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2014 12月の記事一覧

脊髄反射と皮膚受容器(屈曲反射・交叉性伸展反射)

2014.12.31 | Category: トレーニング

脊髄反射・皮膚受容器

皮膚受容器

脊髄反射

 

末梢から脊髄へ強い感覚入力が入ると、その信号を使って脳からの指令無しに効果器(筋肉)を収縮あるいは弛緩させることで適切な行動が誘発されます。

 

これを「脊髄反射」といいます。

 

脊髄反射は脳を介さないので感覚入力から運動発現まで短時間で済み、姿勢の自動制御などに有効になります。

 

しかし、反射に脳がまったく関与しないということはなく、ある強度の刺激入力に対して筋をどれほど収縮させるかといったゲイン(利得)の調節には脳が関与します。

 

屈曲反射・交叉性伸展反射

 

脊髄反射には皮膚受容器によるものもあります。

 

たとえば、針やガラスの破片を踏むと瞬時に足を引っ込める反射が起き、侵害刺激から下肢を遠ざけようとします。

 

これは「屈曲反射」と「交叉性伸展反射」が関わっています。

 

皮下の侵害受容器からの求心性線維は、脊髄内で複数の興奮性介在細胞を経て同側四肢の屈筋を支配する運動神経にシナプスを接続します。

 

その一方で、反対側の伸筋を支配する運動神経にも興奮性の作用を及ぼします。

 

下肢の場合で考えると、侵害刺激から遠ざかるために左足を引っ込めると(屈曲反射)、全身を右足一本で支えることになります。

 

したがって、右足はしっかり伸展させ、転倒しないようバランスをとることが必要となります。

 

この伸展反射は反対側四肢の受容器からの信号が引き金となるので交叉性伸展反射といいます。

引用・索引 スポーツ・運動生理学概説


睡眠と脳(睡眠不足は交感神経活動の亢進とともに血糖調整機能の低下、食欲抑制作用レプチンの分泌量が低下)

2014.12.30 | Category: トレーナー

睡眠の役割と不十分な睡眠がもたらす健康被害

睡眠

睡眠

動物は活動と休息を繰り返しています。

 

昼行性の動物は日中、夜行性の動物は夜間に主として活動しています。

 

動物の中で人は特に「睡眠」は大きな2つの「睡眠と覚醒の持続性」「眠りの深度を有している」という特徴を有しています。

 

筋肉をつけるためにはどれだけ睡眠をとる必要があるか?

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温度環境とトレーニング(熱中症は酵素系、低体温症は刺激伝導系に障害が起こる)

2014.12.29 | Category: トレーナー

温度環境とトレーニングとは

温度環境

温度環境

運動と環境を考える上で重要なのが、気圧とともに温度環境になります。

 

温度環境には低温域と高温域の間に恒温適応域があり、低温適応限界を下回ると凍死に、高温適応限界を上回ると熱中症にいたります。

 

恒温適応域は人体の能動的適応範囲であり、暑くなれば血管拡張や発汗、寒くなればふるえや非ふるえ熱産生による代謝量の増加により化学的、物理的及び生理的体温調節が行われます。

 

体温調節機能

体温は熱産生量と熱放散量のバランスによって決まります。

 

熱産生量はエネルギー代謝量によって、熱放散量は蒸発、伝導、対流、貯熱によりコントロールされます。

 

正常体温

人体を筋肉や肝臓からの一つの発熱体と考えると、中核(Core)の深部から表層(Shell)の皮膚に熱が絶えず伝導しているので、測定部位により体温は異なります。

 

皮膚温は外部環境因子と内部環境因子(皮膚血流、深部から表層への熱流、発汗など)の両者の影響を受けます。

 

体温は臨床的には腋窩温や口腔温が、実験的には鼓膜温、食道温、直腸温が測定されます。

 

深部体温として、口腔温を用いられますが、呼吸や飲食の影響を受けやすく、午前中の測定で平均36.7℃くらいで直腸温より0.4℃低くなります。

 

食道温は直腸温より0.3℃ほど低く、人体中央部の体温としてよく用いられます。

 

鼓膜温は総頸動脈の血流温度を反映することから、体温調節中枢が存在する視床下部温にほぼ比例します。

 

直腸温は約37.0℃で測定が容易なことから、深部体温の代表としてよく用いられます。

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高所トレーニングによるパフォーマンス向上(運動時の組織の低酸素環境と類似している)

2014.12.28 | Category: トレーニング

高所トレーニング

高所トレーニング

高所トレーニングはさまざまなトレーニング方法の中でも実施しやすいことや低酸素がもたらす環境が運動時の組織の低酸素環境と類似していることから、低酸素環境下での運動による相乗効果を得ようとする考え方は理にかなっています。

 

高所適応として高所トレーニングの効果

長期間の高所でのトレーニングは一定の高所順化をもたらすと考えられています。

 

それは身体の組織が低い酸素分圧に徐々に慣れてくることを意味しています。

 

しかし、何年も高所に順化したランナーでさえ、高所でVO2maxを測定すれば低地で測定したVO2maxと同等レベルの数値を出せることは無いといわれ、したがって、高所順化は「高所でのパフォーマンスを改善し、運動に伴う生理的ストレスを和らげることはあるが、低地と同等のパフォーマンスを出せることはない」といわれています。

 

一方、高所環境下でのトレーニング時の生理的応答は低地のトレーニングでも起こる生理的応答と類似していることから、その両方の効果を合わせればトレーニング効果が高まると考えられます。

 

急性高所順化に伴う生理的応答

  1. 高所に伴う低圧低酸素環境下は身体の組織の酸素分圧を低下させます。
  2. 高所への急性順化により組織への酸素供給の急激な減少を補償するための急性適応が生じ、換気量の亢進や肺拡散能力の維持がありますが、ヘモグロビンと酸素の飽和度が低下するために組織への酸素運搬能力はやや低下します。
  3. 高所では血液と活動筋での酸素拡散勾配が減少するので、筋組織への酸素供給量が低下し、その結果、活動筋の酸素の抜き取りが少なくなります。
  4. 高所での血漿量低下は血液濃縮を生じさせ、赤血球濃度の増加をもたらし、結果、一定量あたりの酸素運搬能力は増加し、高所に伴う酸素不足を補う形となります。
  5. 高所に滞在してすぐに血液当量あたりの酸素含量の低下を補うために最大下運動中の心拍出量の増加が起こります。
  6. 高所での最大運動は低地と比較して一回拍出量と心拍数がともに低くなるために心拍数が低下します。
  7. 高所滞在により交感神経活動が亢進するので、エネルギー代謝率が亢進します。

慢性的高所順化および、高所トレーニングに伴う生理的順化

  1. 低酸素環境は腎臓からEPO(エリスロポエチン)放出の増加を招き、骨髄での赤血球生産量の増加をもたらします。
  2. 高所に2~3週間滞在すると除脂肪組織(筋肉量)の減少が起こることから、体重減少が見られ、これは高所滞在に伴う脱水や食欲低下が原因と考えられていますが、筋組織自体のタンパク質分解の亢進も原因となります。
  3. 筋組織の変化として、筋のタンパク質分解に伴う筋横断面積の減少や毛細血管密度の増加、代謝に関わる酵素活性の低下が起こります。
  4. 高所順化に伴って身体作業能力は徐々に高まりますが、高所に伴うVO2maxの低下を完全に補うほどまでは高まりません。

引用・索引 スポーツ・運動生理学概説

 


投球動作研究会研究集会2014

2014.12.27 | Category: 投球障害治療

投球動作研究会研究集会2014

投球動作研究会

投球動作研究会

 

改めて『投球動作の必要性を医師に伝える』の重要性、『肘下がりという言葉について』についての指導者、医療従事者、選手目線での共通言語の統一の重要性を再確認。

 

高橋 仙二先生、野球繋がりの西澤 洋介先生にも会え良い1日に!

 

下泉 和也先生いつもありがとうございます!

 

内容

『投球動作に関する現状と今後』

Creaive-Sports久保田正一(PT)

シンポジウム①『肘下がりという言葉について』

シンポジスト

BCS前田健(動作指導者)

八王子ボーイズ河合雄也(指導者)

昭和大藤が岡リハビリテーション病院千葉慎一(PT)

『投球動作の重要性を医師に伝える』

仙台医療センター黒川大介(Dr)

シンポジウム②『投球動作の必要性を医師に伝える』

シンポジスト:
横浜南共済病院山川潤(Dr)
東北大学病院村木孝行(PT)
横浜DeNAベイスターズ高橋塁(PT)
軟式日本代表監督名古屋光彦(指導者)

ストレッチングの効果(柔軟性、障害予防、パフォーマンス向上、疲労の回復、リラックス)

2014.12.27 | Category: トレーナー

ストレッチングの効果

ストレッチングの効果として、「柔軟性を改善」「障害予防」「パフォーマンス向上」「疲労を回復させる」「リラックスをさせる」が挙げられます。

 

サッカー治療におけるサッカー競技の大きな特徴

柔軟性を改善させる効果

 

ストレッチングの本来の効果である柔軟性の改善効果のうち、ストレッチング直後の即時効果としてスタティックストレッチングやPNFを用いたストレッチングの有効性が示されています。

 

特に、スタティックストレッチングについては汎用性から多くの研究が行われ、柔軟性の向上に有効な伸張時間として15~30秒が推奨されています。

 

また、スタティックストレッチングによる柔軟性向上の持続時間は5~30分とされています。

 

長期的なストレッチングの実施により柔軟性を改善させる効果も明らかになっています。

 

ストレッチング(柔軟性を改善させるためには伸張反射を起こさせず、自原性抑制あるいは相反性抑制を生じさせるかが重要)

(さらに…)

ストレッチングの種類(筋の腱の弾性減少には自原性抑制と相反性抑制が大きく関与)

2014.12.26 | Category: トレーナー

ストレッチングの方法

ストレッチ

バリスティックストレッチング

バリスティックストレッチング(Ballistic Stretching)は反動や弾みをつけて関節を可動させることで筋を伸張させる方法になります。

 

この方法では、最大可動域を超えて筋が勢いよく伸張されることもあり、「伸張反射」が生じやすいことが確認されています。

 

したがって、伸張させたい筋を収縮させる可能性があることから、柔軟性を改善させる効果を引き出すことが難しくなります。

 

また、伸張反射が生じている状況において大きな外力により無理に筋を伸張させると筋に損傷を引き起こす危険性もあり、昨今では、柔軟性のために有効なストレッチングの方法とは考えられていません。

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ストレッチング(柔軟性を改善させるためには伸張反射を起こさせず、自原性抑制あるいは相反性抑制を生じさせるかが重要)

2014.12.25 | Category: トレーナー

ストレッチング

ストレッチング

ストレッチングに関わる生理学的メカニズム

ストレッチング(Stretching)は「伸ばすこと」と訳され、運動やスポーツの領域においては「筋や腱を伸ばす運動」を指します。

 

ストレッチングの主な目的は「関節可動域を拡げる(柔軟性を改善させる)」ことであり、ストレッチングによる柔軟性の改善にはさまざまな生理学的メカニズムが関与しています。

 

筋や腱などの結合組織における力学的な特性の変化

 

結合組織により構造化されている筋や腱などの組織は粘弾特性を有しており、ストレッチングにより伸張させることで弾性(Stiffness)が減少し(伸張に対する抵抗が少なくなり)、伸展性が増大し柔軟性が改善します。

 

筋の機能に対する神経生理学的な変化

 

ストレッチングにより筋や腱などが伸ばされるとそれらに存在する筋紡錘(Muscle Spindle)やゴルジ腱器官(Golgi Tendon Organ)といわれる受容器が反応します。

 

これらの受容器で検知された変化によりそれぞれ伸張反射(Stretch Reflex)、自原性抑制(Autogenetic Inhibition)が生じます。

 

ストレッチングの種類(筋の腱の弾性減少には自原性抑制と相反性抑制が大きく関与)

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クールダウンの目的別の方法と効果(CK活性値低下、浮腫軽減、遅発性筋痛抑制など)

2014.12.24 | Category: トレーナー

クールダウン

クールダウン

クールダウン(別名クーリングダウン:Cooling down)は運動時に伴う疲労が蓄積した安静時かあるいは運動前の状態に速やかに回復させるための手段になります。

※欧米諸国ではウォームダウン(Warm down)、あるいはリカバリー(Recovery)と称されます。

 

クールダウンの方法におけるそれぞれの効果

アクティブリカバリー(Active Recovery)

中強度のランニングや自転車などの運動を行う積極的な回復手段の総称になります。

 

能動的に筋を活動させることにより筋ポンプ作用で血流を改善させる効果が期待されています。

 

疲労に至った運動の強度や次の運動までの回復に利用できる時間の長さを考慮し、ランニングや自転車であれば、30~50%VO2max(主観的運動強度であれば、11「楽である」~13「ややきつい」、心拍数では100~130拍)程度の強度で5~15分継続することが妥当であるとされています。

 

アクティブリカバリーの効果としては乳酸の除去能により評価され、その優れた効果が認められています。

 

さらに、間欠的な運動におけるパフォーマンスの維持、運動後のCK活性値や心身のストレス低減、翌日以降の持久系運動のパフォーマンスの回復も有効性が認められます。

 

※一方、高強度の間欠的な運動(運動と運動の間隔が短い)にはパフォーマンス低下が報告され、運動後のグリコーゲン回復についても遅延が報告されています。

 

グリコーゲンの回復をさせつつ疲労を軽減させるためにはアクティブリカバリーと炭水化物の摂取を組み合わせる必要がります。

 

ストレッチングの効果(柔軟性、障害予防、パフォーマンス向上、疲労の回復、リラックス)

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ミトコンドリアと持久性トレーニング(骨格筋が効率よくO2代謝を行いながらATPを再合成する)

2014.12.23 | Category: トレーナー

ミトコンドリア(組織の酸素消費系)

ミトコンドリア輪切り

ミトコンドリアは細胞内のエネルギー向上であり、血液から細胞内へ運ばれたO2を利用する最終的な場所になります。

 

ミトコンドリアの能力は、mVO2の算出式の動静脈酸素濃度較差(CaO2-CvO2)やPO2(酸素分圧)を左右します。

 

持久的トレーニングとミトコンドリア

一般的に持久性トレーニングを継続すると、筋細胞内のミトコンドリアの数が増え、有酸素性代謝能力が向上します。

 

骨格筋は収縮・代謝特性の異なる筋線維を含んでいるものの、トレーニングによるミトコンドリアの増殖はどの筋線維にも認められます。

 

また、脱トレーニングによってミトコンドリアは減少します。

 

つまり、ミトコンドリアは身体の活動水準によって可逆的にその数を変化させている事になります。

 

ミトコンドリア

筋収縮とミトコンドリア

骨格筋が効率よくO2代謝を行いながらATPを再合成することができれば筋の持久力が向上するばかりではなく、筋の代謝疾患(糖代謝異常、脂質代謝異常)も予防できるといわれています。

 

近年、遺伝子組替実験により、筋収縮によるミトコンドリアタンパクの生合成とO2代謝の活性化にPGC-1αが関与していることが明らかになっています。

 

※PGC-1αはエネルギー代謝に関わるタンパク質の転写コアクチベータになります。

ミトコンドリアと代謝

PGC-1aの過剰発現マウスではシトクロムCオキシダーゼⅡ、COX-Ⅳ、Cyto cなど電子伝達系に関わる酵素、カルニチンアシル基転移酵素や中鎖アシルCoA脱水素酵素など脂質代謝に関連する酵素、あるいはMbやトロポニンⅠslowなど遅筋線維に多いタンパクのmRNAの上昇が生じます。

 

筋収縮を介したPGC-1α活性化の経路には、Ca2+依存性キナーゼ経路の活性化やAMPキナーゼ経路の活性化、活性酵素種を介した経路が示唆されています。

 

このように筋収縮によってさまざまな経路からPGC-1αのプロモーター領域に対する転写因子が促進され、ミトコンドリア関連タンパクの発現を促します。

 

なお、骨格筋にPGC-1αを過剰発現させたマウスでは、筋線維の遅筋化やミトコンドリアの増殖が生じたものの、その筋内のミトコンドリアは脱共役状態であり、ATP含量が非常に減少していたことが報告されています。

 

骨格筋の代謝能力を向上させるためには、単純にミトコンドリアを増殖させるだけでは不十分であり、その他の制御因子・発現機序を解明しなければならないとされています。(増田和美)

引用・索引 スポーツ・運動生理学概説

 


60%VO2maxの運動は十分な体温上昇が見込める強度で、筋肉のATPをウォーミングアップで使い過ぎない強度である

2014.12.22 | Category: トレーニング

最適なウォーミングアップを行うために

ウォーミングアップ

 

競技やトレーニングの内容により、ウォーミングアップとして行う強度や時間は異なります。

 

ウォーミングアップが不十分で体温が上昇していない場合にはその効果を期待することはできず、反対にウォーミングアップによる過度な体温上昇は早期の疲労をまねくこととされています。

 

10秒未満で終わる運動前のウォーミングアップ

 

ジャンプなどの高いパワー発揮が求められる瞬発的運動前には60%VO2max程度のウォーミングアップが適しているとされています。

 

瞬発的パワー発揮には、代謝効率をよくするために体温を上げておく必要があります。

 

しかし、ウォーミングアップで高エネルギーリン酸を多く消費すると、瞬発的なパワー発揮のためのエネルギー源が減少することになります。

 

60%VO2max前後の運動は十分な体温上昇が見込める強度であり、かつ筋肉のエネルギー源(特に高エネルギーリン酸)をウォーミングアップで使い過ぎない強度になります。

 

また、運動開始直後は時間経過とともに体温は上昇しますが、15分程度経過すると一定になります。

 

したがって、ジャンプなどの運動前は20分以上の連続した運動は必要がないことになります。

 

10秒~5分で終わる運動前のウォーミングアップ

 

70%VO2max強度でのウォーミングアップが、最もパフォーマンスを向上させるとされています。

 

背景として、10秒~5分の運動では筋温上昇によるエネルギー代謝の改善とともに、運動開始とともにスムーズな酸素摂取を実現することがパフォーマンス向上につながるためです。

 

つまり安静時の酸素摂取量を高くしておく必要があり、運動後に酸素摂取量が増加している現象は乳酸性作業閾値(個人差はありますが、おおむね60~70%VO2max強度)以上の運動後に生じます。

 

したがって、ウォーミングアップとして少なくとも乳酸性作業閾値以上の強度で行う必要があります。

 

また、定常負荷運動の場合、酸素摂取量は運動開始後5分~10分ほど経過してから一定になります。

 

すなわち10分程度の連続した運動が必要になります。

 

5分以上になる運動前のウォーミングアップ

 

全身の酸素摂取量を速やかに立ち上げることでパフォーマンス向上につながります。

 

したがって、10~5分継続される運動前の強度・時間と同じウォーミングアップが適していると考えられます。

 

環境温とウォーミングアップ

 

寒冷環境下

寒冷環境下では常温環境下と比較して体温が上がりにくいために、ウォーミングアップに適した時間は自ずと長くなります。

また、冷えた筋は弾性が低いため、いきなり高強度でウォーミングアップを行うことは筋の障害リスクを増すことになります。

したがって、低強度の運動で筋温を上昇させてから、呼吸循環機能への負荷を与えるウォーミングアップが理想になります。

具体的にはゆっくりとしたジョギングから始まり、その後、ペースを上げ酸素摂取量を上げることが推奨されます。

 

暑熱環境下

暑熱環境下では過度な体温上昇に注意を払う必要があり、強度の高い運動ほど環境温に影響され、気温が高いときは運動によって定常になる体温も高くなります。

つまり、暑熱環境下では常温環境下よりも体温が高くなりやすく、対策として涼しい場所でのウォーミングアップや直接体表面を冷やすためにアイスベストを着用しウォーミングアップを行うことが高いパフォーマンスにつながります。

※暑熱環境下での運動は熱中症のリスクもあるため、ウォーミングアップ時も水分補給も十分に行うべきです。

 

直腸温度(深部体温)が約38.7℃に上昇した時に身体的パフォーマンスが最大になる(平常温度の約30%増)

引用・索引 スポーツ・運動生理学概説

 


ランニング時には遅筋(ヒラメ筋)への血流量は速筋タイプの筋(腓腹筋)への血流量より3~4倍多くなる

2014.12.21 | Category: トレーニング

筋肉への血流配分

筋肉血流

 

運動時にはO2や栄養を必要とする活動筋や、体温調節が必要な皮膚へ血流が優先的に配分されます。

 

運動とともに、激しく拍動する心臓へも多くの血流が供給されます。

 

このとき、腎臓や消化器官への血流は維持されるものの、脳への血流は維持されています。

 

しかし近年、運動中に脳血流も増加するという方向もあります。

 

ラット骨格筋の筋線維組成

骨格筋SO(%)FOG(%)FG(%)
ヒラメ筋(S)77±923±90±0
足底筋(P)8±455±1237±16
腓腹筋赤色部(GR)34±1360±066±10
腓腹筋全体(GM)12±642±546±8
腓腹筋白色部(GW)0±010±190±1
前頚骨筋(TA)2±229±569±6

※値は平均値±標準偏差(n=3)、SO:酸化系酵素活性の高い遅筋線維、FOG:酸化系酵素活性、および解糖系酵素活性の高い速筋、FG:解糖系酵素活性の高い速筋線維

 

運動中の骨格筋への血流量は筋の動員や筋のタイプにより変わります。

 

ランニング時には遅筋(ヒラメ筋)への血流量は速筋タイプの筋(腓腹筋)への血流量より3~4倍多くなります。

 

また、同一筋でも腓腹筋や外側広筋の赤色部位(速筋線維と遅筋線維が混在する部位)では白色部位(表層部)に比べて3~4倍血流が多くなります。

 

※なお、走る速度が遅い時にはヒラメ筋や赤色部位への血流量が増加し、白色部位への血流量は制限されます。

 

さらに筋への血流量と走速度の間には非常に密接な関係性があります。

 

これには、筋線維組成に代表される筋の収縮特性と動員様式や、毛細血管の発達度の違いが影響しています。

 

ベアフットとショッドランニングの生理学的、バイオメカニクス的違い(ベアフットは酸素消費量が5.7%低下、最大酸素摂取量が1.3%少なくなるが、股関節外転筋群と股関節屈筋群の弱さは、腸脛靭帯炎につながる)

引用・索引 スポーツ・運動生理学概説

 


ウォーミングアップの目的(障害予防とパフォーマンス向上)

2014.12.20 | Category: トレーニング

ウォーミングアップの目的

ウォーミングアップの目的は障害予防パフォーマンス向上になります。

 

 ウォーミングアップが引き起こす生理的効果

代謝効率の上昇

体温の上昇は筋でのグリコーゲンや高エネルギーリン酸(ATP、PCr)の利用を促進させます。

 

グリコーゲンや高エネルギーリン酸は運動時における利用度の高いエネルギー源になり、利用の促進により、素早い筋の張力発揮が可能となりパフォーマンスの向上につながります。

 

筋の粘性抵抗軽減や弾性の上昇

筋温上昇は筋や腱の粘性(粘り気)を低下させます。

 

筋や腱の粘性が低下することで、より少ないエネルギーで筋収縮ができるようになり、さらに、筋温上昇は筋の弾性(弾みやすさ)を上昇させます。

 

神経伝達速度の上昇

神経伝達速度

体温上昇は神経伝達速度を速めます。

 

神経伝達速度が速くなることで、脳からの命令はウォーミングアップ前と比較して速く筋まで到達し、主運動中のより複雑な動きに、より速く、より正確に対応できるようになります。

 

活動筋に対する酸素供給の増加

酸素供給量

ウォーミングアップは血流の再配分を引き起こし、消化器官などの非活動的な組織への血流量を減少させ、呼吸・循環器系の組織や骨格筋への血流を増やします。

 

また、ウォーミングアップによって上昇した体温は酸素解離曲線を右傾化させ、ヘモグロビンやミオグロビンから筋への酸素解離を増加させます。

 

※ウォーミングアップによって筋肉が酸性に傾くことでも、筋への酸素供給が容易になり筋への酸素供給がされやすくなることで、酸素を使った代謝がしやすくなり、主運動中における酸素借(酸素不足)の減少につながります。

 

運動前の酸素摂取量の増加

ウォーミングアップによって運動前の酸素摂取量は増加し、主運動開始直後から酸素を使った乳酸や脂質の利用によるエネルギー産生が素早く行われるようになります。

 

これにより、安静時の酸素摂取量増加は主運動開始直後から活動筋においてより多くの酸素消費を可能とし、糖の分解の過程で生じる乳酸の分解を高め、酸素借の割合を減少させます。

(さらに…)

持久力系トレーニング方法の比較(インターバルtr・レペティションtr・エンデュランスtr)

2014.12.19 | Category: トレーニング

トレーニング方法

 

トレーニングの方法にはさまざまなものがあり、人の身体はその運動負荷に耐えられるよう形態を含むさまざまな能力(体力)を高めることで適応していきます。

 

しかし、単一のトレーニングにおいて高めることのできる体力要素には限界があり、したがって、どのような体力要素を高めるかというトレーニング目的によって、トレーニングの内容をしっかりと検討する必要があります。

 

名称インターバルトレーニングレペティショントレーニングエンデュランストレーニング
内容比較的高強度の運動と、これに比べて強度の低い運動とを交互に反復するような方式のトレーニングであり、不完全休養(運動を止めずに休息をとる)をとりつつ、運動を継続する。ほぼ、全力の強度の運動と完全休養とを繰り返す方式のトレーニング。しかし、完全休息の時間を取り過ぎると、トレーニング効果が薄くなると言われ、注意が必要。一定のペースで休息なしに身体活動を続行する方式のトレーニング。
トレーニング負荷運動時(直後)心拍数:180拍/分
心拍水準:最高心拍数の約90%
走距離:50~2,000m
反復回数:10~20回
休息心拍数:120拍/分
休息時間:45~120秒以内
全力疾走あるいはレーススピードの約95%の速度
走距離:50~2,000m
反復回数:2~5回
休息時間:20~30分以内
心拍数:140~160拍/分
心拍水準:最高心拍数の60~85%
運動時間:30分以上
(種目によっては120分まで)
トレーニング目的最大酸素摂取量の改善
レースペース付近での運動効率を高める
負荷設定によっては乳酸性作業閾値を高めることが可能
最大酸素摂取量の改善
レースペースでの持続能力を高める
負荷設定によっては非乳酸性機構、酸性機構を高める
有酸素性エネルギーの供給を長時間保持する
運動の強度を上げると、高い酸素摂取水準の持続能力を高めることが可能

 

インターバルトレーニング(interval training)

インターバルトレーニング

インターバルトレーニングとは、高強度と低強度の運動を、交互に繰り返し行うトレーニングになります。

 

高強度の運動では心拍数を180拍/分程度まで高め、高強度運動の間にジョギングや歩行で心拍数が120拍/分程度まで下がるような不完全休息をはさみながら、繰り返し行うトレーニングになります。

 

主に走運動や水泳競技で用いられ、走運動を用いたインターバルトレーニングは、さまざまな種目のトレーニングとして幅広く利用されています。

 

インターバルトレーニングは、主に最大酸素摂取量の改善など全身持久力の向上を図ることが可能になります。

 

また、インターバルトレーニングは、休息をはさむことによりレースペースに近いか、それ以上のスピードで走ることが可能であることから、走距離を工夫することで、筋持久力やスピードを高めるトレーニングとしても用いることができます。

 

たとえば、ハンドボールやバスケットボールのように不規則なショートダッシュを繰り返す競技においては、スピードを高めるとともに、筋持久力や全身持久力を高めるトレーニングとして有効になります。

 

レペティショントレーニング(repetition training)

インターバルトレーニングと異なり、全力走を完全休息をはさんで数本繰り返すトレーニングになります。

 

運動強度が非常に高いことから、運動時間の設定によってはスピードおよびスピード持久力を高めるような無酸素性のエネルギー産生能力から、有酸素性のエネルギー産生能力を高める幅広いトレーニングに活用することが可能になります。

 

エンデュランストレーニング(endurance training)

 

一定のペースを保ちつつ、休息をとらずに運動を続けるトレーニングになります。

 

例としてはウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳などの比較的低い運動強度で長時間継続する運動があげられます。

 

運動時のエネルギー供給を有酸素性のエネルギー産生に依存することから、呼吸器・循環器系に負荷をかけることが可能で、全身持久力を改善することができます。

引用・索引 スポーツ・運動生理学概説

 


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