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2014 5月の記事一覧

サッカー選手への疼痛への機能的問題への対応・急性障害

2014.05.31 | Category: サッカー治療

疼痛による機能的問題への対応

 

機能的な回復が欠如した状態では、練習や試合において過度なストレスが加わった際に障害、もしくは疼痛の再発を引き起こすだけでなく、連続的に代償を繰り返すことで、結果的には患部以外の部位にも筋の過緊張や疼痛を引き起こすことになります。

 

痛みがなくなれば治癒したというわけではなく、急性的な障害により生じた患部の機能的問題や慢性的な障害の原因となる患部外の機能的な問題(身体の負担が高くなる時期において、筋腱組織の障害やそれに伴った2次的な障害)に対しても着眼し、これらの問題が解決したとき治癒したと言えます。

 

急性障害

 

靭帯損傷のような過度のストレスにより急性的に生じた障害の場合、痛みによる患部周囲筋の機能低下が問題となります。

 

例えば三角靭帯損傷では距骨下関節の回内ストレスにより靭帯が伸張され痛みが生じ、その為、後脛骨筋、長趾屈筋などによる距骨下関節回外運動が、回内ストレスによる痛みによって抑制され機能的な低下を引き起こします。

 

これに対して、距骨下関節回外ストレスが加わる動作(足関節内反させて接地、歩幅を広くして接地など)により代償して患部生じる疼痛を回避するようになります。

 

※二次的な疼痛や筋緊張が腓骨筋や第三腓骨筋、短腓骨筋腱といった距骨下関節回内筋に生じ、この状態で患部の疼痛が緩和して復帰した場合、代償部位の過緊張による二次的な疼痛が強くなるか、回内ストレスが強く加わった際に、回外筋が機能的に反応できずに再受傷を引き起こします。

 

※選手は無意識に痛みを伴わない動作で代償することが多く、機能的回復が得られないまま痛みが軽減すると治癒したかのように錯覚してしまうために注意が必要になります。

 

急性障害に対する対応

 

上記のような症例に対して、対症療法により患部の痛みの閾値を高め、同時に距骨下関節回外にかんする筋(後脛骨筋や長趾屈筋など)への機能的な回復を促す対応が必要となり、最終的には動的状態において患部へのストレスを抑制する筋の反応を痛みが生じる前に誘発できるように促していき、動きの誘導を行なう際には、意図的に患部に加わる動作を抑制してしまうために、無意識な反応を引き出す為に、ボールなどを用いて注意力を分散させながら引き出したい反応を誘導していくという具合にします。

 

※静的動作においては立ち脚の外側に投げられたボールをキャッチするなど、距骨下関節に回内ストレスが加わるような動作の順応を促し、初期には床上で行い、慣れてきたらバランスマット上で行いうなど段階的に条件を加えていきます。

 

※屋外では健側下肢のインサイドでのドリブルを内回りに行わせたり、前方からのボールを90°側方にパスさせて鋭角に踏み込むキックなどを行わせることで、長趾屈筋、後脛骨筋などの距骨下関節回外筋に対して動作の中での自然な反応を引き出すことが可能になります。

引用・索引 スポーツ障害の理学療法

少年野球選手に対するメディカルチェックの目的(野球肩、野球肘早期発見)

2014.05.29 | Category: 投球障害治療

少年野球選手に対するメディカルチェックとは

少年野球メディカル

 

少年野球選手におけるメディカルチェックでは成長期の野球選手に特有の身体特性を把握したうえで、野球を楽しく続けていけるかどうかを判断することが重要で、その中で障害発生に関わる危険因子を見つけ出し、その結果のフィードバックを行うことで障害の予防・早期発見に結び付けていかなければなりません。

 

インピンジメント(野球肩)を抑えるトレーニングとは(棘上筋を効果的に鍛え、肩峰下腔の狭小化を抑え機械的圧迫の増大とインピンジメントの助長を防ぐ)

(さらに…)

サプリメントに期待される生理学的効果(カルニチン・CoQ10)

2014.05.28 | Category: トレーナー

カルニチン(carnitine:γ-trmethyammonium β-hydroxybutyrate)

 

脂肪酸がエネルギーに分解されるにはミトコンドリアに取り込まれなければなりませんが、カルニチンは細胞質の脂肪酸を結合して(脂肪酸-カルニチン)、ミトコンドリア内に運び入れる運搬体として働きます。

 

また、カルニチンはミトコンドリア内に過剰に蓄積したアセチル基(アセチル-CoA)をミトコンドリア外に運び出す(アセチル-カルニチン)作業も担当し、エネルギー代謝、特に脂肪のエネルギー化が活発な状態になると、ミトコンドリア外に出たアセチル-カルニチンと、ミトコンドリアに入る前の脂肪酸-カルニチンの一部は、細胞から血中に出て尿中に排出され、エネルギー源廃棄に貢献します。

 

ミトコンドリア内のアセチル-CoAが遊離CoAに対して増量しすぎると、エネルギー代謝の運転を抑える調節が働き、それを阻止するためにカルニチンがアセチル-CoAからアセチル基を受け取ってミトコンドリア外に出て行きます。

 

したがって、カルニチンは、無酸素エネルギー代謝系と有酸素エネルギー代謝系の接点(アセチル-CoA)で働いて、エネルギー代謝の流れを円滑化するという重要な役割を果たしています。

 

CoQ10(coenzyme Q10)

 

エネルギー代謝酸化の酸化リン酸化反応系の構成成分としてATP合成に関与します。

 

筋肉中に欠乏するような条件がない場合には、運動能力の増大作用や筋肉組織の酸化的ダメージ防止作用などは認められないとされています。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学

筋線維の数を決める成長因子:ミオスタチン(マイオスタチン)

2014.05.27 | Category: トレーナー

筋線維数を決める要因

筋線維

人は生まれながらにして、筋の中にある筋線維数には個体差があり、筋線維の多い人はその分、トレーニングによって筋肥大しやすいといえます。

 

※筋線維の数を決める要因の一つがミオスタチン(マイオスタチン)という成長因子であることがわかってきました。

 

ミオスタチン(マイオスタチン)

 

ミオスタチンは筋線維自身から分泌され、筋芽細胞の分裂を抑制することで、筋線維の形成と筋肥大を抑える働きをもち、胎児期には、このミオスタチンが多量に分泌され、分娩前の胎児の過剰成長を抑えています。

 

一方、出生後にはミオスタチンの分泌量が低下し、著しい筋・骨格系の成長が起こり、したがって、この時期のミオスタチンの分泌量の差によって生来の筋線維数が決まると考えられています。

 

※マウスを用いた研究から、筋に過負荷をかけた時にもミオスタチンの分泌量が低下することがわかり、したがって長年にわたりトレーニングを行うと、少しずつ筋線維が増えていくと考えられています。

 

これらは、長年のトレーニングにより筋線維数が増えれば、たとえ筋が萎縮してもその数は減らずに、個々の筋線維が萎縮している状態なので、トレーニングを再開すれば、筋のサイズは元に戻りやすいということを意味しています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

サッカー治療・Jリーグクラブにおけるシーズン中の取り組み:クールダウン

2014.05.26 | Category: サッカー治療

1.アイスバケツ

 

90㍑のバケツに下肢を入れ、下肢全体をアイシングし、また、足関節のみの場合は小さなバケツを準備し、その中に足を入れます。

 

※足関節全体を冷やす意味でもバケツに足を入れたほうが効果的になります。

 

初期には過度の冷却による足趾の冷却による足趾の痛みを強く感じるためにトゥーキャップをして足を入れます。

 

※これにより5~10℃の足趾温度低下の抑制が可能になり、疼痛を緩和し障害の急性期や練習後の疼痛がある際に行います。

 

2.温冷交代浴

 

5℃に設定した氷バケツと40℃に設定したバケツを用意し、温熱療法と冷却療法を交互に行わせます。

 

※血管の収縮と弛緩を繰り返すことで患部への血流を増加させることを目的に行わせます。

 

血液循環が改善させることで発痛物質である乳酸の分解が促進され、これにより疼痛、疲労が緩和されると考えられています。

 

※温冷交代浴の冷却時間を長くすることで筋疲労の回復に効果的だとして、筋腱の疲労の蓄積が強い時や受傷後の亜急性期移行に行います。

 

3.パワープレート

 

プレートが振動することで身体に生じる重力加速度を増加させる原理を利用した機械になります。

 

主として、筋力アップ、ストレッチ、試合や練習前のウォーミングアップ、試合後のクールダウンに用いられます。

 

効果としてDele-cluseによると短時間の振動負荷による効果として、垂直跳びなどといった瞬間的な筋出力に対する神経筋反応の増加が認められ、また、振動負荷トレーニングにより振動不可を加えないトレーニングよりも筋線維動員数が有意に増加するといった報告もあります。

 

※練習や試合の前にプレート上でハーフスクワット位で立つことで、神経筋反応の向上、筋線維の動員数増加を促し、より多くの筋活性化を図れ、試合翌日、練習後のクールダウンにおいてパワープレート上でのストレッチ、振動を利用したマッサージを行うことで、血液循環を促進させ、疲労回復の一助として利用します。

 

4.クライオバス

 

試合の前日の練習後、または週の半ばに試合がある時には試合後に水温3℃の氷風呂に5分間下半身の半身浴を行わせます。

 

※早期に身体の代謝を下げることによる疲労物質蓄積の抑制、また、施行後の下肢循環改善による疲労の回復を目的としています。

引用・索引 スポーツ障害の理学療法 第2版

スプリンターと長距離ランナーの膝伸展力

2014.05.23 | Category: トレーナー

膝伸展力

 

下半身の筋力の目安として、大腿四頭筋による膝伸展力(レッグエクステンション)がよく用いられます。

 

スプリンターと長距離ランナーでこの力を測るとスプリンターのほうが大きな力を発揮します。

 

しかし、筋電図を用いて膝伸展力を発揮している時の膝伸展と膝屈筋(ハムストリングス)の活動を調べてみると、スプリンターでは屈筋がかなり強く活動するのに対して、長距離ランナーでは屈筋がほとんど活動しないという報告があります。

 

※膝伸展力の発揮についてはスプリンターより長距離ランナーのほうが拮抗筋の抑制が上手であることになります。

2つの矛盾点

 

上記のような矛盾が生じる理由として、下記の2つの事が考えられています。

 

①スプリンターの動作では単純に強く膝を伸展するのではなく、強調的に膝と股関節を伸展することにあり、膝を伸展するときに、股関節の伸展であるハムストリングスもほぼ同時に活動し身体を前方に加速するための力を効率的に生み出す神経系の作用が作られるためです。

 

②安全性の問題で膝関節が最大筋力を発揮すると膝関節には500kgを超える力学的ストレスがかかり、このようなストレスで膝が壊れないようにするために拮抗筋をはじめとするいくつかの筋群を動員して、動作中に膝関節を安定させる必要があると考えられています。

 

したがって、レッグエクステンションでの筋力発揮には長距離ランナーのほうが上手ですが、より広い視点での筋力発揮についてはスプリンターのほうが上手という事になります。

 

トレーニングにおいて「拮抗筋をバランスよくトレーニングする」「スクワットなどの多関節動作の種目を優先的に行う」が重要な理由のひとつにもなります。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

クレアチン摂取によるクレアチンリン酸増加と筋能力の生理学的変化(垂直跳び、等速性筋収縮、ベンチプレスの最大挙上負荷など、単発のパフォーマンスが増大(5~15%))

2014.05.22 | Category: トレーニング

クレアチンリン酸増加

クレアチニンと筋量増加

クレアチンリン酸が増えることは、ハイパワーの持続力が増大することを意味します。

 

通常の濃度のアデノシン三リン酸とクレアチンリン酸で約8秒間の全力運動が可能ですので、クレアチンリン酸量が20%増加すれば、これが約10秒間に延長することになります。

 

※筋が収縮のためにアデノシン三リン酸を分解して獲得するエネルギーの大きさは、アデノシン三リン酸の分解産物であるアデノシン二リン酸の濃度が増えると減少し、クレアチンリン酸濃度が上昇すると、アデノシン二リン酸濃度は下がりますので、若干ではありますがエネルギーが増大することになり、したがって単発のパワー発揮も増大すると予想されます。

 

生理学的にクレアチン、それともクレアチンリン酸を摂取するほうが有効なのか?(血液中から細胞内に吸収されるのはクレアチンである)

(さらに…)

人間の筋肉が理論上発揮できる筋力(解剖学的、神経学的、生理学的)

2014.05.21 | Category: トレーナー

人間の筋肉が発揮できる力

 

人の骨格筋が、最大限どの程度の力を発揮できるかは、生体内での最大筋力を計り、次にMRIなどで筋横断面積を測り、さらに関節の構造や、筋が骨のどの位置に付着しているかなどを考慮して単位横断面積(1c㎡)当たりの筋力を推定するのが最も一般的になります。

 

※この場合の単位横断面積当たりの筋力を測定すると約6kg/c㎡になり、タバコ一本の断面積は約0.5c㎡なので、人間の筋肉からタバコ一本分の太さの組織を切り出して筋力を測ると、約3kgの力を発揮することになり、これは相当大きな力になります。

 

全身の筋肉の能力

 

人間の身体がトータルでどのくらい力を発揮できるかを推定した場合(体重70kgの場合)、身体の約40%が筋肉ですので、筋の総質量は約28kg、筋の比重を1.0としてその体積を求めると、約28㎥、筋繊維の長さは筋によってさまざまで、平均10cm以下と考えられ、10cmとして筋の総断面積を求めると、約2.8×1000㎡になります。

 

※上記に6kg/c㎡をかけたものが人間が理論的に身体の内部で発揮できる筋力の合計となり、その値は約17×1000kg、すなわち約17tということになり、トップビルダーはこの値を25tは超えると言われています。

 

筋力と神経系

人間の筋肉は想像を絶するほどの筋力を持っており、仮に身体中の筋が最大筋力を発揮すると、いたるところで腱が切れたり、骨が折れたりしても不思議ではありません。

 

※ハイレベルなアームレスリング(腕相撲)で時折骨折が見られるのはこのためです。

 

上記のことから、神経系が筋の働きをうまく調整(抑制)し、随意的に発揮できる筋力は、理論的な最大筋力の50~70%に抑えられています。

 

※特定の筋が力を発揮する場合には、共同筋や関節を取り巻く小筋群、また、ときには拮抗筋も同時に活動し、ストレスが局所に集中するのを防いだり、力が効率的に伝達されたりするのを助けると考えられています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

パンプアップ(pump up)の生理学的メカニズム(血流量、局所性貧血)

2014.05.19 | Category: トレーニング

トレーニングと筋内の血流

 

激しくトレーニングをすると筋内に血液が注入されるまで風船が膨れ上がったようになるので、この状態をパンプアップ(pump up)といいます。

 

筋肉中の個々の筋線維の周りには毛細血管が取り巻いていて、その両端はそれぞれ動脈と静脈につながっています。

 

筋肉の中の血流は筋肉の収縮の仕方に依存して変わり、よく知られているのが筋力発揮のレベルと血流との関係です。

 

※トレーニングで繰り返し筋力を発揮するような場合、最大筋力の30%程度までは運動中の筋内の血流量が躊躇に増えますが、負荷を増し、もっと力を発揮すると筋内圧の上昇によって静脈圧が増し血流量が減少します。(80%以上の力を発揮すると今度は今度は筋肉が血液を絞り出したような状態になり「局所性貧血」になり、中~高強度のトレーニングでは運動中は貧血状態になります。)

 

一方、運動直後には筋内の循環抵抗が大きく減少し、その結果一気に多量の血液が筋肉に流れ込み過血流の状態になります。

 

※スクワットなどの直後に一過的に貧血症状が現れることがあるのは、過血流が下肢や体幹筋群に起こることにより、上半身の血流が減少するためと考えられています。

※筋内の血流量の増大は、流入する血液(動脈流)と流出する血液(静脈流)の両方の増加によって起こるので筋肉が「充血」することではありません。

 

パンプアップのメカニズム

 

筋肉が活動するとエネルギーを使うと、乳酸や二酸化炭素などの代謝産物が生成され、これらは筋線維から運び出されると、毛細血管透過性(水などを通過させる性質)を増し、動脈を拡張させるように働きます。

 

※運動後に静脈圧が急降下すれば筋内は血液が通りやすくなっているので代謝的に過大な血液が流れていきます。

 

さらに筋線維の間の空間には代謝物が溜まり浸透圧が高くなっているので、血液から血漿成分が滲出し、その結果、筋肉が「水ぶくれ」状態になり身体を循環する血液量が減少します。

 

パンプアップの功罪

 

一方、パンプアップは筋肉の可動域を減らし、筋力やパワーを一時的に低下させ、これらは「動き」に悪影響を及ぼしますので「動き作り」を伴うトレーニングでは極力パンプアップを抑える方法が有用です。

 

動作初期にバリスティック(瞬発的)に筋力発揮をする方法では大きな力を発揮する時間が短いのでパンプアップが起こりにくいと考えられています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

サプリメントに期待される生理学的効果:クレアチン、β-HMB(β-hydroxy-β-methylbutyrate)

2014.05.17 | Category: トレーナー

クレアチン

 

1998年前後からスポーツ史上最大の関心と市場を得たスポーツサプリメントになり、基礎体力のパワーとスプリントを増強する効能を持つと言われています。

 

クレアチンは高エネルギーリン酸結合してクレアチンリン酸となり、筋肉運動のエネルギー源であるATPが消費されて不足状態になったときに、緊急にリン酸を渡してATPを補充できる立場にあります。

 

クレアチン摂取の短期的効果としては、筋肉中の総クレアチン含量を含めてクレアチンリン酸を増量して、ATP再合成率を高めることにより無酸素的運動体力であるパワーとスピード(スプリント)の発揮に貢献します。

 

※クレアチン摂取法・・・クレアチン負荷期(増量期)には毎日25g程度ずつ5日間摂取し、その後の維持期には1日5g摂取して高クレアチンレベルを維持するようにします。

 

β-HMB(β-hydroxy-β-methylbutyrate)

 

分岐鎖アミノ酸のロイシンの代謝産物ですが、β-HMBは筋肉タンパク質の分解抑制作用を持ち、筋肉量の保持、増大に貢献します。

 

①レジスタンストレーニングによる筋肉量増量と筋力増大を促します。

②高強度トレーニングによる筋肉ダメージを軽減します。

③持久力運動能を増大します。

④老化や筋肉減量を抑制します。

 

長期効果としてβ-HMBとクレアチンを併用使用する方法で、筋肉増量および体組成改革(除脂肪量増大、体脂肪減)効果を発揮します。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学

クイックリフトとスローリフトの全か無かの法則と生理学的メカニズム

2014.05.16 | Category: トレーニング

クイックリフトとスローリフト

負荷を上げ下げする際に、速い動作と遅い動作の両極にあるのがクイックリフトとスローリフトになり、重量挙げのクリーン&ジャーク、スナッチなどがその代表的な種目になります。

 

クイックリフトの特徴は、負荷に最大限の上向きの加速度を与え、後は慣性に任せるということになり、このような場合、負荷に大きな加速度を与え与えるために〈力=質量×加速度〉に相当する極めて大きな力が瞬間的に発揮されます。

 

※自重のみのジャンプでは体重が70kgであって、瞬間的には200kgを超える力が床に対して発揮され、外見上の負担が少なくとも実際には大きな力を筋が生み出し、関節にも同等の負担がかかります。

 

一方、スローリフトはあえて動作速度を遅くして行います。

※自重負荷でのスクワット4秒かけてしゃがみ、10秒かけて立ち上がるようにした場合、発揮される力は体重とほぼ同じですが、力積(力×時間)は極めて大きくなるという特徴があります。

 

動作速度を調整する仕組み

筋肉を構成する1本1本の筋線維は基本的には最大の力を発揮するか、力を発揮しないかの2つの状態しかありません(これを全か無かの法則と言います。)

 

筋の中の筋線維すべてを活動させると、必然的に最大筋力に対する負荷の割合で決まる最大の速度で負荷が上がるということになります。

 

筋の中で活動する筋線維の数を減らせば、発揮筋力に対する相対的な負荷が大きくなるので速度は遅くなります。

※正確には筋線維を活動させる神経信号の周波数もかかわっており、基本的には筋の活性化レベルを高めれば速度は速くなり、したがって一度により多くの筋線維を活動させるためには、なるべく速い速度で負荷を上げた方が良いということになり、この点がクイックリフトのメリットのひとつといえ、逆にスローリフトでは動作中に活動している筋線維の数は多くありません。

 

筋力発揮と筋内血流

生理学的メカニズムに立てば、より多くの筋線維をトレーニングするためには、つねに出しうる最大の速度で負荷を上げるほうが良いということになりますが、これまでのさまざまな研究から、効果的に筋を肥大させるためには、筋力の発揮時間も重要であることも示唆されています。

 

※アイソメトリック(等尺性収縮)な筋力発揮を持続的に行う状況の場合、最大筋力の約40%のレベルを超えると、筋の内圧上昇により筋内の血流が低下することがわかっており、この状況が続くと筋内が低酸素状態となり乳酸などの代謝産物も蓄積し、結果、代謝物受容反射という仕組みによって下垂体から成長ホルモンが分泌されたり、筋線維周辺の成長因子の濃度が変化し、筋線維の肥大が促されるというメカニズムが考えられています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

野球肘の評価(問診、圧痛所見、投球時痛の再現テスト、上腕三頭筋シフティングテスト)

2014.05.15 | Category: 投球障害治療

野球肘

野球肘

肘の投球時痛は、acceleration phaseでの外反ストレスで生じることが多く、外反ストレスがかかると肘内側には牽引ストレスが、肘外側には圧縮ストレスが生じることになります。

 

※肘外側に疼痛が発生する場合(外側型投球障害肘)は上腕骨小頭に橈骨頭がインピンジメントすることで発生する骨軟骨障害であることが多く、その場合には長期安静が選択されるために運動療法の適応とはならないことが多いです。

(さらに…)

トレーニング種目の配列:プライオリティの原則(ストラクチュラルエクササイズとボディパートエクササイズ)

2014.05.13 | Category: トレーニング

プライオリティの原則

 

プライオリティの原則としての基本的な考え方は、「疲労が蓄積していないうちに、最も重要な部分のトレーニングを行う」という考え方です。

 

例として、前腕の筋力にとくに問題があって、これを強化することが最優先課題であれば、リストカール(手首を巻き込む)から始めるということになりますが、一般的に重要な筋群は、体幹に近い場所にある大きな筋群になり、したがって一般的なプライオリティの原則は「大きな筋群の種目から始めて、徐々に小さな筋群の種目に移行する」ことになります。

 

※NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)、ACSM(アメリカスポーツ医学会)もトレーニングプログラムの指針の一つとしてこれを採用しています。

 

ストラクチュラルエクササイズ(SE)とボディパートエクササイズ(BPE)

 

トレーニング種目の分類には、大きな筋群の種目、小さな筋群の種目という分類の他に、複数の関節を強調して使う動作(複合関節動作)による種目と、単一の関節を使う動作(単関節動作)による種目という分け方もあります(前者をストラクチュラルエクササイズ:SE、後者をボディパートエクササイズ:BPEと呼びます)。

 

※スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなどはSE、レッグエクステンション、バタフライなどはBPEなり、具体的に示すとすると、

大筋群のSE→大筋群のBPE→小筋群のSE→小筋群のBPEの順になります。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

サプリメントで期待される生理学的効果・BCAA(分岐鎖アミノ酸:バリン、ロイシン、イソロイシン)

2014.05.12 | Category: トレーナー

BCAA(分岐鎖アミノ酸:バリン、ロイシン、イソロイシン)

 

BCAAに期待される生理学的効果は、ロイシンの生理的効果にあります。

 

ロイシンは脱アミノ反応を受けると、α-ケトイソカプロン酸(α-KIC)に転換し、さらに代謝されてβ-ヒドロキシメチルブチレート(β-HMB)になります。

 

KICは筋肉タンパク質合成促進作用を持ち、β-HMBは筋肉タンパク質分解抑制作用を持っています。

 

※(運動に筋肉痛の発生を抑制することが期待されています。)

 

血中遊離トリプトファンは脳関門を通過して、中枢においてセロトニンからメラトニンを生成し、スポーツの中の中枢性疲労発生の原因になります。

 

※BCAAはトリプトファンと脳関門通過で競合しますので、スポーツの前や途中でスポーツの前や途中でBCAAを摂取して、血中トリプトファン/BCAA比を小さくしてトリプトファンの脳内取り込みを抑えれば、中枢性疲労を抑制できるという報告があります。

 

筋肉内にロイシンが高濃度に取り込まれると、運動中のエネルギー源としてグリコーゲンよりも優先的に燃焼し、乳酸の発生を抑制しながらグリコーゲンの節約効果を発揮すると期待されています。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学 鈴木正成

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