すべり症と骨盤の関係性 〜予防のためにできること〜
「すべり症」という言葉を耳にしたことはありますか?
腰椎がずれてしまうことで、腰の痛みや足のしびれを訴える方が多くみられます。特に腰の一番下にある第5腰椎(L5)で起こりやすく、実に8割以上がこの場所に集中するといわれています。
このL5は骨盤と仙骨の境目にあり、日常生活やスポーツでとても大きな負担がかかる場所です。そのため、骨盤のバランスが崩れていると「腰椎が前に滑ろうとする力」が強まり、すべり症が進行するリスクが高くなってしまいます。
今回のブログでは、すべり症と骨盤のバランスの関係性についてお伝えしていきます。
骨盤の傾きと腰の負担
骨盤が前に傾きすぎると、腰の反りが強くなり、L5-S1に強いストレスがかかります。反対に骨盤が後ろに傾きすぎると、腰椎を支える力が弱まり、不安定さが増してしまいます。つまり、骨盤が正しい位置にあることが、腰の健康を守る土台になるのです。
骨盤と自律神経のつながり
骨盤には、自律神経が通る重要なルートがあります。たとえば、仙骨の周囲には副交感神経が走っており、骨盤がゆがむとその働きが乱れやすくなると考えられています。
自律神経が乱れると、腰の筋肉が過度に緊張したり、血流が滞ったりして、痛みやしびれが悪化しやすくなります。つまり、骨盤を整えることは、単に骨格の安定だけでなく、神経や血流のバランスを保つことにもつながるのです。
予防のために大切なこと
すべり症を防ぐためには、普段の生活での工夫が欠かせません。長時間同じ姿勢で座り続けないように意識し、デスクワークの合間には軽く体を動かすことが必要です。
骨盤のバランスを安定することで腰だけでなく自律神経のバランスも安定し、体全体の調子を整えることにつながります。
すべり症は「突然起こるもの」ではなく、日々の姿勢や骨盤の状態の積み重ねによって進行していくものです。痛みが出てから対処するのではなく、普段から骨盤と腰椎を整え、自律神経の働きも安定させておくことが、予防においてとても大切です。
腰と骨盤は、一生を支える大切な土台です。歯と同じように定期的なケア整えてあげることが、将来の健康と安心につながります。