成長期に多い腰椎分離症 ― 中学生の腰痛、その原因とは?
「最近、子どもが腰の痛みを訴えるようになった」
そんな時に注意したいのが、腰椎分離症(ようついぶんりしょう)です。
特に中学生〜高校生の成長期に多く発症する、代表的なスポーツ障害のひとつです。
今回のブログでは、腰椎分離症の発症しやすい年代と、それがなぜかについてお伝えしていきます。
■ 腰椎分離症が多い年代は「成長期」
腰椎分離症は、12〜17歳前後に発症しやすいといわれています。
この時期の骨はまだ成長の途中で、軟骨が多く、完全に固まっていません。
そのため、繰り返されるジャンプ・スイング・ひねり動作によって、腰椎の後方にある「椎弓(ついきゅう)」という部分に小さな疲労骨折が起こりやすくなります。
野球・サッカー・バレーボール・体操など、腰の反りや回旋が多いスポーツでは、特に注意が必要です。
■ 成長期に腰痛が起こりやすい理由
成長期には、体の中でさまざまな変化が起こります。
その中で腰に負担が集中しやすくなる要因がいくつかあります。
-
骨と筋肉のバランスが不安定
成長期は骨の成長スピードが早く、筋肉や腱の柔軟性が追いつきません。
特に太ももの裏(ハムストリングス)や股関節まわりが硬くなると、腰椎に過度なストレスがかかりやすくなります。 -
姿勢・フォームの未熟さ
体の使い方が安定していない段階では、腰を反らしすぎたり、体幹をうまく使えなかったりします。これが分離症の直接的なきっかけになることも少なくありません。 -
自律神経の乱れによる回復力の低下
思春期はホルモンバランスが変化しやすく、ストレスの影響を受けやすい時期。
自律神経のバランスが乱れると、筋肉の緊張や疲労の回復が遅れ、慢性的な腰痛につながるケースもあります。
初期の腰椎分離症は、安静や正しいケアで回復することが多いです。
しかし、痛みを我慢して練習を続けてしまうと、**骨が完全に分離して「分離すべり症」**に進行することがあります。
その場合、腰の痛みだけでなく、脚のしびれや感覚異常が出ることもあるため、早期発見・早期対応が重要です。
■ 土台をサポート
カイロプラクティックでは、骨盤や脊柱のバランスと整えることによって自律神経の働きを安定させ、体が本来持つ回復力を高めるサポートを行います。
特に、成長期の中学生・高校生に対しては、姿勢のクセや体幹の使い方を見直すことで、再発防止とパフォーマンス向上を目指します。
腰椎分離症は、成長期の中学生にとって決して珍しい腰痛ではありません。
「使いすぎ」だけでなく、体の成長バランスや自律神経の乱れが関係しています。
腰痛を感じたら、早めに専門家に相談し、正しいケアを受けることが、未来の体を守る第一歩です。