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2014 7月の記事一覧

「肥満遺伝子(レプチン)」とインスリン非依存型糖尿病

2014.07.31 | Category: トレーニング

obese gene=ob遺伝子

 

人では肥満にかかわる遺伝子(obese gene=ob遺伝子)は7番目の染色体にあり、体脂肪中の脂肪細胞に中性脂肪が蓄積してくると、脂肪細胞はこの遺伝子を用いてレプチンというタンパク質を作り、分泌します。

 

※レプチンは脳の視床下部という部分に働いて、食欲を減退させ、エネルギー摂取を抑えると同時に、身体の活動を高め、エネルギー消費を促進させ、体内の脂肪量を一定にしていると考えられます。

 

肥満遺伝子と人の家系

 

肥満遺伝子に異常のあるマウスは確かに極度の肥満になります。

 

※Montagueらによって重度の若年性肥満を示す家系について調べ、この家系に属する子供達のob遺伝子にまったく同じ変異があることを発見しており、この報告は人でもob遺伝子が「太りやすい体質」を決める一つの要因になっていることを示しています。

 

レプチンとインスリン非依存型糖尿病

 

レプチンは脳の視床下部に働き、この部分に対する感受性が低いと、レプチンが例え正常に分泌されても、やはり肥満になります。

 

これはインスリンが分泌されるのに糖尿病になる「インスリン非依存型糖尿病」の場合に似ており、糖尿病の90%以上がこちらのタイプなのと同様、肥満体質の大部分も視床下部のレプチン感受性の低下が原因かもしれません。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

体脂肪を制御する遺伝子(ob遺伝子・レプチン)

2014.07.30 | Category: トレーナー

ob遺伝子

 

40年ほど前、遺伝的に極度の肥満を示すネズミ(マウス)の系統が育種されました。

 

このマウスの血管系と正常なマウスの血管系を特別な”ふるい”を通してつなぐと、肥満したマウスが痩せることが見出されました。

 

このことは正常なマウスでは血液中に体脂肪を減らす作用を持つなんらかの因子があることを示しており、この因子の遺伝子が明らかにされ、この遺伝子はob遺伝子(obは「肥満」のobeseの略)と名付けられ、肥満マウスではこの遺伝子の構造が不完全であることがわかりました。

 

「肥満遺伝子」の作用

 

ob遺伝子が機能するのは肥満細胞になり、ここで脂肪が蓄積されると、ob遺伝子の機能が発現し、この遺伝子を鋳型にしたobタンパク質が作られます。

 

obタンパク質は脂肪細胞から血液中に分泌され、脳に運ばれます。

 

※脳の視床下部という領域には、実態はまだ明らかではありませんが「リポスタット」(脂質を一定に保つ)と呼ぶことのできる領域があり、obタンパク質はここに作用します。

 

リポスタットがobタンパク質を受け取ると、基礎代謝を上げ、食欲を低下させるように中枢に作用します。

 

※obタンパク質は、脂肪細胞中の脂質量が増えると多量に作られるので、正常なマウスの体脂肪は10~20%に保たれますが、ob遺伝子に異常があり、obタンパク質が作られないマウスでは体脂肪が40~60%にまで上がります。

 

※obタンパク質はのちに「レプチン」と命名されています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

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食べる人の身体のコンディションニングが違うと、食後の血糖上昇反応に大きな違いが出てくる(筋肉や肝臓のグリコーゲンの回復に差がつく)

2014.07.29 | Category: トレーニング

トレーニング後の血糖上昇

身体パフォーマンスと栄養学

炭水化物食品をどのように食べるか、献立や調理法によって食後の血糖上昇反応が変わることに加えて、同じ食事を食べても、食べる人の身体のコンディションが違うと、食後の血糖上昇反応に大きな違いが出てくることがわかっています。

 

これは、大学の陸上長距離選手を被験者にして得られた科学情報になり、夕方の5時から6時30分まで20km走を、数日空けて2回走ってもらい、グループを半分に分けて、夕食をランニング終了の30分後か2時間30分後に食べてもらいました。

 

このようなトレーニング後の夕食のタイミングの違いは、運動で消費された筋肉や肝臓のグリコーゲンの回復に差をつけます。

 

※一般的にトレーニングのすぐ後に食事をとると、グリコーゲンは速やかに回復しますが、2時間以上も間隔を空けて食事をとると、その回復は半分程度に終わってしまいます。

 

タンパク質合成:栄養と摂取(運動後に摂取する糖質に十分なタンパク質(特に必須アミノ酸)を摂取する必要があり、さらに糖質-タンパク質の組み合わせは、血漿インスリン濃度を高め、筋タンパク質の分解を抑制する)

(さらに…)

グリセミック・インデックス(指数)と肥満の生理学

2014.07.28 | Category: トレーニング

グリセミック・インデックス

 

栄養評価基準の一つとして、血糖上昇反応指数(グリセミックインデックス:glycemic index:GI)があります。

 

これは基本的には炭水化物を含む食品や食事を摂取した後に、血中グルコース濃度が上昇してくる反応の大小を表す指数です。

 

※基準となる指数100はグルコース(ブドウ糖)を50g摂取したときに描かれる血糖上昇反応の面積で、食後2~3時間の血糖反応を測定するもので得られるものです。

 

肥満対策の食情報

 

グルコース摂取に対する血糖上昇反応指数は、糖尿病食事療法に応用されるためのものでしたが、その後、食後の血糖反応とインスリン反応が大きいことは、体内での脂肪の合成と蓄積を促し、肥満の発生にもつながるという認識が、肥満科学の分野で高まりました。

 

肥満の改善、すなわち、ダイエットの問題は単純に肥満患者を対象とした医学会にとどまることはなく、一般人を対象とする食生活指導にも関係しています。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学

筋量をコントロールする生理学的メカニズム(力学的ストレス、ホルモン、成長因子)

2014.07.27 | Category: トレーニング

筋量をコントロールするメカニズム

 

力学的ストレス、ホルモン、成長因子などのさまざまな要因がこれにかかわっていると考えられています。

 

※成長因子とは、内分秘腺以外のさまざまな細胞が分泌し、局所的に働いて細胞や組織の成長や分化を調整するホルモン様物質であり、このうち、インスリン様成長因子-1(IGF-1)がトレーニングによる筋肥大という観点でよく研究されています。

 

インスリン様成長因子-1

 

インスリン様成長因子-1にもいくつかのタイプがありますが、、そのうちの一つは筋線維そのものから分泌され、筋線維そのものから分泌され、筋線維自身や周囲の細胞に作用して筋肥大を促します。

 

※マウスの筋にアデノウイルスを利用し導入すると特に運動しなくても筋が肥大することがわかっています。

 

ミオスタチン

一方、ミオスタチンは筋で常に作られていて、その成長を強く抑制している成長因子です。

 

※ミオスタチンの遺伝子を破壊したマウス(ノックアウトマウス)では筋量が通常のマウスに比べて2~3倍になります。

 

※Guernecは「インスリン様成長因子-1:ミオスタチン」の発現比の上昇が筋の肥大や成長にとって重要であると報告しています。

 

当初、ミオスタチンは発生段階での筋の成長にのみ関与し、胎児期に筋線維が過剰に増殖するのを抑えていると考えられていましたが、いくつかの研究により、過負荷によって成体の筋が肥大するときに、ミオスタチンの発現が低下することが見出されました。

 

したがって、トレーニングなどによって筋が肥大するときには、筋でのミオスタチンの発現が低下し、同時にインスリン様成長因子-1の発現が上昇するものと考えられます。

 

※人の筋から採取されたサンプルについてRothらが調べ、高強度レジスタンストレーニングによって肥大した筋で確かにミオスタチンの発現が低下していることを示されました。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

最終的な筋量はインスリン様成長因子-1とミオスタチンのバランスで決まる

2014.07.26 | Category: トレーニング

GDF-1(マイオスタチン)

 

筋量を決める決定的な要因に、GDF-8という成長因子があります。

 

この成長因子の遺伝子を壊した動物を作ると、筋が著しく肥大し、マウスではその筋量が通常の2~3倍にも、すなわち、GDF-8は筋の発達を抑制している因子ということになります。

 

本来の役割として、筋の過剰成長を抑制し、筋のサイズを一定に保つであろうということから、GDF-8は「マイオスタチン」と呼ばれるようになりました。

 

※「ミオ-」または「マイオ-」とは「筋の-」という意味で、「スタチン」は「サイズを一定に保つタンパク質」という意味です。

 

インスリン様成長因子-1

 

一方、筋肥大を促進する可能性のある因子もいくつかあり、その代表がインスリン様成長因子-1(IGF-1)です。

 

この因子は、トレーニングによる機械的刺激や、成長ホルモンの作用によって筋線維から分泌され、筋線維自身に働いてタンパク質合成を促す(自己分泌)と考えられています。

 

したがって、最終的な筋量はインスリン様成長因子-1とミオスタチンのバランスで決まると考えられています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

筋肉の成長を促すのは成長ホルモンよりも成長因子が握っている

2014.07.25 | Category: トレーニング

筋肉の成長

 

近年では筋肉の成長を促すのは成長ホルモンよりも成長因子と呼ばれるものであると考えられるようになりました。

 

成長因子には多種ありますが、成長ホルモンと同様ペプチド(非常に小さなタンパク質のようなもの)でできています。

 

※IGF-1(インスリン様成長因子-1)という成長因子は、肝臓が成長ホルモンの刺激を受けて分泌し、自分自身に作用させるような(自己分泌型)成長因子も多数あります。

 

特殊な成長因子:抑制型TGF-β

 

成長因子の中には特殊な因子があり、特にTGF-βと呼ばれる一群の因子があります。

 

この因子はMcPherronらによりイギリスの学術誌「ネイチャー」(1997年5月1日号)により発表されました。

 

TGF-βの一因で「GDF-8」と呼ばれる因子を作る遺伝子を壊し、機能しなくさせた遺伝子組み換えマウス(ノックアウトマウス)を作ると全身の筋肉が異常に発達したということです。

 

※普通のマウスと同じように飼育して2倍以上に筋量がなるようです。

 

この因子は成長因子に属していますが、その機能は成長とは逆で、筋の成長を抑制していることになり、興味深いことに、この因子の現れる量が、それぞれの筋によって微妙に違っていて、全身の筋肉のバランスを決めているということです。

 

※同じ遺伝子が人間の中にもあります。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

高地トレーニングによる持久力アップに赤血球増量に伴う乳酸トランスポーター増量が貢献している

2014.07.24 | Category: トレーニング

持久系トレーニングの効果

 

マラソン選手や水泳の中・長距離選手、自転車競技選手など持久系勝負の種目の選手は、高地トレーニングを実施することが非常に多いです。

 

その効果として、低酸素条件がもたらす赤血球増量作用によるとされ、また、造血作用ホルモン(エリスロポエチンやダーベポエチン)のドーピングが持久力増強に有効なのも、赤血球数の増加によります。

 

赤血球と乳酸トランスポーター

 

赤血球がトレーニングに反応して乳酸トランスポーター増量し、持久力アップをもたらすことに違いはなく、いちばん考えられることは、運動で生成された乳酸が筋肉から血中にどんどん放出されてくるのを、赤血球が取り込んで血液の酸性化を防止し、体内環境を正常に保つことです。

 

※トレーニングで乳酸トランスポーターを増量した3ヶ月目のラットの赤血球と、トレーニングしなかった対照のラットの赤血球を、緩衝液の入っている別々のフラスコに入れ、そこに乳酸を一定量滴下して酸性化した緩衝液がどれくらい速く元のphに戻るかを比較したところ、トレーニングしたラットの赤血球は緩衝液のphを速やかに回復させたと結果がでました。

 

上記のことを踏まえるとトレーニングによる持久力アップには運動中に筋肉から放出させてくる乳酸を赤血球が取り込んで、血液の酸性化を防止することが関係していると言えます。

 

高地トレーニングによる赤血球数の増量で一つ一つの赤血球の乳酸トランスポーター量が増量していることによる相加効果もあると考えられます。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学

持久性トレーニングにより速筋線維が遅筋線維へと変化する

2014.07.23 | Category: トレーニング

トレーニングと筋の組成

 

スポーツ選手の筋組織についても、マラソンをはじめとする持久的競技選手では遅筋線維の割合が極めて高く、逆にスプリント的強度の選手では速筋線維割合がやや高いことが報告されています。

 

※これが遺伝的に優れているからなのか、長年の努力で筋組成を変えた結果なのかは断定出来ません。

 

遅筋線維と速筋線維

 

持久的トレーニングによって速筋線維が遅筋線維へと変化することは間違いなく、したがって、持久的競技の選手は遺伝的要因にとらわれず、トレーニングによってつくることが可能と言えます。

 

一方、筋力トレーニングによって遅筋線維を速筋線維に変えられるかについては「変えられる」とする説と「変えられない」とする説が半々になり、スプリント競技やボディビルではトレーニングだけではどうしようもない部分が少なからずあるのかもしれません。

 

※しかし、動物実験では多くの場合、筋力トレーニングによりタイプⅡaの割合が増えることが示されています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

筋力や筋肥大のトレーナビリティは第一に遺伝子によって支配される

2014.07.22 | Category: トレーニング

筋のトレーナビリティ

 

筋肉のトレーナビリティー(筋肥大、筋力の着きやすさなど)と遺伝を関連づける研究は昔から行われており、その一つが、筋の組成に関わるものです。

 

筋線維のタイプ

 

私達の筋肉はさまざまなタイプの筋線維からできており、分類分けをすると、タイプⅠ、Ⅱa、Ⅱbの3種類に分けられます。

 

①タイプⅠ

 

持久性に優れるものの、力が極めて弱く、収縮速度も遅いために遅筋線維(ST)と呼ばれます。

 

②タイプⅡa、Ⅱb

 

タイプⅠとはまったく逆で、速筋線維(FT)と呼ばれますが、タイプⅡaはタイプⅠとⅡbの中間的な性質を持ち、ややオールラウンド的な性格(したがってスポーツにも重要)のものと考えられています。

 

※トレーニングによって著しく肥大するのは速筋線維になります。

 

筋力や筋肥大のトレーナビリティは遺伝子によって支配される

 

大腿四頭筋の外側広筋を例にとると、平均的な人では、50%が遅筋線維で、50%が速筋線維となっており、速筋線維が多い人ほど、断面積が大きいことも確認されています。

 

筋の中に含まれている遅筋線維と速筋線維の数の比が、まず遺伝によって決まることは間違いなく、Komi(1976)の研究によって、一卵性双生児(遺伝子が同じ)では、それぞれの子の筋肉に含まれる遅筋線維の割合がまったく同じなのに、二卵性双生児ではそうならないことが示されています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

乳酸性疲労を防止するためウェイトコントロールをしなければいけない理由(乳酸は脂肪組織からも放出される)

2014.07.21 | Category: トレーニング

高血糖状態でグルコースが脂肪組織に取り込まれる

 

強度の高い運動後には筋肉で発生した乳酸が疲労の原因となって、筋肉はもちろんのこと、全身に気だるさを呼び、眠気を催します。

 

※このダルさと眠気は、筋肉運動をしなくても昼食後などに襲ってくることを多くの人が自覚していることです。

 

非運動時においても、食後の高血糖状態でグルコースが脂肪組織に大量に取り込まれると、脂肪組織で乳酸に代謝されて血中に放出されて血中に放出され、高乳酸血症状態をつくります。

 

※安静状態で血中に流される乳酸の50~70%は脂肪組織から放出されていることが確認されています。

 

肥満になると疲れやすくなる理由

 

一般に、体脂肪が増えるとスポーツで疲労しやすくなることや、肥満者は同じスポーツをしても早めに疲労してしまう傾向にあるのは、脂肪組織の量が多いために運動時にも安静時にも生成される乳酸量が多い為ではないかと思われています。

 

※脂肪細胞膜には、細胞内で生じた乳酸を血中に放出されるために働く乳酸トランスポーター(MCT1)があることが確認されています。

 

スポーツ選手は、過剰に体脂肪を増やさないよう常にウェイトコントロールしなければならない理由として、脂肪組織による乳酸放出を最小限にとどめて、乳酸性疲労の発生をしなければならないことを理解することは非常に重要です。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学

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ミトコンドリアと乳酸トランスポーター(モノカルボン酸トランスポーター:MCT)

2014.07.20 | Category: アスレティックリハビリテーション,トレーナー,トレーニング,ブログ

乳酸トランスポーター(モノカルボン酸トランスポーター:MCT)

 

乳酸を細胞膜やミトコンドリア膜を通して運び、出し入れする仕事をする膜タンパク質MCTがあることが、1990年代の初めに発見されました。

 

※この膜タンパク質は、乳酸のようにカルボキシ基を1つ持つ有機酸(モノカルボン酸、ピルビン酸、β-ヒドロキシ酪酸など)を出し入れすることを仕事としています。

 

筋肉だけでなく、脳、心臓、肝臓、腎臓、脂肪組織などほとんどの組織に存在し、赤血球膜にもあります。

 

筋肉内の乳酸トランスポーターはトレーニングで増量する

 

トレーニングによってスタミナが増強するメカニズムとして、運動中に筋肉で発生する乳酸が、速やかに筋肉から血液に放出されること、そして筋肉内でミトコンドリアに取り込まれて、有酸素エネルギー代謝で炭酸ガスと水に分解されることの2点があることを示しています。

 

※筋肉の乳酸トランスポーターがトレーニングによって増量すること、また、筋肉のミトコンドリアの乳酸トランスポーターも、トレーニングによって増量することが示されました。

 

このことによって、筋肉に乳酸が蓄積して酸性化することが防止され、エネルギー生産がスムーズに進む環境が作られます。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学

 

スポーツ選手が疲労の発生を出来るだけ遅くして、パワー、スピード、スタミナを十分に発揮するための3つの対策

2014.07.19 | Category: トレーナー

古い疲労物質「乳酸」の新しいサイエンス

乳酸

激しい運動では筋肉が酸素を十分にもらえない条件下で収縮するために、グルコースやグリコーゲンが無酸素エネルギー代謝で分解されて乳酸を発生させてしまいます。

 

※乳酸は本来、酸素があれば炭酸ガスと水に分解されるもので、したがって、乳酸はグルコースやグリコーゲンの不完全燃焼物になります。

 

乳酸は酸性物質ですので、筋肉内の乳酸が高濃度になると、筋細胞内が酸性化しますので、エネルギー代謝系で働く酵素群が活性を低下させていきます。

 

※特にATP(アデノシン三リン酸)の合成、分解に働くATPアーゼは酸性化に弱く、すぐに働きをやめてしまうので、筋肉はエネルギーを生産できなくなり運動を低下させてしまい、これを「疲労」と呼びます。

 

 疲労の発生を遅くしパワー、スピード、スタミナを発揮する方法

 

スポーツ選手が疲労の発生を出来るだけ遅くして、パワー、スピード、スタミナを十分に発揮するためには次の3つの対策が必要になります。

 

①乳酸を発生させないようにする。

有酸素性エネルギー代謝でATP生産が出来るように、最大酸素摂取量を大きくするためのスタミナアップトレーニング(インターバルトレーニングなど)をする。

 

②TCAサイクルで乳酸を分解する

乳酸が発生しても速やかに筋肉内のミトコンドリアに運び込んで、スピーディにTCAサイクルで炭酸ガスと水に分解するシステムの性能をアップする。

 

③血中に乳酸を運ぶ

筋肉内に発生した乳酸を血中にどんどん運び出すシステムの性能をアップする。

 

※①のインターバルトレーニングには科学的研究によりすべての競技スポーツにて実践、応用されています。

※インターバルトレーニングによりスタミナがつきパワーやスピードのアップも出来るメカニズムには②や③に示された乳酸のミトコンドリアへの運び込みや血中への運び出しなど、新しい科学情報「乳酸トランスポーター」が関係していることが判明しています。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学

筋肉がつきやすい「体質」と「遺伝」

2014.07.18 | Category: トレーナー

筋のトレーナビリティと遺伝

 

同じようなトレーニングをしていても、みるみる筋肉がついたり、筋力が伸びたりする人(トレーナビリティの高い人)とそうでない人がいることは認めざるをえません。

 

※このような現象を説明するのに「体質」という便利な言葉があり、体質は特定の目的のもとでは「素質」の大きな要素となります。

 

遺伝と家系

 

実験に用いられるラットやマウスには多くの場合「家系」があります。

 

遺伝的に均一な「純系」やそれに近い近縁の系統が近親交配を繰り返してたくさん作られており、こうした様々な系統のラットにトレーニングを施すと、筋が肥大しやすい系統としにくい系統があるらしいことが次第にわかってきており、このことは、筋肥大のトレーナビリティが遺伝的に支配されている可能性をしめしています。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

スローリフトとアイソメトリックトレーニング(等尺性収縮)

2014.07.17 | Category: トレーニング

スローリフトとアイソメトリックトレーニング(等尺性収縮)

筋内血流と筋力発揮を考えるとアイソメトリックトレーニングが良いとなりますが、一概にそうではありません。

 

アイソメトリックトレーニングは外に向かって仕事をするわけではなく、加えて筋の生産する熱も極めて少ないという性質があります。

 

※したがって、エネルギー消費が少なく、代謝産物の蓄積効果も極めて小さいことになります。

 

上記の事を考えると2分間の空気椅子より、1回10秒のスロースクワットを10回行った方が良いと言えます。

 

※ただし、立ち上がった状態で休みをいれることなく、常に筋の緊張を解かないようにする必要があります。

 

負荷

 

筋の血流に影響をおよぼすのは最大筋力の40%以上の負荷になります。

 

※スクワットでは最大挙上負荷が自体重と同等レベルの重量であれば、負荷なし(自重のみ)のスロースクワットで躊躇な成果が期待できることになります。

 

スローリフトの実際の効果については筑波大学の研究によると、レッグエクステンションを用いた際50%1RMの負荷、筋の張力を維持しながら3秒で挙げ、3秒で降ろす、10回×3セット、3ヶ月という条件で、約10%の筋肥大と筋力の向上が起こったという結果が出ました。

引用・索引 究極のトレーニング 石井直方

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