている選手の後方や側方や前方から観察し、上記のことが正しくできているかをチェックし可能な限り早い時期にウォーキングの一環としてKBW(ニーベントウォーキング)、後ろ歩き、踏み台昇降運動、速歩などをサーキット的に行い、痛みなどが出現した場合にはその時点で中止します。

ウォーキング+ショートジョギング

目的としてはローパワートレーニングになり、ジョギングはウォーキングにくらべ着地の衝撃が格段に大きくなるので、急激に時間数を増やすことは非常に危険なので徐々に増やすように心がけます。

 

グラウンドではコートをゴールライン、タッチラインを半分に区切り、6区面にし、それぞれの区画の中で、最初は10歩のジョギングを1回、その後は10~30歩までフォームを観察しながら周回ごとに増やしていきます。

 

ジョギングに関してもウォーキングと同様にフォームチェックを行います。

 

その時のインターバルはウォーキングを行い、その間に患部の状況を確認して、次の周回を増やすか現状維持なのか、中止なのかを決定します。

 

ジョギングを30歩行えるようになったあとは、タッチラインはジョギング、ゴールラインはウォーキング、または、タッチラインはウォーキング、ゴールラインはジョギングで1周を行います。

 

ここまで直線の動きなので特に回る方向は気にしなくても良いですが、次からコーナーもジョギングをすることになるので、障害によって痛みの出にくい方向を指示します。

 

上記のトレーニングが行えるようになった後は、サッカーコート2辺(タッチライン1辺+ゴールライン1辺)の連続ジョギング、次にあるタッチラインはレスト&チェックとしてウォーキングを行います。

 

その次はコート3辺連続ジョギング、残りの1辺はレスト&チェックとしてウォーキングを行い、それが行えるようであれば、コート1周のジョギング、そしてロングジョギングに移行します。

 

以上の内容に要する時間及び、期間は患部の状況により増減します(1日で終了する場合もあれば1周間かかる場合もあります)。

加速走

目的としてはミドルパワー、ハイパワートレーニングになります。
一定のスピードで45分間ジョギングが可能になったら加速走に入ります。

 

患部の負担を減らすためにジョギングから少しずつスピードを上げていき、目的のスピードに達したら、急にストップするのではなく、時間をかけて徐々に減速します。

 

ランニングパターンとしては前述のウォーキング+ジョギングパターンを利用します。

 

ランニング量とスピードは患部の状態とトレーニング目的によって徐々に増加することが望ましいです。

 

最終的には加速ピーク時に100%のスピードに達することが望ましく、このレベルまで患部が回復してきたら患部の様子をみてスパイスの使用を開始します。

ダッシュ

目的としてはハイパワー、ミドルパワートレーニングになります。
加速走でほぼ100%にランニングが行えるようになったら、ダッシュを取り入れた実践的なインターバルトレーニングを行います。

例)
サッカーコート1周半を2分以内

コート1周を1分以内

レスト&チェックとしてゴールラインウォーキング

コート半周を25秒以内

レスト&チェックとしてゴールラインウォーキング

ゴールラインからハーフラインまでダッシュ

5分間ジョギング

 

上記を5セット行い、その前後に10分間ずつのジョギング、計20分を連続して行います。

 

このメニューはゲーム中に選手が移動する距離と、ランニングパターンを考慮して考えられています。

 

移動距離はジョギングとウォーキングのスピードに左右されますが、1万メートル以上、時間は約70分以上かかるように設定されています。

サッカーにおけるランニングスプリント(短時間の反復スプリントテスト:RST(12×20m、回復時間20秒)におけるPD(パフォーマンスの減衰)とVO2peakの間には有意な相関関係(r=-0.602、p<0.05)が存在する)

コーン+ラダー使用での動き

目的としてはミドルパワー、ハイパワー、アジリティトレーニング、アジリティトレーニングになります。

 

これ移行のトレーニングはサッカーの動きに対し患部が耐えられるかどうかをチェックすることを第一の目的としています。

 

種目の組み合わせ、スピード、インターバル、セット数は障害の部位、種類、程度、トレーニング目的などを考慮して安全に行います。

注意しなければいけない事

  1. 急激に大きくまたは過剰な負荷で膝関節を伸展・外転する動作
  2. 痛みを伴うような股関節内転動作
  3. 痛みを伴うような腹筋動作
  4. バーベルを担いで過剰な負荷をかけ両股関節を前後に開いて深いスクワットをする動作
  5. ジャンプしながら両股関節を前後に開いて閉じる動作を繰り返す動作
  6. 股関節を急激に深く屈曲または内転・内旋することを繰り返す動作

コーン、ラダーの配置は自由ですが、出来るだけ狭いスペースで、ポジション別に動きを再現出来るように工夫しましょう。

ジャンプでの動き

目的としてはミドルパワー、ハイパワー、アジリティトレーニングになります。
この頃のトレーニングでは、ドクターの了承が得られれば、コーン+ラダー使用での動きの中で取り込んでも良いです。

 

コーンやハードルを利用したトレーニングよりも、患部の状態把握のために行います。

サッカーにおけるスプリント能力(静止姿勢からスタートして5~10mをスプリントする時間は、加速力を測定するテストとして信頼性と妥当性が高く、サッカーにおけるテストとして信頼性と妥当性がある)

サッカーサーキット

目的としてはバランス、連動性、ミドルパワー、スキルトレーニングになります。

例)前倒れ

後ろ倒れ

側転(左右)

飛び込み前転

横倒れ(左右)

スライディング(左右)

ローリング(左右)

前転

後転
を連続して行い、インターバルにはボールを使用した技術練習を行い、すべての動作を正確に行うことが重要です。

ボール使用での動き

目的としてはスキルトレーニングになります。

 

サッカー選手に対するリハビリテーションは、走ったり、跳んだり出来るだけでなく、ボールを蹴れなければ終了できません。

 

この項の基本キック、ドリブル、ショートパスは、コーン+ラダー使用での動き以降のトレーニングの中でインターバル時に行っても良いです。

 

ミドルパスからクロスボールまでは全身に負担がかかるので、リハビリの後半に行う方が良いです。

 

最終的には、プレースキックを正確に蹴れることが必要になります。

サッカーにおける身体能力の尺度(短い距離を疾走する、加速する、減速する、方向転換する、そしてそれと同時にテクニカルな動作を行うことがサッカーにおける身体能力の尺度として妥当であると考えられる)

引用・索引A One-Day Field Test Battery for the Assessment of Aerobic Capacity Anaerobic Capacity Speed and Agility of Soccer Players

 

野球治療・野球肘の疼痛における解剖学的機能評価

2013.12.25 | Category: 投球障害治療

野球肘における肘関節機能評価

野球肘における治療

内側部の疼痛の機能評価

関節としては椀尺関節に起因する痛みが出現します。

 

骨性には、変形、骨棘、内側側副靭帯の石灰化などによって痛みが出現します。

 

靭帯性には、内側側副靭帯の損傷による痛みが考えられ、外反ストレステストや荷重テストにより疼痛が誘発され、さらに関節運動中の関節内側不安定感が出現致します。

投球時の肘関節内側部における外反モーメントと内反モーメント(肘内側の主要な動的スタビライザーである尺側手根屈筋や浅指屈筋、および円回内筋の活動張力、筋力、および持久力が野球肘予防には重要になる)

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肩関節脱臼・亜脱臼の競技復帰のポイント①動的安定性の獲得

2013.12.23 | Category: 投球障害治療

肩関節脱臼・亜脱臼

パワートレーニング
ラグビーのタックルなどで上肢が後方に引かれた場合、肩関節の水平外転・外旋の強制により、上腕骨頭が臼蓋の前方に逸脱する「前方脱臼」が発生します。

 

これはまた、スクラムやモールなどの密集プレーでも同様の力学的機序で発生します。

 

その危険因子として、肩甲上腕関節の動揺性、肩甲帯のアライメント異常、不適切なスキルなどの3点があげられます。

 

これに対し、手術的治療の有無に関わらず、肩甲上腕関節の動的安定性の獲得、肩甲骨内転・下制位の獲得、上肢筋力の発揮時に肩甲骨内側縁が胸郭から浮く「機能的翼状肩甲骨」の改善、正しいスキルの獲得が再発予防に重要になります。

反復性肩関節脱臼(Addictive shoulder joint dislocation)

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扁平足障害(過回内足障害)と内側縦アーチ

2013.12.16 | Category: 足部疾患

偏平足とは

扁平足のリハビリテーション

偏平足は内側縦アーチの低下に特徴付けられます。

 

内側縦アーチは、静的には骨(第一中足骨、第一楔状骨、舟状骨、距骨、踵骨)並びにそれらを結びつけている靭帯(足底筋膜を含む)、動的には後脛骨筋、長腓骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋、母趾外転筋などに保持されています。

 

筋力低下の為にアーチの保持ができず、靭帯に弛緩が生じてしまうとアーチの低下が恒常となります。

 

内側縦アーチの低下は、横アーチの低下をもたらします。

足部回内の機能的影響(足部回内時には、通常の足部アーチと比べて下腿三頭筋の筋活動が活発であることが明らかになっている)

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腰痛のアスレティックリハビリテーション・対症療法・筋力・姿勢・疼痛動作の再学習

2013.12.08 | Category: 腰部疾患

腰痛のアスレティックリハビリテーション

腰痛のアスレティックリハビリテーション

対症療法

疼痛への対応は、他の整形外科的疾患と同様に炎症症状の確認から始まります。

 

明らかな炎症症状があれば冷却を主体として炎症鎮静の治療を行いますが、腰痛では明らかな腫脹や熱感を伴う炎症症状は少なく、ほとんどの場合腰部や臀部の筋緊張緩和と血行促進のための温熱療法が適応となります。

 

過緊張状態の腰背部の筋が疼痛を発することが多いことから、筋緊張の寛解が重要な対症療法となります。

 

一般には温熱療法に加え、電気的に筋収縮と弛緩を繰り返す低周波療法が効果的です。

 

また、緊張が広範囲に及ぶ場合には、体幹筋全体のリラクゼーションを促す意味で腰椎牽引も適応となります。

 

また、骨盤周囲筋の緊張緩和のための股関節ストレッチ、胸郭周囲の筋のリラクゼーションのため呼吸運動促進も腰背部の筋緊張緩和に効果を示します。

 

一方、仙腸関節や椎間関節といった関節の疼痛に対しては超音波やレーザー、高周波などの物理療法を組み合わせますが、多くの場合、患部への力学的ストレスを排除・軽減するのが最も効果的な治療といえます。

 

したがって、患部へのストレスを軽減するような身体機能と運動習慣を学習させることが対処的にも重要となります。

脊椎の屈曲は椎間板損傷をもたらすか?(エクササイズによって椎間板損傷が起こるのは、疲労が適応によるリモデリングの速さを上回った場合であり、その際の圧縮負荷が約2,000Nである)

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腰痛の機能評価の項目)疼痛・姿勢・関節可動域(ROM)・タイトネス・筋力・スポーツ動作

2013.12.02 | Category: 腰部疾患

腰痛の機能評価

腰の痛みに対するアプローチ

病態の大枠を把握した後、身体機能についての評価を進めます。

 

実施すべき評価項目としては疼痛・姿勢・関節可動域(ROM)・タイトネス・筋力・スポーツ動作など多用であり、範囲としては腰部周囲に加えて足関節、股関節、胸郭、肩甲帯などと広範囲にわたるため、迅速かつ的確な評価の手技が必要になります。

脊椎屈曲エクササイズの利点(脊椎の屈曲は椎間板後部の厚さを37%減少させるため、椎間板後部全体へのグルコースの十分な供給が保証され、小さな溶質の拡散と大きな溶質の流入が増加する)

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