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アスリートの回復方法
エリートアスリートは、トレーニングや試合からの最も効果的な回復方法を絶えず探しています。
生理学的および心理的回復を促す実用的介入として、睡眠衛生方策による睡眠(量と質)の改善が挙げられます。
しかし、睡眠は回復の重要な側面であるとみなされているにも関わらず、エリートクラスの競技における実戦方法の情報は、他の回復方法と比べて多くありません。
トレーニング後の適切な回復と睡眠
トレーニングセッション後の適切な回復は、心理的および生理的プロセスの修復を促進させることが報告されています。
そしてこれらのプロセスは睡眠の改善に貢献する重要な因子になります。
最も多く用いられている回復方策の2つ、すなわち冷水浴とコンプレッションウェアは、筋痛、炎症、疼痛を減少させて、睡眠の質の改善に役立つ可能性があります。
仮眠の生理学的側面
Waterhouseらは、仮眠が生理学的側面でも知覚面でも効果的であることを示しましたが、時間を30分程度に限定して、午後の遅い時間帯は避けるべきであるとしました。
仮眠には「Postlunch dip(昼食後のパフォーマンス低下)」(昼食後の時間帯に感じられる眠気に伴うパフォーマンス低下の低下)を減らす効果があります。
睡眠の量
一般的に、アスリートは1日あたり最低7~9時間の睡眠が必要であるといわれています。
しかし、これには個人差があり、また高負荷トレーニングや試合のストレスから回復と修復を促すには、より多くの睡眠時間を必要とします。
例えば、青少年アスリートが高負荷トレーニングを実施する場合は、1日10時間の睡眠を必要とすると考えられます。
しかし、Scottらによると、1日に4~6時間のトレーニングを実施するエリートアスリートには、10~12時間の睡眠時間が必要になると述べています。
いずれにせよ、アスリートが翌日眠気を感じずに、機敏でいられる睡眠時間を確保することが適切なアプローチとなります。
睡眠衛生とは
睡眠衛生とは、睡眠の質と質の向上を促進する行動になります。
一般的には、睡眠パターンに干渉する行動を避けること、熟睡を促す行動を行うことが含まれます。
至適睡眠状況を促進するには、睡眠衛生方策をアスリートの睡眠ルーティンに組み込んで、毎晩の就寝前やフライト中に利用すべきとされています。
睡眠時間の延長とパフォーマンス
大学生アスリートの大多数が、かなりの睡眠負債(睡眠不足)を抱えているという想定の下に、スタンフォード大学の男子バスケットボール代表チームを対象としてある実験が行われ、11名の選手に、1日の睡眠時間が10時間に達するように5~7週間にわたって睡眠時間を延長させました。
このように習慣として睡眠時間を延長させた結果、測定されたバスケットボールのパフォーマンスに関連するすべての項目において、有意な向上を示しました。
合計睡眠時間の増加は110.9±79.7分であり、スプリントタイム(282フィートスプリントで16.2秒から15.5秒へ)、フリースローの精度(10本中7.9本から8.8本へ)、3ポイントシュートの精度(15本中10.2本から11.6本へ)がいずれも向上しました。
睡眠不足とアスリート
睡眠不足のアスリートにしばしば観察される現象として、認知パフォーマンスや運動パフォーマンスの低下、反応時間の遅延、気分の状態/情緒の不安定化が挙げられます。
また、代謝および免疫過程も負の影響を受けることが報告されています。
睡眠の質の低下は、特にトレーニングの高負荷期や試合期においては、アンダーリカバリー(回復不足)の指標であり、オーバーリーチングの初期兆候になります。
したがって、コーチはアスリートの睡眠の質を監視して、ストレス/疲労状態の程度をチェックすべきです。
なぜなら睡眠は、心理的および生理的回復をもたらし疲労管理に重要な役割を果たし、また、競技パフォーマンスに対して直接的および間接的影響を及ぼす可能性があると考えられています。
選手のトーナメント管理と回復戦略(トレーニングへの適応が最終的に確実にプラスへの結果をもたらし、マイナスの効果:オーバートレーニングの徴候を最小化することが重要になる)
睡眠の質を考える
エリートアスリートは、トレーニング、試合、そして競技以外の生活因子に反応して、就寝時に心配や不安を感じることがあります。
そして、トレーニング/試合に関連する過度の心配と不安は、深刻な情緒反応を引き起こして睡眠の質を低下させる可能性があります。
Fletcher&Hantonは、特に競技に関する不安反応に有効な手段として、リラクセーション、目標設定、イメージング、セルフトークなどの精神スキルを挙げています。
競技における至適パフォーマンスを心の中でリハーサルさせることは、アスリートの集中を高め、自己の競技能力に対する自信を回復させるとされています。
また、特に肯定的暗示/創造的視覚化(視覚化療法)などのリラクセーションテクニックを睡眠スケジュールに組み込んで、アスリートがすっきりと解放された気分で就寝できるようするとよいとされています。
選手のトーナメント管理と回復戦略(トレーニングへの適応が最終的に確実にプラスへの結果をもたらし、マイナスの効果:オーバートレーニングの徴候を最小化することが重要になる)
睡眠と至適パフォーマンス
睡眠は、至適パフォーマンスに貢献する重要な因子であることが判明しています。
しかしエリートアスリートは、心理的・社会的・生理的ストレスによって、適切な睡眠が得られないこともあります。
アスリートの睡眠衛生を改善することは、競技パフォーマンスにとって重大な意味をもちます。
エリートアスリートが至適競技パフォーマンスを発揮するには、「トレーニング反応」の基本原則を中心とする体系的アプローチに従ってトレーニングを行わなければなりません。
そして、それは「ストレス/疲労状態」と呼ばれるストレス、疲労、そして回復のバランスに焦点を当てていくことといえます。
筋力およびパワーの適応を競技パフォーマンスに転移させる(速度を最大限に向上させる上で重要な要素は、力の発揮と発揮時間であることを意味する)
睡眠
動物は活動と休息を繰り返しています。
昼行性の動物は日中、夜行性の動物は夜間に主として活動しています。
動物の中で人は特に「睡眠」は大きな2つの「睡眠と覚醒の持続性」「眠りの深度を有している」という特徴を有しています。
筋肉をつけるためには、トレーニングと栄養摂取だけでなく、十分な睡眠が必要といいます。
では、どれだけ眠ればいいのでしょうか。