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女性学生アスリートと月経の関係性|親が知っておきたい成長期の体とコンディション

2026.10.11 | Category: スタッフブログ,ブログ

「練習を頑張っているのに、疲れがなかなか抜けない」「月経痛がつらそうだけれど、試合があるからと我慢している」「以前は規則的だった月経が、最近不規則になっている」。女性アスリートを支える親御さんの中には、お子さんのこうした変化が気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

成長期は、身長や体重が変化するだけでなく、骨や筋肉、ホルモンの働きなど、体のさまざまな機能が発達していく大切な時期です。その一方で、競技に打ち込む学生アスリートは、日々の練習や試合によって多くのエネルギーを消費します。練習量に対して食事や休養が十分でない状態が続くと、疲労が蓄積するだけでなく、月経や骨の健康にも影響が及ぶことがあります。

月経は、女性の体の状態を知るための大切な手がかりの一つです。しかし、月経痛や月経不順を「女性ならよくあること」「スポーツを頑張っているから仕方がない」と考え、我慢してしまう選手もいます。親御さんも、どこまで見守り、どのようなときに専門家へ相談すればよいのか、判断に迷うことがあると思います。

大切なのは、月経の変化だけを切り離して考えるのではなく、練習量、食事、睡眠、疲労の程度、心の負担など、日々の生活全体に目を向けることです。そして、選手本人が自分の体の変化を理解し、無理をせずに相談できる環境をつくることも、競技を長く続けていくための重要な支えになります。

このコラムでは、女性学生アスリートと月経の関係性について、成長期の体に起こる変化や競技生活とのつながり、親御さんに知っておいていただきたい体のサイン、そして選手の健康を守るためにできるサポートについて解説します。競技成績だけでなく、お子さんがこれから先も健康的にスポーツを続けていくために、親御さんに知っておいていただきたいことを一緒に考えていきましょう。

 

月経は女性アスリートの健康状態を知る大切なサイン|成長期の体と競技生活の関係

女性学生アスリートの健康を考えるうえで、月経は大切な指標の一つです。月経は妊娠や出産に関わるだけでなく、女性ホルモンの働きや骨の健康とも関係しています。特に成長期は、将来にわたって健康な体を維持するための土台をつくる時期です。そのため、月経の状態を知ることは、選手が健康的に競技を続けていくための手がかりになります。

しかし、スポーツに打ち込む選手の中には、月経が不規則になったり、何か月も月経が来なくなったりしても、「練習を頑張っているから仕方がない」「スポーツをしているとよくあること」と考えてしまう方もいます。競技を続けたいという気持ちが強いほど、体の変化を我慢したり、不調を周囲に伝えられなかったりすることもあります。

ここで知っておきたいのは、練習ができていることと、体が健康な状態にあることは必ずしも同じではないということです。体は、競技に必要な体力を維持するだけでなく、成長や骨の形成、ホルモンの分泌など、さまざまな働きを続けています。表面上は元気に見えていても、体の内側では負担が生じている場合があります。

その一つとして考えられるのが、運動や日常生活で消費するエネルギーに対して、食事から摂取するエネルギーが不足している状態です。成長期の選手は、練習で使うエネルギーに加えて、身長の伸びや骨・筋肉の発達にもエネルギーを必要としています。練習量が増えているにもかかわらず、十分なエネルギーを確保できない状態が続くと、体のさまざまな機能に影響が及ぶことがあります。

このようなエネルギー不足は、意図的に食事を制限している選手だけに起こるものではありません。練習や勉強で忙しく食事の時間が取れなかったり、食欲が落ちていたり、運動量の増加に食事量が追いついていなかったりする場合にも起こり得ます。また、体重が減っていないからといって、必要なエネルギーが十分に足りているとは限りません。

エネルギー不足が続くと、体内のホルモンの働きが変化し、月経周期が不規則になったり、月経が止まったりすることがあります。競技に打ち込む女性アスリートでは、こうした状態が健康上の重要な問題となることがあり、女性アスリートの三主徴や、スポーツにおける相対的エネルギー不足(RED-S)という考え方でも注目されています。

月経の変化とともに注意したいのが、骨の健康です。成長期は、将来の骨の健康を支えるために、骨量を獲得していく重要な時期です。エネルギー不足やホルモンの変化などが続くと、骨の形成や骨量の獲得に影響が及び、疲労骨折などのリスクが高まる場合があります。

例えば、練習量が増えてから疲れが抜けにくくなったり、疲労骨折を繰り返したり、月経が以前より不規則になったりしている場合には、それぞれの変化を別々の問題として考えるのではなく、体全体の状態を確認することが大切です。ただし、こうした症状があれば必ずエネルギー不足が原因というわけではありません。月経異常にはさまざまな原因があるため、自己判断で決めつけないことも重要です。

月経が3か月以上来ていない場合や、15歳になっても初経が始まっていない場合には、医療機関への相談が勧められます。また、月経痛が強く、学校生活や練習に支障が出ている場合や、出血量が多くて日常生活に困っている場合も、我慢せずに婦人科などで相談することが大切です。月経の変化を「スポーツをしているから仕方がない」と考えず、必要に応じて原因を確認することが、選手の健康を守ることにつながります。

月経は、競技を続けるうえで邪魔になるものではありません。成長期の体が健康を維持できているかを考えるための、大切な情報の一つです。競技成績や練習量だけでなく、月経の状態にも目を向けること。それは、目の前のパフォーマンスだけでなく、選手がこれから先も健康的にスポーツを続けていくための大切な視点です。

 

女性学生アスリートの月経とコンディショニング|親ができる日々のサポート

女性学生アスリートが健康的に競技を続けていくためには、練習や技術の向上だけでなく、日々のコンディショニングも大切です。特に成長期は、競技に必要な体力を身につけながら、骨や筋肉など体そのものも発達していく時期です。練習で力を発揮するためには、体を動かすことだけでなく、食事や睡眠、休養によって回復する時間を確保する必要があります。

しかし、競技に熱心な選手ほど、練習を休むことに抵抗を感じたり、多少の不調は我慢するべきだと考えたりすることがあります。試合が近ければ、「休んだらレギュラーから外れてしまうかもしれない」「チームに迷惑をかけたくない」といった気持ちが強くなることもあるでしょう。親御さんも、頑張っている姿を応援したいからこそ、どのように関わればよいのか迷うことがあると思います。

だからこそ、コンディショニングを考える際には、練習をどれだけ頑張ったかだけでなく、その負荷に対して体が十分に回復できているかという視点が必要です。疲労が強く残っている、食欲が落ちている、睡眠を取ってもすっきりしないといった変化があるときには、本人の努力不足と考えるのではなく、日々の生活や練習量を振り返るきっかけとして捉えることが大切です。

まず意識したいのは、食事です。選手の体は、練習で消費するエネルギーに加えて、成長や体の回復にもエネルギーを必要としています。食事の量が足りなかったり、食事の間隔が空きすぎたりすると、本人が気づかないうちに必要なエネルギーが不足することがあります。特に、練習後に食事を取る時間がない、朝食を抜くことが多い、体重や体型を気にして食事を減らしているといった場合には、食生活を見直すきっかけが必要かもしれません。

大切なのは、体重や体型だけを目標にするのではなく、競技に必要なエネルギーを確保し、成長と回復を支える食生活を考えることです。食事の量や内容について不安がある場合には、医師や管理栄養士などの専門家に相談し、選手の成長や競技に合った方法を考えていきましょう。

睡眠と休養も、コンディショニングを支える重要な要素です。練習を重ねることで体には負荷がかかりますが、その負荷に適応していくためには、十分な回復の時間が必要です。睡眠時間が短い日が続いていないか、学校生活と練習の両立で無理が重なっていないか、休日にも疲れが残っていないか。こうした点を振り返ることは、選手自身が自分の状態を理解するうえでも役立ちます。

また、月経の状態を把握しておくことも、自分の体を知るための方法の一つです。月経が始まった日や周期、痛みの程度、出血の状態、その時期の体調などを本人が無理のない範囲で記録しておくと、普段との違いに気づきやすくなります。記録は、毎回細かく管理しなければならないものではありません。本人のプライバシーを尊重しながら、自分の体の変化を理解したり、必要に応じて医療機関で説明したりするために活用することが大切です。

月経前や月経中には、腹痛や頭痛、だるさなどを感じる選手もいます。ただし、症状の程度や現れ方には個人差があり、月経があるからといって、必ず競技のパフォーマンスが低下するわけではありません。大切なのは、月経の時期だけで体調を決めつけるのではなく、本人がどのように感じているのかを確認し、その日の状態に合わせて練習や休養を考えることです。

ここで、親御さんに意識していただきたいのは、選手の体調を一方的に管理するのではなく、本人が自分の状態を安心して話せる関係をつくることです。「もっと頑張れる?」と声をかけるだけでなく、「最近、疲れは残っていない?」「食事や睡眠は十分に取れている?」「体調で困っていることはない?」と尋ねることで、選手自身が自分の体を振り返るきっかけになります。

月経について話すことに抵抗がある選手もいるため、無理に詳しい話を聞き出す必要はありません。本人が話したいと思ったときに話せること、困ったときに相談できることが大切です。そして、休養を取ることや専門家に相談することを、努力不足や弱さとして扱わないことも重要です。体調を整えることは、競技を諦めることではありません。今の自分に必要なことを考え、適切なサポートを受けながら競技を続けていくことも、競技に向き合ううえで大切な力です。

女性学生アスリートのコンディショニングは、特別なことを毎日行うだけで成り立つものではありません。食事、睡眠、休養、練習量、心の状態など、日々の生活を振り返りながら、自分の体に必要なことを考えていくことが基本になります。親御さんがすべてを管理するのではなく、選手本人の気持ちや考えを尊重しながら一緒に考えていくことが、安心して競技を続けられる環境づくりにつながります。

 

女性学生アスリートの未来を守るために|競技成績だけでなく健康にも目を向ける

女性学生アスリートを支えるうえで大切なのは、目の前の試合や競技成績だけでなく、選手がこれから先も健康的にスポーツを続けていけるかという視点を持つことです。成長期は、技術や体力を伸ばす時期であると同時に、骨や筋肉、ホルモンの働きなど、将来の健康につながる体の土台をつくる時期でもあります。

競技に打ち込む選手にとって、練習を積み重ねることや目標に向かって努力することは大切です。しかし、頑張ることを優先するあまり、体の不調を我慢し続けてしまうと、本来必要な休養や医療的なサポートを受ける機会を逃してしまうことがあります。月経の変化や繰り返すケガ、長引く疲労などが見られたときには、本人の努力不足や気持ちの問題と捉えず、体からのサインとして受け止めることが大切です。

親御さんにできるのは、選手の体調をすべて管理することではありません。本人が自分の体について話しやすく、困ったときに相談できる環境をつくることです。選手自身が競技を続けたいと思っているからこそ、休むことや誰かに相談することをためらう場合もあります。そのようなときには、結果や練習量だけで評価するのではなく、日々の努力を認めながら、健康についても安心して話せる関係を育てていくことが大切です。

また、体の変化に気づいたときには、家庭内だけで解決しようとしないことも重要です。月経が長期間止まっている、月経痛が強くて学校生活や競技に支障がある、疲労骨折を繰り返しているといった場合には、婦人科やスポーツ医学に詳しい医療機関などに相談し、原因を確認する必要があります。必要な評価や治療を受けることは、競技を諦めるためではなく、健康を守りながら競技を続けていくための選択です。

コンディショニングについても、すべての選手に同じ方法が合うわけではありません。体の状態や練習量、疲労の程度、本人が感じている悩みは一人ひとり異なります。食事や睡眠、休養を基本にしながら、必要に応じて医療機関や専門家に相談し、その選手に合ったサポートを考えていくことが大切です。施術やケアを取り入れる場合も、月経異常の原因を調べることや、必要な治療に代わるものではないという点を理解しておく必要があります。

女性学生アスリートにとって、本当に大切なのは、いつも万全な状態で練習し続けることではありません。自分の体の変化に気づき、必要なときには休み、周囲に相談し、適切なサポートを選べることです。そして、その判断を支えるために、親御さんや指導者、医療従事者などがそれぞれの役割を果たしながら、選手の成長を支えていくことが重要です。

月経は、競技への意欲や努力を否定するものではありません。自分の体を理解し、健康状態を見つめ直すための大切な情報の一つです。目の前の結果だけでなく、選手自身の将来まで見据えて、体の声に耳を傾けられる環境を整えていきましょう。

選手の健康を支える方法には、日々の生活習慣の見直しや医療機関での相談に加え、状態に応じたコンディショニングという選択肢もあります。後編では、インディバとカイロプラクティックについて、それぞれ何を目的とするケアなのか、女性学生アスリートを支える際にどのような点を大切にすべきなのかを詳しく考えていきます。