分離症とホルモンバランス ― 成長期の体が抱える見えないストレス
「分離症はスポーツのやりすぎで起こるもの」
そう思われることが多いですが、実はそれだけが原因ではありません。
成長期の身体には、ホルモンバランスの変化という大きな要素が関わっています。
見えない内側の変化が、身体の回復力や筋肉の緊張に影響し、結果的に腰椎分離症の発症や回復の遅れにつながることがあるのです。
今回のブログでは、分離症とホルモンバランスの関係性についてお伝えしていきます。
■ 思春期の体はホルモンの嵐の中にある
分離症が多く見られる年代――中学生から高校生にかけては、まさにホルモンの変化が最も激しい時期です。
男性では「テストステロン(成長ホルモン)」、女性では「エストロゲン(女性ホルモン)」の分泌が急激に増加し、骨や筋肉が一気に発達します。
この時期の体は、外から見えないほどの変化と負担を抱えており、ホルモンの波によって
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体の成長速度がアンバランスになる
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筋肉の柔軟性が低下する
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疲労が抜けにくくなる
などの状態が起こりやすくなります。
■ ホルモンバランスと自律神経の深い関係
ホルモン分泌をコントロールしているのは、脳の視床下部(ししょうかぶ)という部分です。
この視床下部は、自律神経の中枢でもあり、心身のストレスに非常に敏感です。
つまり、精神的ストレス・睡眠不足・過度な練習などが重なると、ホルモンバランスが乱れやすくなり、
筋肉が緊張しやすくなったり、回復が遅れたりするのです。
特に成長期の学生は、部活動の練習量に加え、学校生活・人間関係・受験など、さまざまなストレスを抱えています。
このストレス反応が体のコンディションに直結し、分離症のリスクを高めることも少なくありません。
■ 回復力を左右するのは「ホルモン×神経×構造」のバランス
分離症の回復を考えるうえで重要なのは、
単に「骨の損傷を治す」だけでなく、身体が自然に治ろうとする力(自己治癒力)を高めることです。
そのためには、
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ホルモンバランスが整っていること
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自律神経が安定していること
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骨盤・脊柱など身体構造がバランスを保っていること
が欠かせません。
これらのバランスが乱れると、どんなに安静にしても治りが遅れ、再発しやすくなってしまいます。
■ カイロプラクティックがサポートできること
カイロプラクティックでは、骨格の歪みだけでなく、神経の働きやホルモン分泌を司る中枢(脳・自律神経)への影響を考慮して施術を行います。
背骨や骨盤の歪みを整えることで、自律神経のバランスを安定させ、ホルモンのリズムが整いやすい状態へ導きます。
その結果、筋肉の緊張が緩み、回復力が高まり、分離症の治癒過程をサポートすることができます。
分離症は「骨の問題」に見えて、その背景にはホルモンバランスの乱れやストレス、自律神経のアンバランスが隠れています。
特に成長期の中学生・高校生にとって、ホルモンの変化は自然な生理現象ですが、その時期に無理を重ねると、身体が悲鳴を上げてしまうこともあります。
ホルモンバランスを整え、心と体の調和を保つことが、再発を防ぎ、健康的に成長していくための鍵です。