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2014 9月の記事一覧

ウェイトトレーニングと筋力トレーニング(最大筋力ばかりにこだわらず、パワー、スピード、持久力、柔軟性といったスポーツ動作に求められる様々な要素をも視野に入れる)

2014.09.30 | Category: トレーニング

トレーニングの名称

 

「ウェイトトレーニング」と「筋力トレーニング」という2つの用語は、ほぼ同義に用いられています。

 

両方とも筋肉の発揮出力を高めることを目的として、筋肉に負荷抵抗(レジスタンス)を与えて行うトレーニングを示しています。

 

「ウェイトトレーニング」というのは使用する「道具」に着目した言い方で、一方、「筋力トレーニング」は最大筋力を高めるという「目的」に着目した言い方です。

 

最近では混乱を避けるために、これら筋肉に対して抵抗を与えるトレーニングのことを総称して「レジスタンストレーニング」とも呼ばれます。

筋力トレーニング

 

従来行われてきた筋力トレーニングは、重量負荷に関心が集中し、とにかく重い負荷を挙げられるようにすることを追求する傾向が強いといえます。

 

最大筋力の向上という筋力トレーニングの重要な目的の一つには合致していますが、スポーツのパフォーマンス向上を考えた場合、筋肉(骨格を含む)の機能は最大筋力の他に、パワー、スピード、動作の大きさ(動的柔軟性)などが必要になってきます。

 

これらの一つ一つの目的に応じて、用いる負荷の重さ、繰り返しの回数、動作スピード、器具などを選択していくことが賢い方法ということになります。

 

※この際、共縮の問題も頭に入れて置かなくてはならず、主動筋と拮抗筋の関係に着目し、関節の柔軟性を損なわないようにトレーニングすることが大切です。

 

パワー系種目の競技特性を踏まえたトレーニング

 

アメリカンフットボールの選手は、ゆっくりとした動作の筋力トレーニングに加えて、ハイクリーン(ウェイトリフティング競技動作の一部で、床上のバーベルを胸元まで勢いよく引き上げる動作)等のスピードを重視した種目をよく行います。

 

専門的には「パワー系種目」と呼ばれますが、これらは、短時間に爆発的なパワーを出して相手とぶつかったり、ダッシュをしたりというアメリカンフットボールの競技特性を十分に考慮に入れ、筋力にスピードが加わったパワー、さらに動作の大きさを重視したトレーニング方法といえます。

 

最大筋力だけで成績が左右されるスポーツは無く、スポーツのパフォーマンス向上を目指すなら、最大筋力ばかりにこだわらず、パワー、スピード、持久力、柔軟性といったスポーツ動作に求められる様々な要素をも視野に入れてトレーニングに取り込む事が重要です。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

選手の生理的限界と心理的限界(多くの運動単位を動員できれば細い筋肉でも大きな力発揮が可能)

2014.09.29 | Category: トレーニング

筋肉の横断面積と筋力

 

筋力の大きさは筋肉の横断面積に比例します。

 

※太い筋肉のほうが細い筋肉よりも力を発揮します。

 

これは生理学上の原則で、実際の筋力発揮の場面では、必ずしも当てはまらないケースが出てきます。

 

例えば、腕相撲で明らかに腕が細いとわかる人が勝つ場合、これはテクニックによる要因もありますが、生理学的に細い筋肉が太い筋肉に勝る場合もあります。

 

速筋線維と遅筋線維

 

まずは、先天的な筋肉の質の問題があり、人は生まれながらにして収縮速度が速い「速筋線維」と、収縮速度が遅い「遅筋線維」の割合が決まっており、それは各人によって異なります。

 

見かけ上、同じような太さの筋肉を持っていたとしても、その中身は違い、遅筋線維よりも速筋線維の割合が多い人のほうが最大筋力の値は大きくなるので、一見細い筋肉でも大きな筋力発揮をすることがあります。

筋肉と神経系

 

もう一つの要因は神経系にあり、筋肉が大きな力発揮をするには、いかに大脳の興奮水準を高め、多くの運動単位を動員できるかにかかっています。

 

日頃から集中力を持ってトレーニングを行い、筋力の発揮能力を高める訓練をしていれば、細い筋肉でも大きな力を発揮できるようになります。

 

細い筋肉にも限界があり、仮に運動単位を100%動員できたとしても(実際には不可能)それ以上力の強い人には勝てません。

 

※テクニックの要素を除外して、腕の細いAさんと腕の太いBさんが腕相撲をした場合、Aさんは十分にトレーニングをしてほぼ100%の運動単位が動員でき、そのときの力が10kgとし、相手のBさんは60%の運動単位しかできませんが、その時の力が12kgとした結果はBさんの勝ちになります。

 

すなわち、いくらトレーニングをしても、もともとの器が大きい相手にはかなわないということになります。

 

筋肉は、自分が最大限に努力をして力を出したと思っても、まだ余力を残しています。

 

前者を「心理的限界」、後者を「生理的限界」といいます。

 

生理的限界の高い人には、それの低い人がいくら心理的限界を高めても勝てません。

 

ここでいえることは、トレーニングの第一目的は生理的限界を高め、器を大きくするのだということ、そして第二段階として心理的限界を高める努力をしなければならないということです。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

スポーツで優秀な成績を収めるには大脳皮質の興奮水準を高める必要がある(大脳皮質をそれほど使わない人が大きな力を発揮することは生理学上は考えられない)

2014.09.28 | Category: トレーニング

スポーツ選手と脳

スポーツと脳の関係

スポーツばかりしていて、あまり勉強しない人のことを「あいつは頭も筋肉だ」ということがありますが、スポーツ選手は、本当に頭を使っていないのでしょうか?生理学的にいうと答えは「NO」です。

 

筋肉が大きな力を発揮するためには大脳の興奮水準を高める必要があり、したがって大脳皮質をそれほど使わない人が大きな力を発揮することは生理学上は考えれません。

 

さらにスポーツ動作においてはただ単に力を出すだけでなく「力の大きさ」「方向」「タイミング」の3要素を意識的にコントロールして力発揮することが大切です。

 

それらは非常に頭(大脳皮質)を使う作業になり、スポーツ動作で優秀な成績を収めるには、大脳皮質、特に創造性を司る前頭葉の機能が高いことが求められます。

 

先の3要素を自分自身の意思でコントロールしなが動作するのが重要なのであって、何も考えずに漫然と動作をし、コーチにいわれるままにロボットのように身体を動かすのも上達は望めません。

 

ところが、コーチの側がこの生理学的原則を無視し、選手が大脳皮質を使うことを許さず一方的に指導をしてしまうケースがよくあり、そのように指導された選手は意外に早く競技成績の頭打ちがきますし、壁にぶつかったときにそれを乗り越えられずに潰れてしまいます。

 

運動単位の動員を増やし、競技能力を上げるには大脳の興奮水準を高めるトレーニングが重要になる(大脳の興奮水準が高ければ高いほど、発揮される筋力は大きくなる)

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野球の投手がシーズン中になぜ泳いではいけないと言われるか?(筋肉の収縮様式:初動負荷と終動負荷)

2014.09.27 | Category: 投球障害治療

投手のトレーニングには水泳は不向きなのか?

水泳と野球

野球の投手は肩を冷やすので泳いではいけないと、昔からよく言われます。

 

「肩を冷やす」という表現は抽象的ですが、要するに投球動作に重要な肩や肘の関節が冷えるとその周辺部の筋肉の血行が悪くなり、柔軟性を損なってフォームを崩す恐れがあることを指摘しているのだと思います。

 

決してナンセンスな理屈ではなく、特に投球フォームの維持が大切なシーズン中に泳ぐことを控える説明としては、それなりに説得力があるものです。

 

野球におけるチームの期分けトレーニングプログラム(競技シーズンと期分け)

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柔軟性も高める筋力トレーニング(共縮を防ぐ事前疲労法・スーパーセット法・初動負荷法)

2014.09.26 | Category: トレーナー

柔軟性と筋力トレーニング

 

筋力トレーニングをすると身体が硬くなるというのは迷信ですが、だからといって、筋力トレーニングをしても全く身体は硬くならないというのも100%真実ではなく、方法によっては、関節可動域が小さくなってしまいます。

 

共縮

 

トレーニングの際、気をつけなければならないのは、筋肉の「共縮」です。

 

共縮とは主動筋と拮抗筋が同時に収縮してしまうことをいいます。

 

共縮が起こると、主動筋が力を発揮する作用と、それを助ける拮抗筋の抑制作用とがうまく働かなくなり、関節の動きが制限されています。

 

1例を挙げると、ベンチプレスで、いわゆるスティッキングポイント(力が出しにくくなるポイント)が出現するような重い重量負荷でゆっくり挙上する場合がこれにあたり、バーベルを挙げる際、肘を伸ばす上腕三頭筋と、その拮抗筋上腕二頭筋が同時に収縮してしまい、また、バーベルを下ろす際もこの2つの筋肉が同時に活動し、共縮の状態となります。

 

このような動作を繰り返し行っていると、関節可動域が小さくなり、本当に柔軟性が損なわれる可能性があります。

 

共縮を防ぐためには

 

共縮を防ぐためには、主動筋と拮抗筋を交互に刺激することが大切になります。

 

1つのトレーニング動作の中でそれが行われることが理想ですが、それは、現実には難しいので、1セットづつ行う、または、主動筋の種目と拮抗筋の種目を組み合わせて連続して行う方法(スーパーセット法)があります。

 

具体的な例でいうと、上腕部なら上腕二頭筋に対して上腕三頭筋が主動筋・拮抗筋の関係になり、上腕二頭筋を鍛えるアームカール等と、上腕三頭筋を鍛えるトライセラトップスエクステンション、フレンチプレス等を必ずセットとしてトレーニングを行うようにします。

 

※上腕二頭筋の種目の直後に上腕三頭筋の種目を行うと、上腕二頭筋は疲労した状態で拮抗筋として働くので、それだけ活動が抑制されます(事前疲労法)。

 

この時の種目である主動筋への負荷刺激が高まり、筋力向上が期待できると同時に、拮抗筋の抑制効果による関節の柔軟性向上も期待できます。

 

※さらに、関節本来の動きを制限しないような配慮も必要で、例えば肩関節などは、非常に自由度が高い関節で、そのおかげで腕は多様な動きが可能になり、ここに着目し筋力トレーニングの際に捻りを加え、ダンベルプレスを行う際に腕をひねって行うこと(ダンベルを挙げる際は手のひらが内側、下ろした時には手のひらが外側)で、これにより、肩関節本来の動きに近くなり、関節の柔軟性向上が期待でき、こうしたトレーニングは初動負荷法として知られています。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

 

拮抗筋を最も緩めるストレッチとは(静的ストレッチ・動的ストレッチ)

2014.09.25 | Category: トレーニング

拮抗筋を最も緩めるストレッチ

運動

静的ストレッチ

 

スポーツ動作に必要な柔軟性には、関節可動域が大きく関与しています。

 

足関節や、股関節、肩関節といった関節の可動範囲が大きければ大きいほど、滑らかでダイナミックな動きが可能になります。

 

関節可動域を広げようとするときには、関節を曲げる筋肉(主動筋)の拮抗筋(主動筋とは反対の働きをする筋肉)の活動を抑制する必要があります。

 

※例えば立位体前屈をする際には、その動作の拮抗筋である大腿部後面の筋肉の活動を抑制しなければなりません。

 

静的ストレッチは、この拮抗筋の活動を抑制する効果が予想以上に低いとの研究結果が報告されています。

 

ストレッチングの効果(柔軟性、障害予防、パフォーマンス向上、疲労の回復、リラックス)

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競技において運動神経が良いとは?(相反性神経支配がうまく働いている人)

2014.09.24 | Category: トレーナー

中枢神経系と末梢神経系

 

筋肉を収縮させるためには脳からの電気刺激が必要になり、電気刺激を伝えるのは神経系になります。

 

神経系は大きく分けて中枢神経系と末梢神経系があります。

 

解剖学用語として「運動神経」と呼ばれているのは、末梢神経の中の「遠心性神経」のことで、脳からの末梢の筋肉に命令を送る神経になります。

 

しかし、私達が普段「あの子は運動神経が良い」という場合の運動神経は、この解剖学上の遠心性神経の機能のみを指すのではなく、目的とする運動をスムーズに行われることを包括的に表現しています。

 

感覚神経

 

運動時には、脳から筋肉へ命令を送るだけでなく、筋肉から脳(および脊髄などの中枢)へ命令を送り出す働きが相互にバランス良く機能しなければなりません。

 

この後者の働きをする神経を感覚神経(遠心性に対しては求心性神経という)と呼びます。

 

一連の流れとして、まず、目や耳から何かの刺激が入り、それが感覚神経を通って脳に伝えられ、次に脳から「運動せよ」との命令が運動神経を通り筋肉に伝えられます。

 

筋肉の中にはその長さを検知する筋紡錘や、張力を感知する腱紡錘といった器官があり、これらが働いて検知した結果が感覚神経を通じて中枢神経系にフィードバックされ、その情報に基づき、中枢では新たな命令を筋肉に送ります。

 

この繰り返しによって運動が遂行され、一連の神経系の働きがスムーズに行われるか否かが、動作として表現される運動の質に大きな影響を与えます。

 

運動神経が良いとは?

 

例としてサッカーのボールを蹴る運動をイメージしてみましょう。

 

膝を伸ばすときに主動筋となるのは、大腿部の前面にある大腿四頭筋になります。

 

脳からの命令が大腿四頭筋に届くと、筋肉の中の筋紡錘や腱紡錘が働いて、その時の筋肉の状態を感覚神経を通して脊髄にフィードバックされ、主動筋である大腿四頭筋の収縮をより増幅させるために運動神経を通してその命令を大腿四頭筋に送ります。

 

さらに、拮抗筋として働くハムストリングス(大腿後面の筋肉)の収縮を抑制するために、命令が送られないようにコントロールします。

 

ハムストリングスの中では、同じように筋紡錘や腱紡錘が働いて、自らはより抑制的に、大腿四頭筋に対してはより強い収縮が起こるような命令の循環が起こります。

 

これを「相反性神経支配」と呼びますが、この命令系統がスムーズに行われると、キックがより強く正確になる、つまり、運動の質が高まるということになります。

 

※脚を振り出す前のデータバックの局面では、両者の筋肉にまったく逆の命令が届きます。

 

動作が滑らかで、かつダイナミックな人を指して「運動神経が良い」と評価することが多く、運動神経が良い人はこのこの相反性神経支配がうまく働いている人だともいえます。

 

主動筋の出力を増し、拮抗筋の抑制を促すようなトレーニングがとても重要になります。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

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筋肉の横断的と縦断的な柔らかさ(「身体が硬い」のに実際のスポーツ動作ではとても滑らかでダイナミックな動きをする選手がいる)

2014.09.23 | Category: トレーニング

筋肉の柔らかさ

 

この場合の柔らかい筋肉とは、上から押して柔らかい、つまり弾力性に富んだ筋肉を指しています。

 

これを「横断的な柔らかさ」といいます。

 

横断的に柔らかい筋肉のほうが柔軟性があったり、スポーツパフォーマンス(スポーツの競技成績)に有利であると言った話は迷信で、科学的根拠はありません。

 

スポーツ動作に必要な柔軟性とは筋肉そのものの柔らかさではなく、機能的な柔らかさになります。

 

筋肉の縦の柔らかさ

 

機能的な柔らかさを生み出すのは、横断的に対して「縦断的な柔らかさ」です。

 

筋肉が「縦方向にどれだけ伸び縮みするか」これこそが重要になります。

 

筋肉の収縮と弛緩

 

スポーツの動作は、筋肉が収縮(縮む)と弛緩(緩む)を繰り返して行われます。

 

最大に収縮した時と、最大に弛緩した時の長さの差が大きければ大きいほど関節の可動域(関節が動く範囲)が大きくなり、運動をする上で有利となり、発揮する力も大きくなると考えられます。

 

※スポーツに求められる筋肉の柔らかさは、横方向よりも縦方向であり、押して柔らかいからといってスポーツに有利なわけではありません。

 

静的ストレッチ

 

スポーツ動作に必要な柔軟性、つまり筋肉の縦断的な柔らかさはを手にいれる代表的な手段として、静的ストレッチがあります。

 

※あるポーズで静止したまま20~30秒保持するタイプで、反意語として動的ストレッチがあります。

 

静的ストレッチは1980年代にアメリカから日本に紹介されスポーツ界、一般にも広く普及し運動前のウォーミングアップとして多くの人が行うようになりました。

 

ところが、その効果に関して、最近は疑問視される傾向もでており、その根拠は静的ストレッチをすると「身体が硬い」のに実際のスポーツ動作ではとても滑らかでダイナミックな動きをする選手がいるということです。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

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トレーニングの特異性の原則(競技時の運動の強度、さらにオーバーロードの原則に従う)

2014.09.22 | Category: トレーニング

特異性の原則

 

それぞれのスポーツ種目に合ったトレーニングを進める場合には、トレーニングの基本原則(全面性、意識性、斬新性、反復性、個別性)の上に新たな原則「特異性の原則」を考慮する必要があります。

 

これは、野球なら野球、サッカーならサッカーの専門的トレーニングというような専門性の追求が必要になります。

 

※特異性の原則は全面性の原則にやや矛盾する概念ですが、全面性の原則はあくまでも基礎づくりで、特異性の原則は競技における専門性の追求になり、トレーニングの目的が変わります。

 

特異性の原則の主な構成要素

 

特異性の原則には、主な構成要素が3つあります。

 

①動作様式の特異性

 

1つ目が動作様式の特異性です。

 

これは、そのスポーツ種目の試合やレースで用いられる動作(フォーム)に合わせてトレーニングをするということ、加えて、筋肉の活動様式にも着目すると、より特異性を考慮することになります。

 

動作時に筋肉が発揮する力のタイミング、大きさ、方向性といったものを試合やレースに合わせることが重要です。

 

※これが、軽視されると見た目のフォームが同じであっても筋肉の活動が異なり、間違ったトレーニングになる可能性があり、その代表例が野球選手が行うピッチングチューブトレーニングになります(ピッチングは初動負荷であり、チューブは終動負荷)。

 

②動作速度の特異性

 

2つ目は動作速度の特異性です。

 

陸上競技の走種目や水泳に代表されるように、各スポーツ種目の動作には独特のリズムとピッチがあり、これを、出来る限りレースや試合に合わせてトレーニングすることが重要です。

 

もし動作速度が異なれば、動員される運動単位(筋線維)がことなり、速い速度で運動すれば速筋線維が多く動員され、遅い場合は遅筋線維がより多く動員されます。

 

レースや試合と極端に異なる速度で筋肉を収縮させた場合、意図しているものとは異なる筋線維をトレーニングしていることになります。

 

③運動時間の特異性

 

3つ目は、運動時間の特異性になります。

 

1回ごとの運動時間を、その競技のレースや試合に合わせることが大切で、運動時間の長さにより、筋肉が主に利用するエネルギー供給系を合わせるということです。

 

運動時間の長さにより、筋肉が主に利用するエネルギー供給系は異なり、短時間の全力運動なら非乳酸性機構が使われ、種目でいえば、ウェイトリフティングや陸上競技の投擲などがその代表です。

 

これらの種目のトレーニングとしては、非乳酸性機構が主に使われる短時間の運動が適切ということになります。

 

反対に長距離種目では、有酸素性機構が主になりますので、それを考慮したトレーニング内容を選択すべきです。

 

※野球での1000本ノック、グラウンド10週、20週という走り込みは特異性の原則には合わないことになります。

 

運動強度の特異性

 

さらに4つ目を上げるとすれば、運動強度の特異性があります。

 

トレーニング時に行う運動の強度を、試合やレース時のものに合わせ、あるいは、オーバーロードの原則にしたがって少しだけ強度の高い負荷、あるいは技術・戦術の難易度を上げた内容を選択してトレーニングしていくと確実な成果が期待できます。

 

したがって、練習の中に試合やレースの要素をどう組み込むかということがそれぞれの専門種目で強くなるための重要なポイントになります。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

 

トレーニングにおいて個別性の原則(性別、年齢、体力レベル、技術レベル、一人一人で異なったものであるべき)

2014.09.21 | Category: トレーニング

個別性の原則

 

個別性の原則とは、トレーニングの内容は全員が同じことをすれば良いというわけではなく、一人一人で異なったものであるべきという原則です。

 

トレーニングを行う人の性別、年齢、体力レベル、技術レベル、チーム内でのポジション、あるいはトレーニングの習熟度などによってそれぞれ異なる内容のトレーニングが行われなければなりません。

 

集団での個別性

 

集団で選手が全く同じトレーニングを行う場合、ある選手にとっては適切な負荷であっても他の選手にとっては軽すぎてトレーニング効果が期待できなかったり、また別の選手にとっては重すぎてオーバートレーニングの原因になったりします。

 

細かい部分までトレーニング内容を個別にプログラミングするのは難しいですが、出来る限り各個人の特徴に合った内容を設定し、最も効果を期待できる方向でトレーニングを進めることが大切です。

 

ジュニア期においての個別性

 

個別性の原則にのっとったトレーニングを考えるときには体力テストなどを利用するト選手個人の能力を詳細に把握でき、非常に参考になります。

 

選手個人の能力に合わせたトレーニングプログラムを作成し、指導することが指導者の腕の見せ所で、特に、ジュニア選手の場合は、発育・発達状況に大きな個人差があるので個別性の原則が特に重要になります。

 

ある選手には難なくこなせるトレーニングであっても、別の選手にとっては負荷が強すぎて怪我やオーバートレーニングの原因になることがよくありますので、細心の注意が必要です。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

 

反復性の原則(超回復とオーバートレーニング)

2014.09.20 | Category: トレーニング

反復性の原則

超回復

トレーニングと反復性

技術練習であっても体力トレーニングであっても、同じことを繰り返し行えば、その技術や体力が定着していきます。

 

反復して行うことで脳のプログラミングが確かになりますし、「斬新性の原則」と組み合わせることによって動作の精度、力強さなどが向上していきます。

 

アミノ酸と筋損傷(乳酸は「代謝によってできるもの」であるのに対して、筋肉痛は「筋が瞬間的に大きな力を出そうとして生じた力学的な原因によるもの」)

(さらに…)

斬新性の原則(トレーニングの負荷は軽いものから始め、徐々に重いものへ)

2014.09.19 | Category: トレーニング

斬新性の原則

 

これは「オーバーロード(過負荷)の原則」とも呼ばれます。

 

トレーニングの負荷は軽いものから始め、徐々に重いものへ、技術練習の場合はやさしいものから少しづつ難しいものへと内容を変えていくことを指します。

 

順次トレーニングの難易度を上げていき、それをクリアしていくことが重要になります。

 

※10年間毎日腕立て伏せはいつも30回3セットといった固まったトレーニングは斬新性の原則には反することになります。

 

もし30回3セットが楽にできるようになったら、次は足を台に乗せて傾斜をつけたり、背中に砂嚢を乗せるなど筋力や体力の向上に合わせて少しづつ負荷を上げなければなりません。

 

このときの負荷をオーバーロード(過負荷の原則)と呼びます。

 

「クワトロのミロ」

 

斬新性の原則を語るときに有名な例え話があります。

 

古代ギリシャの町クロトナに住む17歳の青年ミロは、筋力を鍛えようと子牛を持ち上げるトレーニングを始めました。

 

その時の子牛の体重は75ポンド(約34kg)でした。

 

このトレーニングを毎日行うわけですが、子牛は草を食べて成長し、少しづつ重くなります。

 

ミロは201日間トレーニングを続け、牛が290ポンド(132kg)まで成長したところで、とうとうこれ以上持ち上げることが出来なくなりました。

 

しかし、この時点で、ミロは当初の4倍近い筋力を身に付けたことになり、子牛の体重増加がほどよいオーバーロードとなり、斬新性の原則に基づくトレーニングが出来たのです。

 

技術練習もまったく同じで、練習の難易度を徐々に上げていってこそ効果が上がるものであって、ナショナルチームが行っている練習をいきなり小学生や中学生にさせてもほとんど意味がなく、努力すれば達成可能な練習課題を設定し少しづつ難しいものに変えていくことが必要になります。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

基礎代謝(エネルギー代謝と血中グルコース濃度と脂肪酸酸濃度)

2014.09.18 | Category: トレーニング

基礎代謝

 

基礎代謝は、空腹時状態の覚醒下、横たわった状態での全身の酸素消費量で測定されます。

 

※消化器官が運動していないこと、消化・吸収のためのエネルギー消費がないこと、そして筋肉運動がないことなどが条件になっています。

 

血液中のグルコース濃度は低めで脂肪酸濃度は逆に高く、エネルギー代謝は脂肪の酸化分解に傾いた状態にあります。

 

全身の細胞が淡々と物質代謝、特にタンパク質の合成と分解を進めており、それに必要なエネルギーが主として脂肪酸、それにグルコースの分解によって供給されています。

 

※この代謝は筋肉で最も多くなされており、全身の酸素消費の30~40%と最大の部分を筋肉が占めています。

 

年代別基礎代謝量

 

基礎代謝量は子供時代に大きく、中学、高校性時代に最大になります。

 

この年代では世界中どこでも人間はどれだけ食べても太りにくく、身体は高い体力と健康を維持し、生涯で最高に健康な状態にあります。

 

ところが、基礎代謝は20歳ころから少しづつ低下し始め、40歳前後の中年期から急降下してきます。

 

基礎代謝が低下すると脂肪の体内沈着が進む

 

基礎代謝が低下し始めると、エネルギー源のグルコースと脂肪のどちらもが燃えにくくなりますが、グルコースはあまり問題を起こしません。

 

なぜなら、グルコースはグリコーゲンになって肝臓や筋肉に貯蔵しているほか、アミノ酸に変化してタンパク質になったり、脂肪に変わったり、そして糖尿というように尿にも排出してもらえるからです。

 

しかし、脂肪が分解されなくなると、脂肪は他の物質に変化することがほとんど無い上、脂肪尿という症状がないように、尿へも排出されないので、そのまま体内に沈着せざるを得ません。

 

※大量に脂肪組織に貯蔵されて中年肥満を起こし、少量ながら動脈壁にも沈着して動脈硬化を進行させ、さらに、肥満するとインスリン作用が働きにくくなっても糖尿病が、動脈が硬化すると高血圧、心臓病が起きやすくなります。

引用・索引 実践的スポーツ栄養学

トレーニングの意識性の原則(大脳の興奮水準を高め、多くの運動単位動員させる)

2014.09.17 | Category: トレーニング

意識性の原則

 

トレーニングは、それを実施している本人が「やる気」で行うことが大切で、これを「意識性の原則」といいます。

 

監督やコーチに「やらされている」のではなく、自分自身の意思でコントロールしながら、身体を動かすということです。

 

スポーツは決して筋肉だけで行われるのではなく、脳が深く関与します。

 

常に大脳からの制御に基づいて、各部位の筋肉の出力を強めたり弱めたりして動作が行われ、自分自身の意思が明確であればあるほど、一つ一つの動作が早く身につきますし、パワフルでメリハリのある動作になります。

 

例えば、筋力トレーニングで最大筋力を向上させるには、自分の限界近くの重量負荷でトレーニングしなければならず、精神的に高揚した状態でバーベルに向かいます。

 

※これは大脳の興奮水準を高め、できるだけ多くの運動単位(1本の運動神経が支配する筋線維の束)を動員して最大限の能力を発揮しようとしており、これは意識性の原則を端的に表す現象で、リラックスした状態でバーベルを握っても、最大筋力付近の重量を挙げることは不可能ですし、トレーニング効果も薄いといえます。

 

スポーツのトレーニングは、それぞれのトレーニングの目的、方法、実施上の留意点、効果などを十分理解したうえで、高い集中力と意欲を持って取り組むことが大切になります。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

トレーニングにおける全面性の原則(あらゆる競技は局所ではなく全身の筋肉を駆使して行うもの)

2014.09.16 | Category: トレーニング

全面性の原則

 

全面性の原則とは、簡単にいえばオールラウンドな鍛え方をするということです。

 

いろいろな機能をバランスよく高め、総合的な身体の発達を狙います。

 

わかりやすい例でいえば、あらゆる競技は局所ではなく全身の筋肉を駆使して行うもので、陸上選手が脚だけ鍛えればよいわけではなく、水泳選手が腕だけ鍛えれば良いということでは無いということにつながります。

 

※スポーツは全身の筋肉を駆使して行うもので、鍛える部位に優先順位があっても手落ちがあってはいけません。

 

競技における全面性の原則

 

全ての運動能力(エネルギー供給機構)を高めるという点でも全面性の原則が当てはまります。

 

それぞれののスポーツ種目にはいわゆる種目特性があって、競技特性があって、競技時間が長いものと短いもの、大きな筋力発揮を要するものとそうではないもの、技術的要素が大きいものとそうではないものといったように様々です。

 

種目特性に応じてトレーニングの内容を決めていくのは当然のことですが、特定の要素だけに極端に偏ってしまうのはよくありません。

 

※短距離選手は無酸素性の能力を高めればよいかといえばそうではなく、有酸素性のトレーニングも必要で、マラソン選手は逆のことがいえます。

 

さらに忘れていけないのが、心理的要素、技術的要素、体力的要素の全てを鍛えることが大切になります。

引用・索引 勝ちに行くスポーツ生理学

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